クラニオセイクラルの不思議
クラニオセイクラルは―量子物理学や胎生学で解明されて来ているとは言え
未だ私には不思議なことが多く、それが面白くて学びやセッションを続けているとも言えます。
[クラニオセイクラルが作り出す一体感]
先のコラムでも述べましたが、クラニオセイクラルの施術は、施術者が[ニュートラル]の状態を作り出すところから始まります。
[ニュートラル]を一言で説明するのは難しいのですが、[いのち]という状態に戻って、ただ存在する と言ったら良いでしょうか。
一種の瞑想状態です。
すると、施術空間が少しずつ鎮まっていき、クライアントも鎮まっていき、通常の状態では知覚できない感覚がキャッチされ始めます。
施術者やクライアントの身体感覚にも、変化が現れ始めます。拡がっていく感覚だったり、緩んでいく感覚だったり、境界線が溶けていく感覚だったり…。
現実にいる場所のチャンネルが、変わります。
そこに[私]はいるけれど明確ではない。だから[他者や他のもの]もあまり明確ではない。
音楽ライブの現場とかに、近いのかな?
強いて言えば、展開するセッション自体が主人公になるような感じでしょうか。
[協働調整という発見]
不思議だったこの一体感の伝播を、ポリヴェーガル理論が説明してくれた!と、この理論に出会った時に思いました。
[協働調整]聴き慣れない言葉ですが、ポリヴェーガル理論ではキーワードの一つです。
哺乳類の自律神経系は、腹側迷走神経系の状態にある時、[協働調整]する。
私の解釈で言ってしまえば、哺乳類は
「安心で安全だと感じる時、その感覚を、自律神経系を通して伝播し合い、共に自律神経系を調整する」ということになります。
お母さんと赤ちゃん、ペットと飼い主、恋人同士や友人同士の間で、ごく普通に起きている出来事です。
同じ様に、クラニオでは、施術者の私がまず、[安全・安心]を基盤にしたニュートラルのゾーンに入るから、
それが伝わって拡がっていくのだな、と、やっと腑に落ちたのでした。
宇宙も身体も脳も、まだ未解明なことの方が多いなかで、こうして[不思議]に光が当たると、それはそれで、ますます面白くなります。
施術の現場だけではなく、ヨガのクラスや日常のヒトとの出会いの中で、
先に[安全・安心の自律神経]でいられたら、そこには何が展開するだろう、とワクワクしますよね。