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先日リメイクされたのも記憶に新しい本作。
オッサン二人の狂言回しが、スターウォーズのC3POとR2D2のヒントになったというのも有名な話。つうことは、ジョージ・ルーカスは本作を見ていて、なら、スピルバーグとかマーチン・スコセッシなんかも見てるんでしょうね。
よく出来た話で、国同士の戦争の話なので、スケールも大きい。面白い。特にクライマックスのどんでん返しの爽快さは素晴らしい。
でも、黒沢作品としては、最良作ではない。それは、「用心棒」や「生きる」にあるような凝縮さがイマイチなのと、オッサン二人の話が、僕には笑えないからだ。
これが公開されたのは、1958年だそうで、まだまだ日本が貧しく、こんなおばかで愚かで愛すべき酔っぱらいおじさんたちが、世の中にいっぱいいたのかと想像します。「おまえ、隠し砦の太平みてえな奴だな」が笑いのネタになるような。
そんなリアルなオッサンを描いて、もっと大きな視野で二人をもてあそぶ三船と比較することで、その時代の日本人の姿を描いているというのは穿った見方かな。
最近の時代劇映画って、山田洋次の人情ベースのものや、テレビみたいなすかすかな者が多いような気がする。本作のような骨太で、しかしエンターテインメントとしてスカっとさせてくれる、大時代劇の登場を期待したいなぁ。