胃の内視鏡の終了後に消化器内科で呼ばれるのを待ち診察です。

そして診察の開始です。



医師「逆流性食道炎に関してはいまはそんなに胃酸が逆流してる感じはないけど薬飲んでるからかな」



医師「食道裂孔ヘルニアですね。これはもう構造上の問題なので薬飲んでいても逆流性食道炎自体が全くなくなるってことはないと思います。」




僕「あー逆流性食道炎っていうのは昔からなので分かっていたんですけど、ヘルニアですねー。まあうまく付き合っていきます。その感じとは違う引っかかる感じが気になっていたので・・」


医師「それから食道カンジタがありました」

僕「え!?食道カンジタですか!?」

医師「はい。軽度なので抗真菌剤を服薬するかしないか微妙なところですけどね。免疫抑制剤使ってるとどうしてもね」



そうなんです。

今の新しい病院ではHIVの診察は悪性腫瘍などと同じ科になっています。

紹介元の科を見て悪性腫瘍で免疫抑制剤を使ってると勝手に思われていたようで。笑

医師「喉の突っかかりは僕から見ればおそらく逆流性食道炎からじゃないかなと思うんたけどね。食道カンジタの方は軽度だしね。」


僕「あーいや逆流性食道炎は付き合い長いんですけどその違和感とは違う突っ掛からが去年の秋から急にあってですね。」



医師「敏感な人だと違和感を感じる人もいるから何とも言えないけど薬どうするかだね」



僕「あ、一応口腔カンジタは何度も繰り返していたので!抗真菌剤の貼り付け薬は何度も使ってるんですけど食道だと飲み薬になりますね」



医師「え?口腔カンジタ?この病院で?」


僕「いやー別の耳鼻咽喉科で一昨年に最初に見つかってそれ以降、免疫落ちたりすると口腔カンジタは何度も再発しているんですよね。それがきっかけで病気も発覚しましたし笑」



医師「病気?他の耳鼻咽喉科で・・んっ?何で?」


まあ、他の科から紹介きて胃の内視鏡を希望だとして、、その喉の違和感がありとかっていう部分は見てても、他の科の診療内容や病名までカルテに細かく目を通しませんよね


前回の診察も当日依頼してもらったので笑


僕「あの、もう一昨年になりますが耳鼻咽喉科からHIVが発覚して色々あって今この病院で●●医師に診てもらっています。」

僕「それで今回、消化器内科紹介してもらったんですよー。免疫抑制剤じゃないんです笑」


医師「あ・・・あーー」



一瞬静寂に包まれ診察室の時間がストップした後、てっきり悪性腫瘍か何かで免疫抑制剤を使用していると思っていた医師も作り笑いしてました。




パソコンの画面に検査結果の画面が表示されていました。


   

「食道裂孔ヘルニア」

「食道カンジタ」

「逆流性食道炎」

「パレット食道」





僕「先生、食道カンジタ間違いなくあったんですか?」

医師「うん、白く塊がポツポツいているくらいだからね。通常なら抗真菌剤なくても免疫が上がればって薬必要か迷うところだけどね。HIVあるんだったらねー」

僕「少し先に●●先生にHIVの診療の予約があるんですが、この結果のデータあっちに行きますよね?」


医師「もちろん紹介したのは先生だしもちろん結果は行くよ」


僕「じゃあ抗真菌剤についてはHIVの受診の際に相談してみます!」

医師「そうだね!その方がいいと思う」


消化器内科終了です!



いやー消化器内科の医師に色々HIVの話をしても、わかる訳もないですからね。


診察室を後にしました。





潰瘍などもなく、逆流性食道炎は元々長い付き合いだったので特に変わりもなく、

悪性腫瘍などと疑わしいようなものもなく・・

おそらく喉の突っ掛かりの原因は食道カンジタによるものでした。



が!


このタイミングで意外でした。



以前ブログでも書きましたが



エイズ発症の診断は、厚生省エイズ動向委員会「サーベイランスのためのHIV感染症/AIDS診断基準」によります。



まずHIV感染症である事、僕を含め陽性が確定している人たちです。

ア、HIV感染症の診断(HIV感染症であること)


[1]HIVの抗体スクリーニング検査法(酵素抗体法(ELISA)、粒子凝集法(PA)、免疫クロマトグラフィー法(IC)等)の結果が陽性であって、以下のいずれかが陽性の場合にHIV感染症と診断する


1、抗体確認検査(Western Blot法、蛍光抗体法(IFA)等)


2、HIV抗原検査、ウイルス分離及び核酸診断法(PCR等)等の病原体に関する検査(以下、「HIV病原検査」という。)



[2] ただし、周産期に母親がHIVに感染していたと考えられる生後18か月未満の児の場合は少なくともHIVの抗体スクリーニング法が陽性であり、以下のいずれかを満たす場合にHIV感染症と診断する。


1、HIV病原検査が陽性


2、血清免疫グロブリンの高値に加え、リンパ球数の減少、CD4陽性Tリンパ球数の減少、CD4陽性Tリンパ球数/CD8陽性Tリンパ球数比の減少という免疫学的検査所見のいずれかを有する。



次にAIDSの診断です。


アの基準を満たし、下記の指標疾患(Indicator Disease)の1つ以上が明らかに認められる場合にAIDSと診断する。ただし、(ア)の基準を満たし、下記の指標疾患以外の何らかの症状を認める場合には、その他とする




指標疾患(Indicator Disease)



A.真菌症


 1.カンジダ症(食道、気管、気管支、肺)

 2.クリプトコッカス症(肺以外)

 3.コクシジオイデス症

   (1)全身に播種したもの

   (2)肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの

 4.ヒストプラズマ症

   (1)全身に播種したもの

   (2)肺、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの

 5.ニューモシスティス肺炎

   (注)P. cariniiの分類名がP. jiroveciに変更になった



B.原虫症


 6.トキソプラズマ脳症(生後1か月以後)

 7.クリプトスポリジウム症(1か月以上続く下痢を伴ったもの)

 8.イソスポラ症(1か月以上続く下痢を伴ったもの)



C.細菌感染症

 9.化膿性細菌感染症(13歳未満で、ヘモフィルス、連鎖球菌等の化膿性細菌により以下のいずれかが2年以内に、2つ以上多発あるいは繰り返して起こったもの)
   (1)敗血症
   (2)肺炎
   (3)髄膜炎
   (4)骨関節炎
   (5)中耳・皮膚粘膜以外の部位や深在臓器の膿瘍
 10.サルモネラ菌血症(再発を繰り返すもので、チフス菌によるものを除く)
 11.活動性結核(肺結核又は肺外結核)(※)
 12.非結核性抗酸菌症
   (1)全身に播種したもの
   (2)肺、皮膚、頚部、肺門リンパ節以外の部位に起こったもの


D.ウイルス感染症

 13.サイトメガロウイルス感染症(生後1か月以後で、肝、脾、リンパ節以外)
 14.単純ヘルペスウイルス感染症
   (1)1か月以上持続する粘膜、皮膚の潰瘍を呈するもの
   (2)生後1か月以後で気管支炎、肺炎、食道炎を併発するもの
 15.進行性多巣性白質脳症


E.腫瘍
 16.カポジ肉腫
 17.原発性脳リンパ腫
 18.非ホジキンリンパ腫
 19.浸潤性子宮頚癌(※)


F.その他
 20.反復性肺炎
 21.リンパ性間質性肺炎/肺リンパ過形成:LIP/PLH complex(13歳未満)
 22.HIV脳症(認知症又は亜急性脳炎)
 23.HIV消耗性症候群(全身衰弱又はスリム病)

(※)C11活動性結核のうち肺結核及びE19浸潤性子宮頚癌については、HIVによる免疫不全を示唆する所見がみられる者に限る。


HIV感染症で指標疾患が認められた場合にAIDS発症となります。

 

各指標疾患の診断法は「厚生労働省エイズ動向委員会によるAIDS診断のための指標疾患の診断法」の記載による。


指標疾患の診断法も定められています。

そして食道カンジタ症については次のようになっています。


A. 真菌症


1. カンジダ症


 (1) 確定診断(いずれか一つに該当)


  内視鏡もしくは剖検による肉眼的観察によりカンジダ症を確認

  患部組織の顕微鏡検査によりカンジダを確認

 (2)  臨床的診断


  嚥下時に胸骨後部の疼痛があり、以下のいずれかが確認される場合


  肉眼的に確認(いずれか一つ)

   <A>紅斑を伴う白い斑点

   <B>プラク(斑)

  粘膜擦過標本で真菌のミセル様繊維を顕微鏡検査で確認できる口腔カンジダ症が存在



詳しくは

サーベイランスのためのHIV感染症/AIDS診断基準 | 関連情報 | 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センターリンクwww.acc.ncgm.go.jp


などにも記載されています。





AIDS発症です。




今まで口腔カンジタは何度も繰り返していましたが口腔内まではエイズ関連疾患として診断書の一つの項目に該当するものでした。


食道や肺などのより内部に起きた場合はAIDS発症の指標疾患になります。



僕の場合、HIV発覚前後から服薬開始後少し経つまで繰り返した「口腔カンジタ」や、服薬開始後間もない時期に「角膜潰瘍」になりました。角膜潰瘍の原因も通常毒性は弱いコリネバクテリウムでした。



足の痒疹やヘルペス水疱もあり、また上咽頭炎や咽頭炎なども繰り返したりしました。



最初の拠点病院の医師からも

「ケントくんも粘膜や皮膚の免疫が上がらなくて外からの感染に弱い人かもね。たまにいるのよね。血液検査で数値上がっても外からの感染に弱いままって人」



と言われていました。






しばらく数値などが最初の発覚時より低い値になるまでは様子を見ていく予定でした。ニューモシスチス肺炎が発症の割合はダントツで高いのでレントゲンは定期的に撮っていくつもりでした。


特に元々肺は要注意だと言われていたので意識はそちらに行っていました。


前の医師からもよく言われていました。

リンパ腫やカポジ肉腫などはCD4の数値がある程度高くてもなる人を実際に見てきた。


脳に関してはウィルス量が血液検査では抑えられてCD4が高くても脳内でウィルスが暴れてしまい脳症などになる事もある。


元々ウィルスを抑えていても問題になっている悪性腫瘍などはウィルスが抑えられていなければ可能性はより高くなる事


万が一その途中でニューモシスチス肺炎や食道カンジタであれば早期発見ではまず治療も可能だからいいけどリンパ腫や悪性腫瘍なんかという可能性も覚悟はしていました。


いきなりあるとすれば、ニューモシスチス肺炎、眼の免疫が低いようで感染を起こしやすい状態が続いていたのでサイトメガロウィルス網膜炎などの方が可能性は高いと思っていました。




ただ今回調べてみるとやはり色々あるのですね。
もちろん疾患によって違います。


200未満のCD4になると発症の危険が高まるというだけなんですね。


脳だけでなくカンジタでもCD4が実数で700を超えていても発症なんて例もあるようです。


実際体調も上下動していますしCD4も、服薬している時でも1000越えから一気に600くらいまで落ちたりしていたので身体の中でどのような動きだったかは分かりません。




喉の今の違和感を感じ出したのは9月10月の上咽頭炎や咽頭炎、扁桃炎などを繰り返していた一番調子の悪かった時期からでした。


もしかしたら一時的に免疫が下がってその時から食道にもカンジタが広がっていたのかも知れません。耳鼻咽喉科の内視鏡では上の方しか見ませんしね。


そして一度広がった真菌が自然治癒するには今の状態でも免疫が弱すぎた。それが原因かも知れません。





血液中のCD4細胞だけで粘膜や皮膚、眼球などその部分での免疫状態というのは一概に言えるものではないようです。




この日はHIVの診療や採血はありませんでした。



病院でソーシャルワーカーに一言伝えに行きました。

僕「今この前予約していた消化器内科受診してきましたが食道カンジタがありましたので伝えておこうと思って来ました」


SW「あー食道カンジタだったですか。AIDS既往歴があるになるわけですねー。」


僕「そうですね。僕もこのタイミングは意外だったので、他の項目もあるし慌てず今度の診察の時に相談しながらいこうとは思ってますけど、どちらにしろエイズ発症になれば話の幅は広がって進みやすくはなるかなと思ったので。」



SW「そうですね、今度HIVの受診の時に医師とまた相談していきましょう」




連絡を済ませて病院を後にしました。

今考えると前回SWに胃の内視鏡を受ける事をカンジタか何かですか?って聞かれて、いやそれはまだないと思うって言ってたけどなりましたね。


エイズ指標疾患の食道カンジタの確定診断は記憶通り内視鏡での確認で大丈夫でした。




今回の内視鏡、耳鼻咽喉科で喉までは診てもらって昨年の秋頃特に何も言われなかったので、もしかしたら甲状腺とかちょっとしたポリープや潰瘍、悪性腫瘍なんかもあるかなと思っていましたが思わぬ展開でした。



まずはHIVの医師と次回の診察で相談していくことになります。

ちなみにエイズ発症というのは基準の日和見感染症に罹患するかなので急激に体調が悪くなるという訳ではありません。