前回の記事で、謝憐が持っていた心のわだかまりを全て花城が解いていると書きました。もしかしたら花城が持っていたいろんな''懸念''も、謝憐が払拭しているように思うのです。そんな花城の懸念を取り除いた謝憐の素敵な言葉達と行動を見ていきます!

 

前回は割と真面目な回でしたが、なぜか今日はとっても甘い回になりそうです照れ花城の懸念がほとんど謝憐にまつわるからでしょうか...。後半に、二人の思いが通じ合うシーンのネタバレを含むので、直接小説で読みたい方はご注意ください。

①神と鬼、身分の違い

まず一つ目は、自分が鬼であることを受け入れてもらえるかどうかです。罪人坑の下で、花城が下にいる鬼を全て殺したことが明るみになった後、花城に「他に聞きたいことはないの?例えば僕が人間かとか・・」と尋ねられた時、謝憐は「そんなことは知る必要もない。人付き合いは気が合うかどうかに尽きる。何者かは関係ない。好きなら乞食でも好きだし、嫌いなら皇帝でも嫌い。簡単な理屈だから、聞くまでもない」と答えています。花城は、そんなふうに思う謝憐の言葉を聞いて、きっと嬉しかったに違いありません。遠回しに''気が合う''そして''好き''と言われてるんですから。とりあえず、どうにもならない身分の違いという第一関門は、突破できたのです。

 

②本来の姿を見せる勇気

花城は自分の本来の姿に自信を持てず、特に謝憐の前では本来の姿を見せる勇気が持てません。幼い頃から、赤い瞳が原因で散々偏見を受けて、周りから忌み嫌われて、虐められたのです。子供の頃も、その後も、謝憐の前では包帯で巻いたり、仮面を付けたりで、結局一度も本来の顔を見せていません。

謝憐が花城の本来の顔を見たいと言った時、花城は一瞬緊張しています。この時、謝憐は「君はもう友だろ?友には誠実でいたい。君ならどんな姿でも受け入れる。本来の姿が美しいかどうかなんて関係ない」と言います。見た目だけで虐げられてきた花城にとって、謝憐のこんな言葉はきっと、初めてかけられたものだったのでしょう。謝憐から’’君は友だ’’そして’’見た目は関係ない’’と言われた時、きっと花城はとっても嬉しかったに違いありません。そして謝憐がそんなふうに思っていることを知って、初めて見せる勇気を持て、見せる決心ができたのではないかと思います。

 

③惨めだった過去

花城に好きな人がいることが分かった後、別の機会に謝憐が改めて花城の好きな人について尋ねます。この時花城は、その人には告白する勇気がないし、自分の一番惨めな姿を見られていると話します。謝憐は次のように返します。「私にとって、どれだけ輝かしいあなたでも、どれだけ埃まみれで惨めなあなたでも、大事なのは’’どんな’’あなたかではなく、’’あなた’’であることなんだ。三郎のことはその・・とても素晴らしいと思っている。だから三郎のことは全て知りたいと思う。そんな頃の三郎を見ている人が羨ましいんだ。それは願っても手に入れられない縁だ。」

とっても素敵な返しだと思いませんか?謝憐は花城のことを「素晴らしい」と言いましたが、この返しそのものが、まるで好きな人への告白みたいです。*ここの対話部分は原文のだいたいの意訳です。(下手な意訳で本当すみません...。)小説ではプロによるもっと素敵な訳になっていると思います!!

 

ちなみにこの時謝憐は「私も惨めな時期があった。その頃は、もし誰かがこんな泥沼を這いずり回るような惨めな私を見ても、それでも愛してくれたら良いのに、と思った。でもそんな人がいるかどうかも分からないし、他の人にそんな惨めな姿を見せる勇気もない」と言っています。謝憐に教えてあげたいですね。今まさに横にいる花城がその人なんだと。

 

その後、謝憐は花城に「その縁が続くかどうかは、三割が天意(運命)、七割が勇気にかかっている」と後押ししますが、花城は臆病になって、結局それ以上踏み込んだ話はしません。多分、謝憐の「素晴らしい」がどういう意味なのか確信が持てないし、現時点で自分の気持ちを受け入れてもらえる自信がなくて、臆病になったのだと思います。花城は謝憐の気持ちがはっきり分かるまで、決して冒険はしません。

 

④花城に対する気持ちが何なのか

「好き」にも色々あります。人としての好き。友としての好き。恋愛対象としての好き。これまでの二人の関係性から友(もしくは親友)であることは疑いの余地はありません。しかし花城が謝憐に抱いているのは“恋心“(もしかしたら「愛」の方が適切かもしれません...)なのです。花城は自分の“恋心(愛)''が謝憐に受け入れてもらえるのかを、きっと一番懸念していたと思うのです。もちろん謝憐に対して、それを確かめる勇気なんてありません。

 

思いがけず、花城の想い人が自分だと分かった時の謝憐は、今まで奥底にしまっていたものが呼び覚まされ、なだれ込む記憶に圧倒されたに違いありません。「喧嘩して追い出された」「行く当てがない」「どう生きたらいいか分からない」「刀の方が向いているよ」「永遠に忘れない」「小さい頃から好きだった高貴な出身の貴人」・・・

 

一瞬にしていろんなことが頭をよぎり、きっと大きな驚きのあとは、深い喜びを感じたはずです。こんなにも前から花城に出会っていたことに。こんなにも二人の縁が深かったことに。風信と慕情が後ろで気味悪がって色々言いますが、もはや謝憐には雑音にしか聞こえません。早く花城に直接気持ちを確かめたい!!きっとそう思ったはずです。

 

そのあと花城がやってきて謝憐を連れ出しますが、その時の謝憐は風信と慕情によって背中にお札を貼られて、身動きが取れず声も出せなくなります。それでも花城の反応から、花城の気持ちが自分と同じだと確信しますが、花城は謝憐の反応を知るのが怖いあまり、向き合うを避けるのです。

 

この後お札が取れた時、謝憐は「私がこのことについて、どう考えているのか知りたくない?」と尋ねますが、花城はかすれた声で「できれば、言わないでほしい」と、またもやとっても臆病になります。謝憐は「すまない。でもこのことは、はっきりさせたい」と言います。花城は後ろを向いたまま、深呼吸してから、「そうだね」と言います。そんな花城は、まるで死刑宣告を待つ囚人のように目を閉じた、と描写されています。つまり、花城はもうダメだ、と思ったに違いないのです。

 

でも謝憐は次の瞬間、後ろから花城を抱きしめます。それはどんな言葉よりも、瞬時に花城に伝わる返事なのです!(正確に言えば告白はされていませんが...。)謝憐はもう一瞬でさえも待ちたくないのです。そして、謝憐の花城に対する思いが、花城と同じ恋心だと確認できた瞬間なのです!!花城の最大の懸念も、謝憐は行動で見事に払拭したのです。

 

 

もう甘すぎて言葉になりません...。このシーンは何度読んでも感無量です。そのまま目を瞑って、しばらく瞑想できます。

 

こうして謝憐が積極的にならないと、いつまで経っても臆病な花城は気持ちを伝えることができない気がします。なんなら気持ちを伝えようとすることもなく、大好きな殿下のそばで守るだけで満足してしまいそうな気がします笑い泣き好きな人に好いてもらいたい時は花城のようにスパダリを発揮して、好きな人を追いかける時は謝憐のように勇敢でありたいですね!

 

花城の懸念のほとんどは謝憐に関することでした。そして、謝憐も言葉や行動で見事にそれを払拭しています。改めて、この二人が尊すぎます...おやすみラブラブ

 

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本当はこの記事の中で、この時系列にそって、合間に謝憐の心が動いた瞬間を少しずつ挟もうと思ったのですが、あまりに多すぎて長くなりすぎて、分かりにくくなったので、別でまとめることにしました絶望

 

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私は甘い記事大好きです照れ

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