航空会社による安全性のイメージはよく語られるが、
乗務員が安全上、乗客をどう注意するのかの観察はなかなか出来ないと思う。
この件で、印象に残っている回が2つ。
2010年12月中旬でのアエロフロート Narita-Moscowの機内にて。
飛行機が着陸して、ゲートにいくまでの時間。
ベルト着用サインが消えるのを今か今かと待ち、
消えたら即効で上の手荷物棚から荷物を出し、
飛行機のドアが開くのを待つので、
結局その場で2,3分は立って待つ、
というせっかちな人間の心理があると思う。
特にベルトをつけたまま、飛行機が陸上を旋回しているのは、
じれったいと思う。
この機内では、モスクワに着陸後、
ベルト着用サインが点灯中で、尚且つ機体も旋回中にも関わらず、
誰かがフライングをして、立ち上がって上の手荷物棚を開け、
ちらほら立ち上がる人がいた。
(これも人間心理)
非常口近くで着席していたロシア人女性乗務員はそれを見て、
「皆さん、危ないですよ。座っていてください!
機体はまだ動いています。座っていてください!
…何がしたいんですか」と大声で注意していた。
この「何がしたいんですか」というのは、
「今立っても意味ないでしょ」ということ。
かねてから、乗客のせっかちな心理に疑問があったので、
この言葉を聞いて、スカッとした気持ちになった。
今でもよくこの乗務員の言葉を思い出す。
(自分も非常口前で向かい合わせで座っていたため)
大声でしっかり乗客を注意しているのはとても好感が持てた。
もう一つは、
2011年11月初めのフィンエア Helsinki-Narita の機内にて。
日本海上空はなぜか、機体が揺れることが多い気がするが、
ちょうど乱気流か何かで、ベルト着用サインが点灯する。
アナウンスで「トイレに行っている方もいったん着席してください」
みたいなことが流れる。
もう一度アナウンスされる。
さらに「着席してください。It’s VERY dangerous」と
明らかに怒っている口調でアナウンスされる。
これを聞いていた人は、
誰がそんなに席に着きたがらないんだろうと、
呆れて辺りを見回していた。
安全上の注意をしっかりできる乗務員はとても頼もしい。