やっとエフェクターボードが完成したので、今回はエフェクターの紹介をしてみる。厳密にいうとボード自体にはまだ手を加えたいのだが、使うエフェクターの種類や配線が決まったのでまぁ完成と言っていいだろう。早速エフェクターボードの写真から載せていく。
これは某アウトレットモールで、適当に試奏してみたらなかなか良かった&安かったのでパッと買ってしまった。シンプルにオーバードライブである。特に師匠の音をコピーするときには歪みはマストなので、そういうときには使うようにしている。
このエフェクターは本当になんで買ったのか自分でもわからない。BANANANA Effectsという、とにかく変なエフェクターばっかり作るメーカーのオートワウ、という触れ込みを見た瞬間、気がついたらデジマートで購入手続きを進めていた。
ちなみにボード自体は100均のすのこを使っている。理由は安いから+軽いから。ただ、こんな100円のすのこの上に何万もするエフェクターをゴロゴロ乗せてるのもどうなんだろう、と思う今日この頃でもある。
気を取り直して、エフェクターの紹介に戻る。左上から時計回りに
①empress ParaEq
②Boss Bass Limiter LM-2B
③Reverend Drivetrain
④BANANANA Effects Slime
⑤Menatone The Mail Bomb
⑥Ashdown Funk Face
⑦ZOOM MULTISTOMP MS-60B
また、ボード裏には
⑧Vital Audio VA-08
を備えている。
繋ぎ方としては少しややこしいが、
④→⑤→⑥→③→②→①→⑦
としている。
それでは1つ1つ、使うに至った経緯と機能の紹介をしたい。ちなみに以下の写真はネットの拾い物。1個ずつ撮るのが面倒だったので。
①empress ParaEq
以前はプリアンプとして定番のMXR M80を使っていたのだが…なんかもうちょっと自由度のあるエフェクターはないものかと思っていた。というか、そもそも3バンドEQの帯域が固定されてることに違和感を覚え、「そうだ、帯域可変のパライコが欲しい!」と思うようになった。そうすると、案外3バンドで帯域可変のパライコってないもので、結局こいつにたどり着いた。
はっきり言っておれが使うには十分すぎるほどの機能と高級感。ブースターとしても使える、入力レベルも選べる、エフェクト範囲も各バンド毎に変えられるという「もうええわ!」とツッコミを入れたくなるほどの多機能さである。爽やかな青い筐体もあまり見かけない?ので気に入ってる。惜しむらくは、フットスイッチに踏みごたえがないというか、普通のスイッチのように「カチッ」とならないのがなんか違和感がある。まぁそこまで気にすることじゃないけど。
基本的なセッティングはミドルを上げ、ベースもちょっと上げ、トレブルはフラットか場合によってはピンポイントで下げる。特に5弦ベースを使うときは、4弦には無い「鳴ってほしくない音域」みたいなのがハイミッド〜ハイの間にあることが多いので、そこを削るのに使う。ベースソロを取るときにブースト機能を使うこともたまにあるが、ボードの奥の列なので踏みにくいのが現在の悩み。
②BOSS Bass Limiter LM-2B
続いてはリミッター。ボードを見てもらえばわかるが、多くのベーシストが使っているであろうコンプレッサーをおれは使っていない。その代わり、おれはこのリミッターを使っている。あまり詳しくないので突っ込んだ話は出来ないが、要するにリミッターは「すっごい効きの良いコンプレッサー」みたいなものだと思っている。ある一定以上の音量を全カットするイメージ。
実はこのリミッターは中古で買ったのだが、同じ店にBossのBass Limiter / Enhancer LMB-3が売っていた。LMB-3は、要するにLM-2Bの後継機にあたるので、当然LMB-3のほうが機能や使い勝手、音も良いのか…と思いながらも両方試したのだが、おれにとってはシンプルな操作性のLM-2Bのほうがしっくりきたし、実際音もパキッとシャキッとする気がした。そんなこんなで購入し、今使ってるエフェクターの中では一番の古株だ。この機種はまだ市場にもゴロゴロ出回ってるので、まぁ壊れても買えるから大丈夫だろう。
基本的にはエンハンス(ハイ成分が削られる場合の付け足し)とレベルは12時で固定、スレッショルドは使うベースによって1時〜3時の間で変化させるような使い方をしている。
③Reverend Drivetrain
これは某アウトレットモールで、適当に試奏してみたらなかなか良かった&安かったのでパッと買ってしまった。シンプルにオーバードライブである。特に師匠の音をコピーするときには歪みはマストなので、そういうときには使うようにしている。
Voodoo Bassほどではないが、歪みのかかり具合が程よく、なおかつトレブルとベースも調整出来るので音作りの幅は広いようだ。元々はベース用エフェクターではないが、ベースにも全然使えると思う。とはいうものの、やはりベースつまみはフルで固定している。トレブルも基本は全開だが、ドライブのかけ具合(10〜2時の間で調整)でハイが痛くなることもあるので、そういうときは削るようにしている。また、ドライブを上げると音量がかなり大きくなるので、ボリュームは10時くらいに抑え気味で使うことが多い。
なお、現在はReverend製は生産終了しているが、コピー品がGaragetoneとかいう別のメーカーから出ているようだ。そっちは機能が同じで筐体も小さいので、どうせ使うならそっちの方がいいかもな…。
ちなみにおれはあまり歪みエフェクターを試したことがない。歪み自体は嫌いじゃないが、そんなに積極的に探そうとも思ってないので、当分はこれを使っていこうと思っている。とりあえずの不満は無いし。
④BANANANA Effects Slime
このエフェクターは本当になんで買ったのか自分でもわからない。BANANANA Effectsという、とにかく変なエフェクターばっかり作るメーカーのオートワウ、という触れ込みを見た瞬間、気がついたらデジマートで購入手続きを進めていた。
おれが無類のオートワウ好きということは今さら言わずもがなであるが、こいつに限ってはかなりバクチで買った感が否めない。何せ、YouTubeなどでも試奏動画が見つからなかったので、買った物が届くまでどんな音がするかすらわからない状態だったのだ。結論から言うと、これはオートワウではなくてノイズ発生装置ではないかという疑いを持つことになった。
一応本体の説明をすると、左のツマミは「ワウのかかり具合と歪ませ具合を同時に調整」、右のツマミはボリュームである。しかし、左のツマミをどんな風に調節してもワウらしい音は出てくれない。ただひたすらノイズになるだけだ。最初の音出しをしたときは、「あぁ…失敗した…」と思ったが、意外や意外、このノイズがなかなか使えるから面白い。繋ぎ方を色々試した結果、結局こいつはベースから見て一番上流に接続。直下に別のオートワウを繋げることで、激烈極悪光線銃のようなサウンドを得ることも出来るようになった。なお、使い所はほとんどない模様…だが、一度だけChameleonを演奏したときに使ってみたら、メンバーの一人からは大好評だった。ここまで来るともはやシンセベースに近い音になっているので、曲に合っていたのだろう。まさに怪我の功名(?)である。
⑤Menatone The Mail Bomb
そんな中、こいつはベース用なのかなんなのかよくわからないのだが、とにかくローが削られない。オートワウによくある「ぺらぺらになる」現象が起こらない。かなり野太いワウサウンドを出してくれるので、手持ちの中では今一番使い勝手がいいオートワウと言える。普段の使い方は、attackとdepthは全開、filterがいわゆるセンシティビティの役割なので、これでワウのかかり具合を調整している。
また、もう一つの使い方としては、filterとdepthは全開、attackでかかり具合を調整することもある。このときは通常のワウサウンドとはかなり異なり、ピャーピャーとビームのような音を出してくれる。こんな風に、決まった音以外にも使い方のあるオートワウはいじってて楽しい。そんなぶっ飛び系オートワウを今後も探していきたい。
⑥Ashdown Funk Face
左側は歪み(ディストーション?)とアウトプット、右側はワウとなっている。また、筐体右下のスイッチで、歪みとワウの配列を変えることが出来る。筐体裏には入力レベルスイッチもついているので、アクティブベースのように入力レベルが大きすぎる場合はレベルを絞ることも可能。
さてこのエフェクター、なんと言ってもワウの音痩せのしなさが凄い。つまみを全開にするとさすがにフィルターが開きすぎるのだが、それでもローは削られずキチンと残っている。このあたりはさすがベーシストのシグネチャーモデルと言ったところか。さらに歪みのほうもこれがなかなか素晴らしい。つまみの変化次第ではかなり強力にかかってくれるのだが、なんというか「歪ませる」というよりはまさに「音圧を上げる」というような表現になる。おれのボードには上述のReverendのオーバードライブもあるのだが、正直こっちの歪みがあればオーバードライブはいらないかも…と思って悩んでいるところである。
ちなみにこの歪みは真空管を用いているようだ。おれは真空管のついたエフェクターを他に持っていないし、その原理的なところもよくわかっていないので違いについて語ることはできないが、とにかく良い音!というのは確実に言える。Stuart Zenderファンでなくても、これはマジで必携のエフェクターだとオススメ出来る。
ちなみに、これはAshdownがある本国イギリスでは1年位前から販売されており、日本に入ってきたのは2018年2月くらいかららしい。日本に入ってくる前からこいつの存在は知っていたのだが、とにかく欲しくて欲しくてたまらなかったため、マジで個人輸入代行業者に依頼して買おうと思っていた。でも手数料がバカ高かったので一度は諦めた…が、今回代理店が正式に輸入して扱ってくれたため、買うことが出来た。キクタニミュージックさん、本当にありがとうございます。
なお、こいつをデジマートで扱っている楽器屋は結構あるのだが、紹介文で「あのJamiroquaiサウンドを手に入れるためにはマストアイテム!」的なものをよく見かける。けどStuart ZenderがJamiroquaiにいた頃、このエフェクターなかったからね、当たり前だけど。そこんとこしっかりしてくれよ…と思う。
ちなみに、Stuart Zenderは、Jamiroquaiにいた頃BOSSのME-8Bというマルチエフェクターを使用しており、あの独特のワウサウンドもそれで作られていた。おれも一時期ME-8Bを使用していたことはあったが、ワウ以外はあまり使うことなく、かと言ってワウのためだけにこんなでかいエフェクターを(それでもマルチとしては小さい方だが)使うのもなぁ…と思って、結局使う機会が少なかったので手放してしまった。
さらに話を逸らすと、亀田誠治師匠はBOSSのME-6Bという、ME-8Bの1世代前のマルチを今でも使用している。ベース用マルチエフェクターは当時珍しかったであろうし、これらは名器としても名高く、今でもプロの愛用者が多いようである。たぶん。
⑦ZOOM MULTISTOMP MS-60B
ベーシストなら持ってて当然、これぞ必携、説明不要のマルチストンプである。とは言ったものの、実はおれがこのエフェクターを買ったのは約半年前と、本当につい最近である。某セッションにてどうしてもリバーブが必要になり、最初はリバーブのエフェクターを買おうと思っていたのだが、同じくらいの値段でこれが買える、しかもいろいろなエフェクターを試すことが出来る、ということで恥ずかしながらその時初めてこいつの存在を知り、サウンドハウスで購入したのである。いろいろ入っているとは言うものの、正直やはりプリアンプやアンプシュミレータとしての役割を全うするのはなかなか難しいかなぁというのが率直な感想。そのため、リバーブやヴィブラート、オクターバー、コーラスとして使用することが中心になると思い、ボードの中では最も下流に位置している。でもやっぱりそういうエフェクトはそんなに使いどころはないわけで、今のところはチューナーとして使うことがもっぱらである。
ちなみにおれは使わないけど、案外オートワウとしては使い勝手が良いので、意外とそっちの使い道がいいんじゃないかなとも思う。あとは1台だけで音作りを全部済ませようと思えば出来ないことはないので、荷物を極限まで減らしたいときはこれ1台を持っていくのも手かと思う。
以上、とりあえずボード上のエフェクターについて紹介してみた。めちゃくちゃ長文になったが、誰かの参考になればと思う。次回はボード自体の改造、あとパワーサプライとか、控えのエフェクターの紹介でもしようかしら。
おわり