天官賜福には、対比になっている部分がたくさんあります。最初読んだ時は気がつきませんでしたが、何度か読んでいるうちに結構はっきり描かれていることに気がつきます。大いにネタバレを含むので、まだ最後まで見ていない方はご注意ください。

①謝憐と君吾

同じように、華やかで万人から崇められる’’太子’’だった過去を持ち、「万人を救いたい」との志を持っていましたが、国の滅亡を止めることができず転落しています。

その時に、かつて救おうとした民達から敵意を向けられますが、この時の二人の民に対する態度は全く異なるものでした。

 

謝憐は一度は闇落ちしそうになりますが、最後は初心を守り抜いています。しかし、君吾は白無相となり、万人を地獄に突き落としました。

 

②師無渡と師青玄

師無渡は水師として「財運」も司り、神官の中でも一番お金に恵まれていましたが、師青玄は最終的に乞食になっています。

 

③敬文真君

敬文真君は女性の神官(霊文)を蔑視していましたが、最後は宦官(去勢された男性役人)の彫刻に憑依することでしか生き延びることができませんでした。なんとも皮肉ですよね。

 

④雨師

一番寵愛から程遠かった公主が、最後は国を救うために自刎(自分で首をはねて死ぬこと)しています。

 

⑤裴茗と雨師

裴茗は男性主義で、傲慢で、野心家ですが、雨師は温和で、謙虚で、世と争わない生き方をしています。

 

こうして見ると結構対比がありますよね。

改めて物語がすごく上手く作り込まれているなぁと思いますおやすみ