堂廻目眩
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復讐

別居している妹が、何かあるときに、頼ってくる。
いきなり内容をきかされるので、激しく戸惑う。
今度は北九州のオヤジに、歳も妻子持ちってのも誤魔化されて、
あげく、妊娠して捨てられたらしい。

いきなりそんな重いメールよこされても。

行きがかり上、相手の住むアパートまでついていった。
前彼なんてのまでついてきた。
そいつの傍若無人さにもむかついて仕方ない。
詰めが甘いし。

そんなことがあって、結局手術代も相手から徴収はできるはずもないこと、やっと妹もわかって、自分の浅はかさに気付いてくれたかなと思っていた。
すると、今度は違うメール。『なんとしても復讐したいんだけど。ネットとかで調べてくれない?探偵とか』。妹よ、復讐するなんて気持ちを持っているだけで不遇な状況からは脱出できないよ。それに、さも簡単にできることのように、病気の私にほいほい依頼してくるのはどうだろう。

寝逃げ、過食、こんなことで心のもやもやを発散させていた私に妹からメールがきた。
「姉ちゃんは甘えてるだけじゃない」
世の中から消えてなくなってしまいたい人の気持ちがなんとなくわかった。

大…怪我?

気がついたら、まぶたがいたかった。
さわってみたら、ドロリと血の感触。
またけがしてるよー!
前にも、怪我をして気を失っていたことはあったが、
またやらかしてしまったようだ。
うう、まぶたも痛いが何故か首とかも痛いよ。
前のときもそうだったんだけど、
怪我した経緯だとか原因は不明。
おかげで恥ずかしくて医者にも行けん。

少しでも自分をなぐさめようと、
近所のスーパーにいって、バレンタイン用のチョコレートを買ってきて食った。

それにしても、動くとどこかしら痛む。
みなさん一度にいってくれるといいんだけど、
気が向いた時に「ココモイタイヨー」なんて主張しやがるから、
始末におえん。

それにしても私、顔面ばかり怪我するな。
ボクサーか!

入院ですって

いろんな薬を処方されているけれど、
状態がちっとも快方に向かわないことで、主治医から
「このままアナタが苦しい思いのままでいるより、
入院して電気治療を受けませんか?」と相談された。
いわゆる、電気ショック療法ってやつか。
副作用として、『前後の記憶を失うことがある』と言われたけれど、
前後ってどれくらいの期間を言うのだろう。
まかり間違って、1年くらい前の記憶を失うって事もあるんだろうか。
ちょっくら調べてみるか。

なんだか気が重い。

ふさがっていたピアス穴

もう半年なんてもんじゃない、1年以上は放置していたピアス穴。
両耳に合わせて5つのピアスホールがあるのだけれど、
たまには薄皮が張ってふさがりそうになるのに気をつけていたのももう放置しっぱなしだった。右耳のひとつは、耳たぶの厚さの4分の1くらいはふさがっていた様子。

酒を呑んで勢いをつけて、昔ファーストピアスに使ったピアスを力いっぱい突き刺した。その時はそうでもなかったのだけど、一寸して、血が出てきた。乱暴だったか。

5つとも貫通させて、なんとなく、安心。

だからってこれからピアスつけるのかはわからない。
今つけているのを外すのかもわからないし。

浅い傷

おとなしい隣人、なんて夕べ書いた筈なのに、馬鹿みたい私。

昨日は連日寝ていないのと、今日どうしても出かけなくてはいけない用件があったことで、早めに床につくことにした。勿論、薬剤を服用しての入眠なのではあるけれど。

九時かそのあたり、睡魔の手応えを感じる。ほどよく暖めた蒲団にもぐり込み、明かりを消した。無事、寝入って半時ほど過ぎたあたりか。

「キャーッハッハッハ!」という奇声というか甲高い笑い声に目覚める。携帯電話で時間を確認すると、まだ日付も越えていなかった。隣で麻雀大会が行われているのには気付いていたが、牌をジャラジャラする音が聞こえる程度だったので、気にしていなかったのだ。野太い笑い声も響いてきた。深夜になってヒートアップしてきたのだろうか。

いらついた私は、一番気に入っていたグラスを叩き置いてしまい、グラスは割れた。

手にうっすらと傷が残った。

なんとなく、ふさがっていたピアスの穴をまたこじあけて夜をやり過ごした。一度目覚めてしまうと、私はその後眠る事ができないのだ。

46時間覚醒

はじめまして。
はじめまして私。を以って挨拶と為す。

寸用で実家に戻っていた間に様子が変わったのか、隣の大学生の部屋から、麻雀遊戯の集いの気配が。麻雀をやっているにしては五月蝿くは感じないけれども、牌を転がす音は聞こえてくる。気付かなかったけれども、意外とこのアパートの造りは防音に気をつかってあるのかもしれない。隣の部屋は、本当に、学生にしては静かに過ごしてらっしゃるのだけれども、そのお隣からたまに、私が言うのも妙なんだけれども。キチガイじみた叫び声が聞こえてくるのだ。「ゆぅたら駄目てゆぅたやろおぉ~!」と連呼したり。

2人かの子供、母親、それとおそらく母親の両親が住まっていると思われる。愛想のよいご両親だった。その、母親の叫び声らしい。この前私の妹が、偶然その一家の部屋を見上げた時に、恐ろしい形相の女を見た、と言った。

私が出掛けて帰宅する時には、ソコには人はいない。数々のビニールやプラスチックの遊具や山のような洗濯物、拙宅の玄関の前までに干してある薄汚い蒲団などをチラと見掛けるだけである。

…そんな隣に住まう、私の隣の部屋の学生氏。どういう心持なんだろうか。
気がつけば、ほとんど外出していたりが多いのだけれども。

って余計な心配もいいかげんにしておかなきゃあ。
そして今日も安定剤を齧り嚥下する私であった。