今日は花城の言葉の中で、好きな言葉を一つ、ご紹介したいと思います。少々ネタバレを含むので、ご注意ください。

謝憐が自分のせいで、風信がかつて好きだった女性と別れてしまったかもしれないと、罪悪感を持った時に花城がかけた言葉です。

花城:「もし好きでも、最後結局別れたのなら、それは、ただ好きだっただけだ。」

謝憐:「三郎、道が歩きやすいかどうかは、自分で決められることじゃない。」

花城:「道が歩きやすいかどうかは、確かに自分で決められない。でも、それでも進むかどうかは、自分で決められる。」

 

------

・・・すごく深くないですか?

 

何かを成し遂げるためには、時間がかかっても、決して諦めないことが絶対条件になります。また、時間とともに諦められるのであれば、所詮それぐらいの気持ちだったということになります。頑張って「諦めない」と思い続けないと維持できない時点で、もしかしたらそれは本当に心から叶えたいことではないのかもしれません。

 

花城にとっては、どんなに時間がかかっても、どんなに険しい道のりでも、''謝憐''を諦めること自体が、選択肢になかったのがよくわかります。花城のような気持ちで、自分の夢に向かうことができれば、きっとどんなことも叶えられるんだろうなと思います。

そして難しいことであればあるほど、チャンスはそういう人の元に訪れるものだと思うのです。

 

ほとんどの人にとって、それが難しいからこそ、花城の八百年変わらない気持ちが尊いと感じると思うのです。花城は八百年かかって謝憐と心を通わせることができました。あれほど強くて、何でもできて、完璧に思える花城でさえ、八百年かかっているのです。おそらく、彼は八百年で謝憐を見つけることができなかったなら、千年でも二千年でも探し続けたと思うのです。

 

花城の言葉をしっかり噛み締めて味わうと、花城の気持ちの重みがより実感できる気がします。