岡本太郎さんの本を2冊。
どれも、1ページ目から本題のように本質を突いてくる。
1センテンスごとに、私の何処かが震えているのを感じる。
どれも見逃せないほど、私の心に響くのだけど、
今日の特に響いたセンテンスを自分の備忘録として…
………
ぼくの前に開会の挨拶をされた坊さんの言葉の中に、臨済禅師はまことに立派な方で、「道で仏に逢えば、仏を殺せ」と言われた。素晴らしいお言葉です、という一節があった。有名な言葉だ。僕も知っている。確かに鋭く人間存在の真実、機微をついていると思う。
しかし、僕は一種の疑問を感じるのだ。今日の現実の中で、そのような言葉を繰り返しただけで、果たして実際の働きを持つのだろうか。とかく、そういうオヤっと思わせるような文句をひねくりまわして、型の上にあぐらをかいているから、(中略)
で、僕が壇上にたつと、それをきっかけにして問いかけた。
「道で仏に逢えば、というが~ みなさんは仏に出逢えると思いますか。~」誰も手を上げない。
「逢いっこない。逢えるはずがないんです。では、なにと逢えると思いますか」
これにも返事がなかった。シンとして、静まっている。そこでぼくは、激しい言葉でぶつけた。
「出逢うのは己自身なのです。自分自身に対面する。そうしたら、己を殺せ」
会場全体がどよめいた。そして、猛烈な拍手。
人生を真に貫こうとすれば、必ず、条件に挑まなければならない。いのちをかけて運命と対決するのだ。
その時、切実にぶつかるのは己自身だ。己が最大の味方であり、また敵なのである。
…………
'人生を真に貫こうとすれば、必ず、条件に挑まなければならない。'
ずいぃん、ときた。