毎朝僕は病院にいる妻におはようのメッセージを送る。その目的は妻がちゃんと朝を迎えられているか、この前みたいに意識や記憶が変なことになっていないかの確認のためだ。意識がおかしくなった時は病院より先に僕が異変に気づき、病院に連絡して見に行ってもらった。
正直毎朝が怖い。送ったメッセージがちゃんと既読になり、ちゃんとした返事が来るまでの時間は不安しかない。本当は毎晩でも付き添いでそばにいてやりたい。看護師さんたちも夜は少人数で多くの患者さんらを見ているので1人に集中して見ることはなかなかできない。だから僕がそばで見守りたいところだが毎日毎晩というわけにはいかない。面会に行って妻を1人残してくるのは正直辛いし心配だ。
昨日はまた顔に赤くなってきた部分があるので時間も経ちこの前の抗がん剤もだいぶ抜けてきているのでやはり病気がまた広がってきているのではないかと思うところ。
それにしても、ほんとこれでは化学療法は出てきたがん腫瘍を減らすだけ… なんとか根元を断つことはできないものだろうか。本当にこれはなんとか出来るのだろうか。ネガティヴな事は考えたくはないがどうしても毎度戻ってくるこのがん腫瘍… 漫画みたいに僕が小さくなって妻の体の中に入り癌と戦えるなら挑みたいとか時々思ったりしている。
この闘病生活は一体いつまで続けなければならないのだろうか。元の生活に戻って家族で普通に生活をしたいという願望は僕らにはそんなに贅沢な願いなのか。常に自分の頭にさまざまな事が過ぎると同時に、これから毎月30万円+の支払いもなんとか工面しなければならない。この現実もまたきつい、大した支払いをしなくていい層は本当に幸せだな、と感じる。
世の中本当に結果を出して頑張ってる層が1番苦労していると常々感じるこの毎日の人生の不公平感。そう思うとほんと腹立ってくる。色々と憎しみの感情が自分の中でどんどんと生まれてくるな。郵便受けに寄付お願いの手紙みたいなのが入っていたがバカかよ、ふざけんな、と感じたところだ。こっちが欲しいわ。
でも、希望を捨てず、何とか僕も踏ん張りたい。僕らの何がどう悪くてこうなったのか全く知らんがこれ以上叩き潰されない事を信じながら自分がくたばるまで何とか持ちこたえてやると今朝も心に深く刻み、妻の復活を心から願う。