天官賜福には何度か読んで初めて気がつく細かい伏線がたくさん隠れています。(ネタバレを含むのでまだ最後まで読んでいない方はご注意ください。)

 

今回は、花城がどれだけ謝憐のことが好きか、についてラブ色々あるのですが、その一部を紹介したいと思いますドキドキ

花城の刺青

謝憐が初めて花城に会った際に、花城の左腕に刺青があることが描写されています。この時謝憐は、少数民族の何かの記号かな、ぐらいにしか思っていませんでした。

 

終盤に謝憐はこれが自分の名前「謝憐」の文字だと知ります。知った瞬間の謝憐はきっと驚きと嬉しさで一杯だったんだろうな照れでも、なぜ花城が腕に「謝憐」と刺青を入れているのか?

 

(最初読んだ時は、命の恩人で謝憐のことが好きだから刺青を腕に入れたと思っていました。)

 

実は、天庭から初めて追放された時、三十三人の神官と福地を取り合った際に、どこからか鬼火(花城)がやってきて謝憐の味方をしたのですが、他の神官が「あの鬼火は謝憐の仕業だ!」と言い出して、謝憐が「鬼火なんてどこにでもいるだろ。(どうして私の鬼火だと言うんだ?)私の名前なんて書いてるのか?」と返す場面があります。

 

きっとこの時の言葉を花城は覚えていて、人間の形に化けられるようになった時に、自分の腕に刺青を彫ったんだと思います。

’’自分は謝憐だけのもの’’とも言いたげなこの刺青...すごくキュンとします照れ

花城の骨灰

初対面の時に牛車で花城は謝憐に、鬼にとっての骨灰の重要性を教えていました。鬼にとっての唯一の弱点で、鬼の骨灰を持っている人はその鬼を滅ぼすことが簡単にできる、と。

 

そして割と早い段階で花城は謝憐に自分の骨灰を渡します。しかも、謝憐が眠っている間に、こっそりと。細い細いチェーンで、緩く首に下げただけで。

 

花城はなぜそれが骨灰だと言わなかったのか?理由は3つあると思います。

 

理由①骨灰が鬼にとって何よりも大事なものだと知っている謝憐に対して、まだ友達止まりの花城が骨灰を渡そうとしたら、きっと「そんな大事なもの受け取れないよ」と言われて突き返されたに違いありません。

 

花城は800年恋焦がれてやっと出会えた謝憐に、どうしてもどうしても自分の命と同じ骨灰を受け取って欲しかったんだと思います。

 

それに800年待ち続けた身として、''謝憐にもし万が一のことがあったら、自分ももう存在する意義はない''と本気で考えていたと思います。

 

(実際、終盤あたりに、謝憐に「骨灰はちゃんと安全なところに隠してる??」と尋ねられて、花城は「世界一安全なところにもう隠しているよ。そこが無くなれば、僕ももういる必要はない。」と言うことからも分かります)

 

理由②初対面の時に牛車で「鬼は運命の人ができたら相手に骨灰を渡す習わしがある」とも伝えています。この段階で、花城はそんな告白みたいなことができるはずもありません。。

 

理由③鬼にとって唯一の弱点であり命と同等の骨灰を預かるプレッシャーを与えたくなかったのではないかと思います。花城にとって骨灰は自分の命と同じぐらい大事なものだけど、それでも謝憐には少しのプレッシャーも与えたくなかったんだと思います。

 

そんな思いが、''細い細いチェーン'' ’’緩く首に下げられていた''  ''着替えようとしなかったら気付かないくらい'’の描写に込められています。

(*着替えようとした時に気付いたというのは原作小説での描写です。アニメでは普通に気が付いていましたね。)

 

そして、次に花城に会った時に、謝憐がネックレスについて花城に尋ねます。この時、花城は「大したものじゃない。」みたいな感じではぐらかします。自分の骨灰だとは言いません。そんな姿の花城に、愛の大きさを感じますラブ

有言実行

謝憐が祀られている神廟が燃えた後、子供の花城は、もっと大きくて豪華で誰も比にならないような神廟を建てると神廟に向かって叫びますが、800年後の花城は「千灯観」を建て、それを実現しています。

 

800年花城はずっと謝憐を探し続けていました。人探ししながら、修行して鬼として次第に強くなっていき、さらにお金まで稼いで実現したのです。謝憐はなかなか見つからなくても、今度は謝憐を守ることができるよう、実力を培っていたのです。健気すぎる花城に、涙が止まりません泣くうさぎ

 

''存在自体が希望''

戚容の洞窟を離れた後、謝憐は花城に「誰に対しても大きな希望を持たない方がいい。相手を美化しすぎない方がいい。」と言います。その時花城は「誰かにとって、存在していること自体が希望なんだ。」と返します。

 

花城は小さい頃「万人」に虐げられて、彼を唯一助けてくれたのが謝憐であり、花城にとって「万人」なんて謝憐が大切にしているから大切にしよう、と思う程度のもので、たとえ謝憐が復讐に生きる人であったとしても、花城は謝憐の味方をしていたと思います。

 

(でも、花城は黙々と謝憐を見守っているなかで、どれだけ恨もうが、どれだけ堕落しようが、謝憐は最終的に善良な選択をすることを知っていて、だからこそ、謝憐のことをより一層尊敬し、生き様に感銘を受けています。)

 

謝憐のことを美化しすぎているのは風信だと言えます。美化しすぎて、謝憐を勝手に一点の汚れもない「聖人」に作り上げています。だからこそ風信は、謝憐が強奪したことを聞いた時は受け入れることができず、鎏金宴の真犯人が謝憐ではないと知って一番ホッとしていました。

 

謝憐が一番落ちぶれている時に、みんな離れて行ったが花城だけはずっとそばにいました。完璧な人なんてこの世にはいないわけで、長所や短所を全部知った上で、それでもこれだけ全身全霊で愛することができるのは本当に難しいし、なかなかできないことだと思います。

 

私も自分だけのスパダリ''花城''がほしいおねだり

今世たくさん徳を積んだら、来世私にも’’花城’’やってこないかなお願い