治療できないガンになった時に延命治療か緩和治療か… | ライフイベントコミュニティのブログ

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昨日も民放TVで“終活”に関するスペシャル番組が放映されましたが、終活やエンディングノートに対する社会の理解度もここ数年で随分と高まってきています。
また、本来はネガティブに陥りがちな事柄にも終活に参加する方々はポジティブに捉え、残りの人生をいかに有意義に過ごすかを真剣に考えられている様子が紹介されていました。

そんな紹介映像の中でも特に印象の強かったというか、自分も経験したタイトルについて考えてみます。

実は、2005年頃に私の母親が子宮系のガンになっていることが判明し、当初は離れて住んでいた事もあり地元の大きな病院へ入院させ精密検査などを繰り返す日々が始まりました。
しかし、時すでに遅くその病院ではオペができない状態との事で延命措置を無条件で進めていました。

他に手だてがない事もあり、中々治療してもらえない気持ちが母親の気持ちとして芽生え始めたようで、前代未聞の事件が起こるのでした…

なんと、母親は入院中の病院から119番してしまい、「助けて~殺される~」と救急コールをしたようで後にナースさんから「入院中の病院から救急車を呼ぶなんて前代未聞です!」っときっぱりお叱りを受けてしまいました(^_^;)

病院側の気持ちも分からないでは無いですが、患者の気持ちを置き去りにしてしまった事も事実ですね。

そんな事件があった事もあり、妹の旦那さんの伝手でガン治療では有名な静岡県沼津市長泉にある「静岡県立 静岡がんセンター(http://www.scchr.jp/)」病院の病室を無理くり確保頂き転院入院させました。
がんセンターの医師、スタッフ様はとても丁寧で気持ちの良い対応をして頂き、院内での各種イベントなども多数開催されており余命を過ごす患者には天国のような場所でした。
こちらの病院でも精密検査を行い、分かってはいましたが結果的に治療不可との結論でした。

そして病院から提示されたプランは「延命治療」か「緩和治療」でした。
その時に私が考えたのは、延命治療は家族ための治療法。緩和治療は本人のための治療法…と理解し、家族とも話しをした上で本人の痛み、苦痛を取り除いてあげる事が最善との結論を導き出し、主治医に「緩和治療」をお願いしました。

家族にとってはつらい選択ですが、やはり本人にいかに負担をかけないか…がとても大切な判断基準になるのではないでしょうか?
緩和治療により本人も幾分楽になり、残された命の続く限りわがままを聞いてあげ、家族に付き添われながらお寿司を食べたり、院内で開催されるクラッシックコンサートを鑑賞したりと有意義な時間の中で最後を迎えていきました。
お見舞いに来られる方々とも楽しくお話をしていました。楽しく話している姿をみていると母親から発せられる「ありがとう」のメッセージが伝わってきました。

この時代ではさすがにエンディングノートなどの認識もなかったので作成しませんでしたが、これからの時代はできますね。

残された私たち家族も最終的には痛みが少なく限りはありますが、やりたい事をやり食べたいものを食べさせてあげらた事で気持ちの落としどころができ、失った気持ちの方向性を少しだけ変えられた気がします。

同じような境遇を迎えられた方の参考になればと思います。
また、このような事象もライフイベントの一部をなす事柄なんですよね。。悲しいですが。。

最後になりますが、母親の余命を有意義な時間に変えて頂きご尽力頂いた先生、看護師の方々に深く御礼申し上げます。本当にありがとう御座いました。


♂ELAMICA