がらにもなくクラシックについて書きます。
私は全然クラシックに詳しくないし、あまり興味もありません。
でもなぜ書くのかというと今日大学のドイツ語の授業で感動的な映像を見たからです。
その授業はオペラやクラシックの歌詞を和訳し、時々映像を見るという授業です。
12月ということで第九の歌詞を和訳し、今日はその映像を見ました。
日本では歓喜の歌とか喜びの歌という名前で知られています。
その映像は1989年にベルリンで演奏されたものでした。
89年といえばベルリンの壁が崩壊した年でもあります。
演奏会はベルリンの壁が崩壊して間もない頃行われました。
ベルリンの壁崩壊が11/9で、コンサートは12/25です。
指揮者のレナード・バーンスタインはこの時すでに肺ガンに侵されており、翌年彼はこの世を去ります。
彼にとって第九を指揮する最後の機会となりました。
おそらく彼もそのことを自覚していたでしょう。
彼の演奏(指揮者だから演奏とは言わない?)は迫力があり、見るものの心を動かします。
表情豊かで時にはジャンプしたり。
演奏の終盤では汗が鼻から滴り落ちるほどで、この演奏にかける気持ちや押し寄せるプレッシャーが感じられます。
演奏が終わって万雷の拍手に包まれ、彼はしばらく観客の方を振り向きません。
背中で拍手を感じているのか、それとも涙のせいで振り向けないのか。
その後オーケストラのメンバーとハグを交わす姿もまた感動的です。
またこの演奏では歓喜という歌詞、ドイツ語だとFreudeをFreiheitというドイツ語、意味は自由に置き換えて歌います。
冷戦の終結を象徴するベルリンの壁崩壊を受けて、もう西とか東とかにこだわる必要はなくドイツは再び一つの国家になったというメッセージが込められています。
またメインの歌手(多分正しくない言い方だけどとにかく合唱団の一員ではなくソロパートがある歌手)の国籍はアメリカ、イギリス、東西ドイツからそれぞれ1人ずつ。
またオーケストラはアメリカ、ソ連、東西ドイツ、イギリス、フランスの6か国のオーケストラが合同して1つのオーケストラとして演奏しています。
今とはまったく違う国際情勢の中、コンサートの開催にこぎつけた関係者の努力がうかがえます。
ホールの外には入りきらなかった観客がスピーカーを通して演奏を聴いていました。

とここまで書きましたが、ほとんどはこの授業を同じく受けているピアニストを目指している友達の受け売りとネットで拾った情報です。
私が今日演奏を聴いた時点ではベルリンの壁崩壊後に演奏されたことしか知りませんでした。
それなのに私のようなど素人をも感動させることができるのは、素晴らしいものは理屈ではないということの証拠でもあります。
前回のラグビーW杯の日本対南アフリカを見てラグビーにハマった人が続出したように。
とにかく私がいくらここで説明したって百聞は一見にしかずですから是非映像見てください。
私も全部の演奏を見たわけではないのでこれから時間があるときにでも見たいと思います。