
つながることで見えてきた新たな可能性
2026/10/14
【つながることで見えてきた、新たな可能性 】
今回、がんサバイバーの方々を応援するイベント「リレー・フォー・ライフジャパンぐんま」にはじめてブース出展という形で参加させていただきました。
私にとって今回の参加は、単なるイベント出展ではありませんでした。
以前から大切にしてきた「多職種連携」への想いを、実際の行動につなげる機会であり、人とのつながりが生み出す可能性を改めて感じる貴重な経験となりました。
今回のきっかけをつくってくださったのは、ケアタクシー「ペイフォワード」代表の武藤さん。
以前から多職種連携の勉強会などでご一緒し、勉強会のあとも食事をしながら、医療・介護・福祉の現状や、私たち介護保険外サービスの役割について、何度も熱く語り合ってきました。
その中で、ずっと話していたことがあります。
「本当の多職種連携を実現するには、私たち介護保険外サービスの事業者自身が、医療・介護の現場へ積極的に働きかけていく必要がある」
誰かに声をかけてもらうのを待つのではなく、自分たちからつながりをつくりに行く。
互いの仕事を知り、必要なときに一緒に動ける関係を築いていく。
そんな想いを共有していたところ、今回のイベントのお話をいただきました。
今回は、民間救急搬送事業者3社と、訪問理美容を行う私の計4社で、
「救急搬送事業者有志の会」
としてブースを出展しました。 ケアタクシーペイフォワードさん、ケアタクシーノアさん、ケアタクシーミューズさん。
仲間の皆さんとご一緒できたことを、とてもうれしく思っています。
私にとって、イベントブースへの出展は初めての経験でした。
訪問理美容には、法律上の制約があります。
理美容業務は法律上、原則として理美容所以外で施術は行えず、訪問による施術が認められるのは一定の条件を満たす場合です。
そのため、一般的なイベント会場で理美容行為を提供することはできません。
では、訪問理美容の事業者は、こうしたイベントに参加できないのか。
私は、そうではないと思いました。
今回は、理美容行為とは区別したケアサービスについて、事前に保健所へ内容を確認したうえで許可を取り出展しました。
また、衛生管理にも十分に配慮しました。
日本衛生管理協会の衛生管理システムに沿い、ケアの際には手袋を着用。
肌に触れるものは使い捨てのものを使用し、お客様一人ひとり、ケアのたびに手指消毒を行うなど、普段の訪問理美容でも実施している衛生管理を徹底しました。
実際に参加してみて、大きな気づきがありました。
理美容業の施術という枠だけにとらわれなくても、私たちの活動や存在を知っていただく機会はつくれる。
それを自分自身の経験として実感することができました。
今回のイベントは、医療関係者の方々が主体となって運営されていました。
私のブースでケアサービスを受けてくださった方の約半数は、がんサバイバーの方々。
そして残りの約半数は、看護師さんをはじめとする医療従事者の方々でした。
普段、訪問理美容の仕事では、医療・介護・福祉の専門職の方々と、利用者さんを支える立場で関わることがあります。
しかし今回は、医療従事者の方々ご自身に、私が提供するケアサービスを直接体験していただくことができたのです。
仕事について説明するだけではなく、実際に体験していただく。
その時間の中で、私自身の活動や想いを知っていただく。
これも、多職種連携への一つの入り口なのだと感じました。
人をケアする人にも、自分自身を大切にしてほしいケアサービスを提供する中で、強く感じたことがあります。
医療従事者の方々と接する中で、私は、普段から周囲に気を配り、人を支える仕事をしている方々こそ、ご自身をいたわる時間が必要なのではないかと考えました。
看護師さんをはじめ、医療の現場で働く方々は、日々、患者さんやご家族の気持ちに寄り添い、さまざまなことに心を配っています。
人の不安や悲しみを受け止め、相手の状況を考えながら働く。
そこには「感情労働」と呼ばれる側面があります。
だからこそ、ご自身のことが後回しになってしまう場面もあるのではないでしょうか。
いつも誰かをケアしている人にも、自分自身をケアする時間を大切にしてほしい。
そんな想いが自然と湧いてきました。
医療や福祉の現場を支えている方々自身も、誰かに支えられていい。
自分の身体をいたわり、自分のための時間を持ってほしい。
今回の経験から、そのことを強く感じました。
ケアを提供している間には、看護師さんたちとさまざまなお話をさせていただきました。
私が訪問理美容という仕事にかけている想い。医療や福祉に関わるうえで大切にしていること。
理美容が持つ可能性。
そして、これから実現していきたい活動や、多職種連携のあり方。
そうした話をする中で、看護師さんたちから専門職としての視点でアドバイスをいただいたり、私の想いに共感していただいたりする場面がありました。
これは、私にとって本当にうれしい時間でした。
自分の想いを伝える。
相手がそれを受け止めてくださる。
そして、相手の方の言葉や考えを、私も受け取る。
心理学でいう「ストローク」、つまり互いの存在や想いを認め合うようなやり取りが、自然に生まれていたように感じます。
ケアサービスを提供しているのは私ですが、実は私自身も、その会話からたくさんのものをいただいていました。
ケアを通じて、人と人が向き合い、互いの想いや仕事を理解していく。
これも、実際に出展したからこそ得られた気づきです。
多職種連携というと、勉強会や会議、名刺交換などを思い浮かべることが多いかもしれません。
でも、サービスを体験していただきながら、自然な会話の中で互いを知ることも、連携のきっかけになる。
そんな可能性を感じました。
リレー・フォー・ライフは、夜通し歩きながら、がんと向き合う方々を応援するイベントです。
日が暮れた頃、がんで亡くなられた方々を偲ぶ催しがありました。
その光景を見ていたとき、胸がジーンとなりました。

私の身近にも、大切な人をがんで亡くした悲しみを抱えている仲間がいます。
大切な人を失った方々の想い。
今もがんと向き合いながら日々を過ごしている方々の想い。
そして、その方々を支えるご家族や仲間の想い。
普段の仕事の中でも、人の暮らしや人生に関わらせていただいていますが、今回のイベントでは、改めてその重みを感じました。
この場に参加させていただけたこと自体が、私にとって大切な経験になりました。
今回の出展を振り返るうえで、どうしても伝えたい感謝があります。
ケアタクシーミューズの小林さんのことです。小林さんは、出展に向けて必要となるさまざまな媒体や制作物を一手に引き受け、形にしてくださいました。
その行動力、動きの速さ、そして周囲への細やかな心遣い。
一つひとつの行動を見ていて、本当に感動しました。
誰かが動かなければ、形にならないことがあります。
「一緒にやりましょう」と言うだけでなく、実際に動き、必要な準備を進め、周囲を支えてくださる。
その姿から、私自身も多くのことを学ばせていただきました。
多職種連携とは、肩書きの違う人たちが集まることだけではなく、互いのために実際に行動できる関係を築くこと。
今回、小林さんの姿を通して、その大切さを改めて感じました。
本当にありがとうございました。
イベントの途中には、仲間も遊びに来てくれました。
そこから夜通し、さまざまな話をしました。
医療、福祉、介護タクシー、民間救急搬送、訪問歯科、訪問理美容。
介護保険サービスと介護保険外サービス。
それぞれの立場から見える現場の課題や、これからの連携のあり方について、深く語り合うことができました。
私は、こういう時間が本当に大切だと思っています。
同じ職種の人だけで集まっていては、気づけないことがあります。
違う職種だからこそ見えるものがあり、互いの仕事を知ることで、初めて生まれる協力の形があります。
多職種連携は、言葉で語るだけでは実現しません。
自分から会いに行く。
話を聞く。
互いの仕事を理解する。
そして、必要なときに一緒に動ける関係をつくっていく。
その積み重ねこそが、本当の多職種連携につながっていくのだと思います。
今回の経験を通して、同じ訪問理美容の仕事をしている方々にも伝えたいことがあります。
私たちは、理美容の技術を通じて、外出が難しい方々の暮らしを支えています。
それは、とても大切な仕事です。
でも、私たちにできることは、それだけではないと思うのです。
理美容の施術ができない場所でも、法律やルールを守りながら、地域の人たちとつながる方法を考えることはできます。
医療や介護の専門職の方々と話し、訪問理美容という仕事を知っていただくこともできます。
そして今回、私自身が体験したように、医療従事者の方々にケアサービスを提供しながら、互いの想いを伝え合うこともできます。
自分たちから外へ出ていくことで、新しい連携のきっかけが生まれるかもしれません。
訪問理美容の可能性を、自分たち自身で狭めてしまってはいないでしょうか。
私自身も、今回初めてイベントに出展して、そのことに気づかされました。
これからも理美容業務とそれ以外の活動をきちんと区別しながら、新しい形で地域のイベントにも参加していきたいと思っています。
そして、医療・介護・福祉の中に、私たち訪問理美容も積極的に関わっていきたい。
待つのではなく、自らつながりに行く。
そんな姿勢を大切にしていきます。
今回、お声がけくださったペイフォワードの代表。一緒にブースを出展したケアタクシーノアさん、ケアタクシーミューズさん、そして仲間の皆さん。夜通し語り合ってくれた仲間たち。
そして、イベントで出会ったすべての方々に、心から感謝しています。
人とのつながりが、新しい可能性をつくってくれる。そのことを改めて実感した、忘れられない時間でした。
これからも、職種の垣根を越えて、人と人をつなぐ活動を続けていきたいと思います。
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