Pamukkale | 日々是自適

Pamukkale

広大なトルコの平野部では道路が主要交通網です。


エフェス(セルチュク)からバスに揺られること3時間。

オリーブ畑とひまわり畑が広がる台地に見飽きた頃

荒野の中から突然、真っ白な山が見えてきます。


Paquet-Cadeau-パムッカレ
ええー!真夏なのに白銀の世界?


これがパムッカレ。

Pamuk(綿)kale(城・城砦・宮殿)で綿の城という意味だそう。


白いのは雪ではありません。

この地域の温泉に含まれる炭酸カルシウムが酸化した石灰です。

雨の多い地域では屋外にこのような石灰華棚はできません。


Paquet-Cadeau-石灰華棚
石灰華棚は真っ白く、縁石の中は青くて綺麗


長い長い時を経て山肌を流れ落ち波紋のように凝固する石灰。

そこに漂流してきた枝などの障害物があると棚ができる。

縁石のプールは偶然の産物です。

まさに自然の神秘キラキラ


しかし、観光地化で源泉近くのホテルが無計画に温泉を使用し

残念ながら湧き水量が急に激減しまったのだそう。

温泉水が流れなくなると雨で石灰が溶けてしまいます。


今は観光局の保護政策により出水量がコントロールされていて

立ち入り禁止区域も年々広がっています。


現在、棚中の温泉水に入ってはいけないことになっています。

でも監視員の目の届かない場所では?


Paquet-Cadeau-パムッカレ
泳いでいる人も…


個人のモラル論になってしまうのが本当に残念。

側溝のように掘られた部分↓は大丈夫です。


Paquet-Cadeau-パムッカレ
足湯みたい


ちょろちょろとしか流れない場所は苔むしていて滑ります。

赤茶や緑っぽい所は注意して歩きましょう。


この丘の上に源泉の露天プールがあります。

Pamukkale Termal(パムッカレ・テルマル)です。


足元の階段かと思われた石は全て遺跡!

円柱やレリーフがゴロゴロ沈んでいます。

ヒエラポリス遺跡の下から湧き出ている温泉なのです。

古代遺跡に腰掛けてまったり。


炭酸泉なので体中に細かい気泡がまとわりつきます。

サイダーに浸かっている感じ。

炭酸泉は美肌にもいいのでしっかり入りましょう( ´艸`)


ロープが張られている先は水深が7m以上。

立ち入り禁止ではないので潜っても大丈夫です。

透明度の高い深い温泉の底にも遺跡が眠っているはず。

その神聖さを考えると、ちょっと怖い。

潜りましたけど。


水温はぬるいので冬場は寒いでしょうね。

家族で泳いでしまったので画像はなし。

とにかく素敵なので探して確認してみてくださいあせる


テルマルの奥は天然ガスが噴出しています。

古代では冥界への入り口入口とされていて

特別な聖職者以外は立ち入り禁止区域だったそう。

もちろん、今でも立ち入り禁止です。


ヒエラポリスは聖なる都市という意味。

聖職者がご神託を与えて下さる神殿だったそうです。


実は、聖職者が神と一体化し与えるご神託とは

天然ガスを吸ったトランス状態では、とも言われています。

       (ぶっちゃけ幻覚ですな)


でも、そんなの夢がなくてイヤン・°・(ノД`)・°・



Paquet-Cadeau-20090809184300.jpg
夕日に染まる石灰華棚 (指でだいなし(x_x;))


温泉が枯渇しないうちに、もう一度訪れたい。

年々失われていくであろう美景です。


【蛇足】


アメリカのイエローストン国立公園にも石灰華棚があります。

とても不便な場所ですがものすごい迫力の間欠泉が必見です。


また、石灰岩が雨水で浸食されると鍾乳洞になります。

鍾乳洞の中でも見られる棚田(リムストーンプール)もあります。

日本では山口県の秋芳洞や沖縄県の玉泉洞など。


秋吉台科学博物館は今年開館50周年。

9月の連休には日本洞窟学会の大会も開催されます。

http://www.se.fukuoka-u.ac.jp/ishihara/ssj35/

興味のある方はいかが?