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弁護士の松川です。
今日は、こういうケースを考えてみましょう。
Q:私の母は、飲食店を経営していました。その店の経営状態は、決して良いとはいえず、借金があるようです。先日、母が急死し、遺産相続について、妹と話し合うことになりました。私としては、いくらあるか分からない借金を肩代わりすることは避けたいですが、相続できる財産があれば相続したいので、限定承認という手続きを利用しようと思っています。妹は、母の店に愛着があるらしく、「借金を返済しながらでも店を続けたい」と言っています。私一人だけで限定承認をすることはできるでしょうか。
A:民法923条に、以下のような記載があります。
「相続人が数人あるときは、限定承認は、共同相続人の全員が共同してのみこれをすることができる。」
つまり、限定承認は、相続人全員でなければすることができません。今回のケースでいえば、妹さんと一緒でなければ、限定承認はできないということです。
民法923条が、相続人の全員が共同でなければ限定承認できないと規定しているのは、一部の相続人にだけ限定承認を認めると、手続きが煩雑になりすぎるからです。
そのため、限定承認をしたいのであれば、妹さんを説得するしかありません。仮に、妹さんを説得できた場合は、相続が開始したことを知ったときから、3か月以内に、家庭裁判所に申述をして、手続きをすすめて下さい。
弁護士の松川です。
今回は、こういうケースを考えてみましょう。
Q:私は、実家を離れて暮らしており、父と母の面倒は、弟が看ていました。しかし、先日、父が急死しました。父の葬儀の際、墓地や墓石など誰が引き継ぐか話し合いになったのですが、母と弟は、長男である私が引き継ぐべきだと主張しています。しかし、私は、実家から遠く離れた場所に住んでおり、また、仕事の都合上なかなか実家に帰れないため、弟に引き継いでほしいと考えています。長男であるという理由のみで、墓地や墓石を引き継がなければならないのでしょうか。
A:墓地や墓石などの祭祀に関する権利の承継は、民法897条で、以下の順番によるべきとされています。
① 亡くなった人の指定
② ①がない場合、その地方などの慣習(習わし)
③ ①②が明らかでないときは、家庭裁判所が定める
このケースでは、父親が急死しており、遺言や口頭による、墓地や墓石などの祭祀に関する権利の承継についての指定はありません。そのため、慣習により決定することになります。慣習が定かでないときは、家庭裁判所に相談して、決定してもらいましょう。
ちなみに、②の慣習については、様々なものがありますが、家業をしている場合ですと、家業をついだ相続人や長男の方が、墓地や墓石などの祭祀に関する権利を承継する場合が多いようです。