花城は半月関の時に、罪人坑の下で本来の姿に戻っています。謝憐の性格をよく知っていて、謝憐が飛び降りる前に、率先して飛び降りた花城。謝憐はこの時すでに、何となく’’三郎’’が強いことを知っていますが、それでも心配して飛び降りた花城に向かって叫ぶ姿は、見る人の心を揺さぶります。どうして、花城はその時本来の姿に戻ったのか?見ていきたいと思います。

①半月兵士の鬼達を始末するため

絶等級の鬼王である花城がどれだけ強くても、仮の姿は本来の姿に比べて実力がやや劣ります。少年姿でも強いことに変わりはありませんが、本来の姿の方がもっと強いのです。謝憐の性格をよく理解している花城は、謝憐がすぐに下に飛び降りてくることを知っているので、その前にできるだけ短時間で、下にいる半月兵士の鬼達を始末して謝憐の手を煩わせまいとしたのです。

 

②鬼を殺す姿を見られたくなかった

謝憐が飛び降りてきたら、花城が半月兵士の鬼達を全て殺したことはわかると思いますが、花城は謝憐の忠実な信徒として、そして謝憐を慕う者として、自分が鬼を殺す殺伐とした姿を直接は見られたくなかったのではないかと思います。

 

③謝憐を受け止めたかった

謝憐の性格上、すぐに飛び降りてくることが分かっていた花城は、きっと前もって準備をするに決まっています。今の謝憐には法力もないので、飛び降りてきた時に怪我をしないとは限りません。謝憐への心遣いが行き届いている花城は、謝憐が地面に打ち付けられることなんて、許せるはずがないのです。そのため、最短時間で半月兵士の鬼達を始末し、謝憐が飛び降りた時に確実に受け止めようとしたのです。

 

④自分の正体を暗示するため

花城はこの時まだ謝憐に正体を明かしていませんでした。しかし、ずっと隠すことも本望ではなかったのです。謝憐に徐々に自分を受け入れてもらえるように、今回のことを通して、自分の正体を暗示しようとしました。本来の姿に戻り、いつもと違うところを見せることで、謝憐の観察力であれば気付かないはずはないのです。謝憐が自ら、自分の正体について気付いてくれるのが花城にとっては一番良いのです。

 

 

結局、謝憐はどれだけすぐに飛び降りたのか?花城が飛び降りてから、若邪を放って花城を掴もうとしますが、掴めないことがわかると、何も考えずにそのまま飛び降りた、という記載があります。しかし、その瞬間、刻磨によって襟を掴まれ、謝憐は若邪で刻磨を巻いて、一緒に飛び降ります。つまり、花城が飛び降りてから、結構すぐに飛び降りているのです。花城の判断が正しかったと分かります。

 

そして当初、謝憐が飛び降りようとしたのは他の人達を守るためですが、花城が飛び降りるのは謝憐ただ一人のためなのです。

 

本来の姿に戻った花城。

絶等級の鬼王であるにも関わらず、謝憐の前では劣等感を持っている面もあります。特に、本来の顔に関しては自信がなく、謝憐には相応しくないのではと思っている節があります。

 

罪人坑の下は暗いので、とりあえず謝憐に顔が見られる心配はありません。あれほどの美男子である花城でさえ、謝憐の前では自分は醜いのではないかと心配するなんて・・・、好きな人の前で自信を持てない花城が可愛すぎます照れ