医者の患者へのスタンスに影響する要因 | まぶたを治す道 〜眼瞼下垂はあとかたも無くすぐ治る〜

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瞼の手術治療に関するブログ
現状治らない疾患の治療法発見に興味があります。その為には古い慣習や常識にはとらわれません。未来の医療の構想のようなものが混じっております。読者に何かをもたらすことができればと思います。

自分が医療を実践してきて迷ったのが、受診された患者さんにどのようなスタンスで接するのが良いか?という事です。

 

そんなのは大学での医学教育の時点で教えられているんだろうと、医療関係者以外のかたはお思いでしょうが、実際には現場に出てからの施行錯誤です。

 

「行う治療法は私が決める。私が治すからあなたは心配しなくていいし悩まなくていい。ニヤリ

 

とか

 

「いくつか治療法の選択肢を説明しますのでその中からあなたが決定してください。ニコニコ

 

とか、いろんな医師が居ますよね。それは医師個々人の人柄・キャラクターなのでは?と思われがちですが、実はそれだけではないと思っています。

 

どういったスタンスで患者さんに接するのかがいいのかは、その医療従事者の職種、診療科目や扱っている疾患、手術で解決するのか投薬治療で気長に付き合っていくものなのか、施設がクリニックなのか大病院なのかはたまた訪問診療なのか、ネットで調べて全国から集まった患者さんなのか単に近所の人が受診しているのかなど、さまざまなファクターに影響されると思っています。

 

総合病院のある科の部長先生が威張って冷たく3分診療真顔していたのが、開業した途端にニコニコウインクでしっかり患者さんの話を聞く医者に変わったりするのは、勤めている施設とそこへ集まる患者層の変化によって、その医師が患者さんに接するスタンスが変化した結果と言えるでしょう。

 

外科医はせっかちムキーというイメージがありますが、私は「それが事実だとしたら、なぜそうなのだろう」と思っていました。

私はじっくりゆっくり腰を据えて物事をやりたいタイプでしたが、手術に携わるようになって、それも手術の件数が増えてくると徐々にのんびりとした行動は状況的にそぐわなくなってきて、自然とせっかち気味になってきました。

 

ああ、それで手術に従事する人はこんな雰囲気になるのね、と理解できた気がします。環境が人をつくると言いますか。

 

なので、目の前の医者のあなたに対する態度は、単純にその者が元からそういう人柄だというだけではなく、科目、施設規模、疾患、混み具合、過去に受けた教育、地理的要因、などなど多くのファクターを反映していると言えそうです。

 

私はといえば、特定分野の手術の外来なので、来院されるかたはここの病院の手術で治ると思って来られるかたが多いのですが、残念ながら別の疾患であったり、当院で治せる内容でなかったりと、当院の手術には結びつかない場合があります。そんな時には、一つでも何か情報(疾患名や検査すべき項目名、行なっている病院名など)が得られて、「治りはしなかったけど、行ってみたのは有意義だった」と感じてもらえるようにという思いがあります。

 

変わっている点は、私の専門分野とは違う疾患でも、見つけたりお話に出たりすると、自分の知る限りの情報を提供し、積極的に関与していく事です。そして一緒にどこの病院が良さそうか探したりします。

 

私のところでの手術で治せそうとなれば、手術は私たちと患者さんの両方が力を合わせて臨み、乗り越えるものですよ、というスタンスです。もちろんどのスタンスも患者さんによって好みが分かれますので、それでご納得いただける方のみ手術に進んでいます。

 

みなさんが自分と合うスタンスの医療者とめぐりあえますように。