このところブルックナーの交響曲を聴いている。
オイゲン・ヨッフムは新旧2種、全集がある。
こちらは最初の全集で、ベルリン・フィルとバイエルン放送交響楽団で、構成されている。
後年の再録音。シュターツカペレ・ドレスデンによる録音だ。
音は、むろんドレスデンのほうが良い。
しかし、聴いた感銘は、断然ベルリン・フィルとバイエルン放送交響楽団のほうが上だ。
音質の良さがそのまま感動につながらないことを思い知る。
なぜか。
それが芸術の不思議といえば言える。
恐らくはオケの技量とも関係しないのではないか。
「失われた時を求めて」私は聴く。
私が求めるのは、かつての懐かしい世界で、いまの世界ではない。
SACDで聴く必要もない。
通常CDで充分。
むしろそのほうがダイレクトに出会えるのである。