海外自宅サロン主宰、天然石アクセサリーデザイナー
Life-essenceのシーゲレ陽子です。
海外で暮らし、ジュエリーデザイナーとして活動していると、
時折「自分は何を届けたいのか」という原点に立ち返る瞬間があります。
最近、森英恵さんの特集ドラマや著書に触れ、
その想いがさらに強くなりました。
世界的なデザイナーとして活躍しながらも、
彼女は最後まで「日本人であること」を決して手放さなかった。
その姿勢に、私は深く胸を打たれたのです。
森英恵さんは、
日本人として初めてパリのオートクチュール組合に
正式加盟したデザイナーとして知られています。
けれど彼女の偉大さは、単に“世界で成功した”こと、
だけではないと思うのです。
海外の流行を追いかけるのではなく、
日本の美意識を世界へ届けようとしたこと。
蝶をモチーフにした作品に込められた繊細さや、
着物文化から生まれる色彩感覚、
静けさの中にある強さ。
それらはすべて、
「日本人として何を美しいと思うのか」という,
彼女自身の答えだったように感じます。
海外で仕事をしていると、
日本的な感覚は時に“わかりにくいもの”とされることがあります。
もっと大胆に、もっとわかりやすく、もっと強い個性を。
そんな価値観に触れることも少なくありません。
特にパリで自分の作品を売りたいと強く思っていたころは、
そんな価値観に憧れたこともありました。
けれど、森英恵さんの人生を知るほどに、
「理解されるために、自分を変えすぎなくてもいい」
そう思えるようになりました。
むしろ、日本人だからこそ持っている感性がある。
余白を美しいと感じる心。
繊細な手仕事に宿る温かさ。
控えめなのに、芯のある美しさ。
それはジュエリーの世界でも同じです。
日本で育った感性は、決して薄いものではない。
むしろ世界に出たからこそ、その価値が見えてくる。
森英恵さんは、自分のルーツを守りながら、
世界の舞台で堂々と勝負をした人でした。
「海外で認められること」と、
「日本人らしさを失わないこと」は両立できる。
彼女の人生は、それを証明しているように思います。
そしてそれは海外で暮らす日本人女性たちの生き方にも、
同じ感覚を見出します。
海外で暮らすことは、想像以上に強さが必要です。
言葉の壁、文化の違い、孤独、自分の価値観が通じない苦しさ。
時には、「私はここにいていいのだろうか」と、
自信を失う日もあります。
でも、異国の地で悩みながらもここに居続けること自体が、
すでにとても勇敢なことだったりすると思うのです。
日本人女性は、決して弱くない。
静かだけれど、しなやかで、忍耐強く、
相手を思いやる力を持っています。
その優しさや繊細さは海外では時に“弱さ”ではなく、
“品格”として映る場面がたくさんあります。
だから無理に誰かのようにならなくていい。
大きな声で自分を主張し続けなくてもいい。
自分の感性を信じて、
自分らしい歩き方をしていい。
森英恵さんもまた、
日本人女性としての美しさや強さを失わずに、
世界へ羽ばたいた人だと思うのです。
年齢を重ねるほどに、“何を作るか”より、
“なぜ作るのか”が大切になってきました。
私も、ジュエリーという小さな世界の中で、
日本人としての美意識を形にしていきたい。
流行に流されるのではなく、長く心に残るものを。
派手さではなく、丁寧な作りのものを。
ジュエリーだけが輝くのではなく、
身に着けた女性たち自身を輝かせるものを。。。
そして最近、そんな想いを込めて作ったのが、
模様入りブラックパールとゴールドパールのネックレスです。
パールは磨きすぎなくても、作り込みすぎなくても、
もともと十分に美しい素材。
だから今回はその素材の持つ自然な存在感をできるだけそのまま活かして、
毎日さらりと身につけられるシンプルなネックレスにしました。
ブラックパールの深い艶。
ゴールドパールのやわらかな温かみ。
それぞれ違う個性があり、
どちらも“そのままで美しい”。
派手さがないのにその存在感は強く美しくあるというのが、
まるで日本人女性のよう。
自分が持っているものを自分らしく大切にできたら、
それだけで十分素敵。
このネックレスが、
そんなことをふと思い出させてくれる存在になったら嬉しいです。


















