台湾映画『我吃了那男孩一整年的早餐』(2022年) | 今天有空嗎?

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2022年の台湾映画『我吃了那男孩一整年的早餐』をオンラインにて鑑賞。
以下、台湾映画同好会のFBに投稿した感想です。

台湾文化センターとアジアンパラダイスによる台湾映画オンライン上映&...

台湾映画同好会(台灣電影同好會)さんの投稿 2023年5月20日土曜日


・・・FBの方には書かなかったのですが、本作を見終わり、江口さんの解説を拝聴しながら真っ先に思い出したのは、実は『電車男』ブームでした。

 

言わずと知れた2ちゃんねるへの投稿が発端となってその後コンテンツ化されていった純愛ストーリーですが、『我吃了~』もDcardへの恋愛モノの匿名投稿がバズり、小説化を経て映像コンテンツに至り、そのどれもがヒットしています。『電車男』についてはリアルストーリーだったのか、あるいは仕掛け人がいて…だったのか、当時いろんな説が飛び交っていたように記憶しています。『我吃了~』は匿名だった投稿の投稿主がその後判明し、さらに物語の主人公たちは結婚に至り、それがニュースにもなっているので、こちらはトゥルーストーリー。ブームのしかたは『電車男』に近いのかなあと。

 

というわけで、FBのほうにもちょこっと触れていますが、
 

・「現代」の話であること(若い子に受けいれられる)

・恋愛にまつわる台湾ローカルな風習(朝ごはんの差し入れ)が物語の鍵になっている(皆に共通の体験や記憶)

・好感をもって世間に受け入れられ、バズった元ネタがある(皆に共通の物語)

・前向きな結末があらかじめわかっている(気楽に安心してコンテンツを楽しめることが保証されている)

・話題の実力派俳優やミュージシャンをキャスティング

・ヒットメーカーでもある実力派の脚本家を監督に起用
 

など、台湾では本作が確実にヒットする要因が最初から揃っていたのではないかと考えています。

それでは『我吃了~』は『あの頃、君を追いかけた』や『私の少女時代』のように日本で受け入れられるかと言われると、何気にローカル色が強いラブストーリーなので、観客がどこまで感情移入できるのかというところを考えると…ちょっと難しいのではないか、と思ったりもしました。