妻のその境地が現実的になってきた。CAR-Tの数日手前、妻のがん腫瘍は急に増幅した。しかしCAR-Tの準備に入っているため予定外の治療が出来ない。とりあえず今日から予定通りCAR-Tの前にやるそのための抗がん剤を投与する。しかしながらそれはあくまでCAR-Tをより効果的にするための準備であり、普段のがん腫瘍を叩くためのものではないからそれがどれくらい今急激に増えてきたがん腫瘍を抑える事ができるのか。


なんでこのタイミングなんだ… CAR-Tの致命的な問題は待ち時間だ。この1ヶ月の間に妻が安定していた日は多い、コンディション的にはCAR-Tに挑める体調であった。そしてようやく日程の目処がついたところ、もうすぐだというところなのに… 


これはもうとにかく不幸としか言いようがない。とにかく不幸だ。なんでなんだ、不幸に不幸が重なるとはよくいうがまさにそれだ。烏森神社で健康のおみくじは大吉だったのに… 


この状態ではあるものの予定通りにことを運ぶ。理由としてはもう抗がん剤があまり効かないこと、何れにしてももうCAR-Tしかない。ただリスクはぐんと上がる、がん腫瘍が多くなってしまった中でやるCAR-Tはそれの効果低下に影響する事と重篤な副作用をもたらす可能性もぐんと上がる事。とにかく生きるか死ぬかのそこのオッズで生きるがぐんと下がる。



本当に、本当になんでこうなってしまったのか、なんでだ。もう僕には理解が出来ない。