EQ (こころの知能指数) の追記: EQの構成要素 | ごく普通の日本人が出逢った外資系企業の世界

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EQという本のご紹介男と女のEQ、に引き続いて、EQの構成要素に関しても書き留めておきたいと思います。

1) 自己認識

EQ(こころの知能指数)を高めていくための第一歩は、自己認識を高めることです。もう少し詳しく見ていくと、次のような要素が含まれています。

・ 感情の自己認識: 自分の内なる信号を受け止め、自分の気持ちが自分自身の仕事にどう影響するかをしっかり認識しているということです。これによって、自分の指針となる価値観をよく理解し、複雑な状況においても最良の行動を直感的に選択することができます。その結果、率直で偽りのない信念を持った人間になることができます。

・ 正確な自己評価: 自分の強さと限界をわきまえ、改善すべきところは潔く学び、建設的批判を歓迎できるということです。

・ 自信: 自分の長所に健全な自信を持ち、それを活かすことができるということです。これによって、難しい課題にも進んで取り組むことができ、また、集団の中でも堂々とした印象を持つことができます。

これらの「自己認識」の要素をしっかり持った上で、次の課題である「自己管理」と「社会認識」に移ります。しっかりとした「自己認識」無くして、この二つの能力を大きく伸ばしていくことはできません。

2-A) 自己管理

・ 感情のコントロール: 自分の中の不穏な感情や衝動を管理し、有益な方向へ向け直すことができるということです。これによって、困難な状況においても平静を保ち、明確な判断力を失わずにいられます。

・ 透明性: 自分の価値観に正直だということです。自分の気持ち、信条、行動を一切隠し立てしない姿勢は、誠実さへとつながります。自分の誤りは素直に認め、他人の非倫理的行動に対しては看過せず立ち向かうということです。

・ 順応性: 多くの要求にも集中力を失わずに対応し、組織が必然的に持つあいまいさを気にしないということです。この結果、新しい課題や変化に対しても素早く適応し、しなやかな思考力を失いません。

・ 達成意欲: 高い基準を持ち、自分自身についても部下についても、常に高いパフォーマンスを要求するということです。実用主義的で、リスクを考えた上で達成可能かつ難易度の高い目標を設定します。そして、常に向上を目指して学習・指導を続けていきます。

・ イニシアティブ: 自分の運命をコントロールしようとする意志です。自分からチャンスをつかむために積極的に行動し、将来の可能性を広げる為には慣例を打破することも厭いません。

・ 楽観: 逆境を柔軟にかわし、挫折の経験の中にもチャンスを見出すということです。いわゆる、「コップの水はまだ半分も残っている」と考える楽観性で、他者に対しても肯定的な態度で臨みます。

2-B) 社会認識

・ 共感: 他者の広範な感情の信号を受け止め、個人や集団が口に出さない感情を感じ取ることができるということです。この結果、多様な背景を持つ人や異文化の人とも良好な人間関係を築くことができます。

・ 組織感覚力: 政治的観察力に優れ、決め手となる力関係を読むことができるということです。その結果、組織の政治力学を把握し、その中で働く人間を支配する価値観や暗黙のルールを読み取ることができます。

・ 奉仕: 顧客との関係を良好に保てるような感情風土を醸成できるということです。顧客が満足しているかどうかに常に注意を払い、必要とされた時には快く対応します。

さて、「自己認識」で自分を理解し、「自己管理」で自分をコントロールし、「社会認識」で他者・組織を理解した上で取り組むのが、次の「人間関係の管理」です。

3) 人間関係の管理

・ 鼓舞激励: ビジョンやミッションを掲げて、共鳴と感動を引き起こすということです。日々の仕事を超えたレベルで人々に連帯感を与え、グループに活気をもたらします。

・ 影響力: 説得力を持って集団に語りかけることができ、聴衆の関心をそらさないということです。その範囲は、一人の聞き手の心を捉える能力から、賛同者のネットワークを創り上げてイニシアティブを喚起する能力に至るまで、広く含まれます。

・ 育成力: 自分が援助する相手に純粋な関心を示し、彼らの目標や強み・弱みを理解し、タイミング良く建設的なフィードバックを与えることができるということです。

・ 変革促進: 変革の必要性を認識し、現状に疑問を呈し、新しい秩序を擁護するということです。反対勢力があっても、変革の必要性を熱心に説き、また、変化を妨げる要素を克服する為の現実的な方法を見つける力も必要です。

・ 紛争処理: 当事者全員の主張を余すところなく引き出し、視点の相違を理解し、その上で全員が納得できる共通の理想を見出すことができるということです。当事者全員の気持ちや見解を認知した上で、エネルギーを共通の理想へと向け直す力です。

・ チームワークと協調: 有効な協調関係を作り上げ、自分自身も尊重と援助と協調の模範を示すということです。周囲を巻き込んで、全体の目的のもとに積極的・熱狂的なコミットを喚起し、集団の一体感を作り上げます。また、仕事上の義務を超えて、親密な人間関係を育成・強化する為に時間をかけます。

以上です。自分自身の職場・家庭・友人関係におけるEQを継続的に伸ばしていく為に、時々この表を見直してチェックしていきたいと思っています。