文学イベントのおかげで台湾・琉球・薩摩が一本の線になった話 | 今天有空嗎?

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先週末のことですが、台湾文化センターの台湾カルチャーミーティング第3回「台湾と日本の出会い・牡丹社事件を考える陳耀昌さんと平野久美子さんの台日作家対談」を聴きに行ってきました。イベント概要はこちら。日本統治時代以前の台湾については、まったく知識がないなあと思い、ちょうどよい機会とばかりに申し込みをしていたのですが、参加してみて、これが思いがけず、めちゃくちゃ面白かった!

 

ちなみに陳耀昌さんの『フォルモサに咲く花(原題:傀儡花)』は1867年に起こったローバー号事件を描いた歴史小説で、平野久美子さんの『マブイの行方』は1874年の宮古島島民遭難事件から台湾出兵までを包括する牡丹社事件についてのノンフィクション作品。

 

台湾出兵の四文字は見た覚えがあるし、西郷菊次郎(西郷隆盛が奄美に流刑されてた時に愛加那さんとの間に生まれた子)が、清から日本に割譲されたばかりの台湾で、基隆や宜蘭に派遣されていたことはさらっとは知っていたのだけど、本当にそれだけしか知らなかったですし、昨年夏に、鹿児島や指宿で明治維新関連の資料館を回った時も、台湾に関する記述はごくわずかだったと記憶しています。

 

そして台湾出兵のそもそもの原因(というか、大義名分)については全く知らなかったし、さらに台湾出兵が琉球の歴史を大きく変えることにつながっていたなんて、思いもよらず・・・観覧した先週末のトークが、偶然にも今年の夏に訪れた沖縄で見て回った首里城やら平和資料館やらで見知った当地の歴史と、子供の頃に父からきかされていた「沖縄は昔は琉球という国だった」という話と、「沖縄は戦後しばらくアメリカだった」という話と、昨年にわかに知識を詰め込んだ明治維新関連のあれやこれやが数十年たってようやく一本の線につなげてくれたのでした。

 

久しぶりに好奇心を駆り立てられ、翌日に誠品生活で開催された陳耀昌さんと翻訳者の下村作次郎さんのトークを立ち見観覧しに、いそいそと誠品生活へ出かけて行ったのでした。イベントの概要はこちら。前日の復習にもなったし、さらに知識を深めることができてこちらも満足。とてもいいイベントでした。(ところで誠品生活のイベント、当日飛込でも立ち見できるのはありがたい。でも、1時間近くメモを取りながら話を聞くのは大変だったし、立ち見スペースはなにより人の出入りがあるのと、店内アナウンスや人の話し声が否が応でも耳に入ってくるので、できることなら椅子席を予約すべし、というのを実感しました。)

 

というわけで、現在、平野久美子さんの『マブイの行方』を読書中。

 

 

読み終わったら、次は陳耀昌さんのこちらの本を読む予定。

 

フォルモサに咲く花 フォルモサに咲く花
2,640円
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ちなみにフォルモサ~は花三部作ということで、『傀儡花』を含め台湾では3作品が出版されているそう。興味あります。

そして『傀儡花(フォルモサに咲く花)』は、台湾でドラマが製作されているそうで、台湾文化センターでも誠品生活でも予告編を流してくれました。

 

 

おお、ヒロイン役は温貞菱じゃないですか!

ドラマは今年8月に撮影が始まったばかり。2020年に台湾で放映予定だそうです。日本でも放映してくれないかなぁ。。