ハトヤ1

 

この店構え、外観を見て、

 

懐かしいと感じる方は、

 

間違いなく昭和以前の生まれの方だろう。

 

私の小さい頃、近くのお店というのは、

 

須く、こんな感じであった。

 

 

 

 

 

このお店は、

 

大正元年から創業された

 

老舗のコッペパン専門店だが、

 

二代目の店主がお亡くなりになり、

 

数年前に閉店。

 

その後、店は痛み、売りに出されていたそうだ。

 

そこへ、ある1人の女性が意を決して、

 

老後の資金をも注ぎ込み、

 

店を再開させた。

 

 

 

 

 

ハトヤ2

 

そのお店を訪ね、

 

一番人気のローストビーフ・レタスサンドをいただく。

 

コッペパンの味は、

 

まるで学校の給食を思い出すように、

 

実に素朴な味なのだが、

 

フレンチドレッシングのかかった

 

ローストビーフ、レタスなどを優しく包んでいて、

 

その存在感がしっかり感じられる。

 

そして、お供のコーヒー

 

ローストされた豆の匂いに、

 

私好みの酸味が効いていて、実に美味い。

 

 

 

 

 

この店の一部の常連客だった方は、

 

以前の味とは異なると述べる人もいる。

 

確かに、味の継承というのも

 

伝統を引き継ぐ大事な要素の1つだと思うのだが、

 

必ずしも味だけが伝統というわけでもないと思う。

 

例えば、冒頭の店構えの外観、看板の色使い、雰囲気などは、

 

意匠があると感じられるし、

 

こうした外観なども地域文化の一部を形成、継承してきた

 

充分に伝統と呼べるものだと思う。

 

大きなモニュメントならば、国や自治体が保護、保存してくれるが、

 

そうでない場合には、地域や個人が支えるしかないのが現実だ。

 

 

 

 

 

現在の店主も、

 

建て替えられるより、

 

地域らしさや文化、歴史を残すことも大切

 

との思いから、この店を継承したとのこと。

 

その考えに同感するし、

 

私も非力ながら、

 

お店で飲食することを通じて応援することは、

 

無理なく続けられるので、

 

今後も、応援していきたい。

 

・・・というのは、尤もらしい口実で、

 

実は、単に飲み食いしたいだけだったりするニヤニヤ