アルベール・カミュの言葉~批評家に自分の評価を預けるな! | お金と心を動かす会話術 | 浅川智仁

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セールスとは、「センスの科学」です。
センスを上げながら、仮説と検証の精度を上げる取り組みを続ければ、結果は自ずと変わっていきます。

センスの上げ方や仮説の立て方を、あらゆる角度からご紹介します。

ぜひお気軽にのぞきに来てください。

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「一冊の本を出すのには三年かかる。(しかし、批評家が)
それを茶化し、間違えた引用をするのには五行で足りる」
(アルベール・カミュ)
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1957年のノーベル文学賞作家アルベール・
カミュからの一言をご紹介します。










大学生の頃、僕はアルベール・カミュの作品をよく読みました。


特に、人間存在の不条理さを徹底的に描いた代表作『異邦人』は、
何度も読み返したお気に入りの一冊です。





異邦人 (新潮文庫)/新潮社
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母親の死を、昨日か一昨日かは忘れたけど…、と語る感情の温度が一切ない主人公は、「太陽が眩しかったから」と人を殺し、死刑宣告を人ごとのように受け入れます。



作品の背景には、カミュが生きた時代が色濃く影響しています。


世界は確実に「不条理性(不合理である」に支配されていました。




二つの大戦による疲弊と、突きつけられた「西欧文明の没落」、
更には機械文明の発達に伴い、個人が社会の歯車の一部になったという避けられない認識が世の中を支配していたのです。

そうした時代に、
カミュは人間的感情をとことん削ぎ落とした主人公を描きました。






余談ですが、カミュは『異邦人』の5年後、『ペスト』
という長編小説を発表しています。





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興味深いことに、ここでの主人公は前作と180度違い、
人間の可能性を徹底的に信じて行動する医者です。

二つの大作の関係性を見た時、アルベール・カミュの人間に対する希望を、私は感じずにはいられませんでした。






いずれにしても、創作には、
こうした深く長い思索と苦悶が必要となります。

一方、批判や批評は、そんなことは関係無いとばかりに、
いとも簡単に行われるのが現実です。




僕は、批判ばかりする人の意見は、決して受け入ないと決めています。

なぜなら、ことほど左様に、批判や批評とは、創作した側の意図を汲み取る発想に欠けているからです。




自分の評価を、簡単に批判する人に委ねることほど、
危険なことはありません。







~人生はデザインするもの~
ライフデザインパートナーズ株式会社
代表取締役 浅川智仁