『さらば宇宙戦艦ヤマト』:歴史的作品の再評価をしてみる。 | lideli-rev

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全体的には、あまっちょろいロマンティシズムのご都合主義で固められた映画。
サーシャなんで裸だかわかんないし、サーシャひとりにおびえる白色彗星がなんでサーシャがいた星を簡単に征服できたのかわからないし。何より、古代進ってバカみたいだし。デスラーもバカみたいだし。今見ると、あちこちカユい。

しかし、歴史的にはいろいろ評価すべき点は多いかと。
まず、当時の劇場版オリジナルアニメというと、『長靴をはいた猫(1969)』『パンダコパンダ(1972)』のような童話的なものか、『マジンガーZ対暗黒大将軍(1974)』のようなロボットアニメものなど。一応戦争で、主人公たちから死者が出るというのは、シリアスSFアニメへの端緒を開いたといえるかな。

次に、作画レベルが高い。作画監督は湖川友謙だって(湖川滋名義だけど)。後のイデオン作画監督。なるほど。そういわれれば湖川的な線に見える。
ちなみに、安彦良和(ガンダム作画監督)も絵コンテで参加してます。

また、メカデザインもいい。スタジオぬえで宮武貴之が参加。アンドロメダとか宮武さんだそうで。そもそも、ヤマトは松本零士のデザインを宮武さんが手を入れているそうで、細かいところに、ぬえテイストが見て取れる。
その後の日本アニメのメカデザインに大きな影響を与えたといえるのでは。
思えば、日本アニメのメカデザインは、現代まで、スタジオぬえがひっぱり続けてる気がする。早川SFの文庫の表紙でおなじみ加藤直之や、マクロスの監督とデザインの河森正治。社長の高千穂遙は、ダーティペアとかクラッシャージョーだけど、富野由幸にパワードスーツのアイデアを紹介したとか。
アニメっていうか、日本SFの協力な牽引役。

あと、音楽もいいっすね。
音楽で、ある程度のインパクトをもっている作品って、この後「イデオン」まで無いんじゃないかな。
映画「幻魔大戦」のキース・エマーソンにしても、既に古い感じするしなぁ。


興行収入がなんと43億円。『魔女の宅急便』までその記録は破られなかったのだとか。
1974年公開なので、ガンダムまでたった5年。
日本アニメが、子供のものから大人のものへ、そして世界のものへ大きく飛躍する下地づくりをした作品とはいえるかな。

話は、カユいけどね。(沖)

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