本日が初演!
ミュージカル座「タイムトラベラー」
を観劇しました。

天才物理学者ジョン・テイラーが自ら作り上げたタイムマシンで、自分のルーツを探す旅。旅の先にたどり着いた真実とは?




タイムマシンで様々な歴史を巡る、となれば当然それぞれの時代で歴史上のエピソードをオムニバス形式で繰り広げる訳ですから、間違いなくミュージカルにしやすい題材。


でも、だからこそそれを一つの作品としてどっしりと創り上げるのは、よほどの自信がないと成せない業とも言えます。


これまで「ひめゆり」「アイ・ハブ・ア・ドリーム」「ルルドの奇跡」など、日本ミュージカル史に未来永劫残るであろう名作を生み続け、ミュージカル座を牽引してきたハマナカトオルさんがその題材を取り上げる、と知っただけで身震いしたものですが、今日の公演を観て、その絶対的な自信と、安心感さえ抱いてしまう豪筆に触れ、「間違いなく歴史に残る名作」の誕生に立ち会えたことに感動、感謝いたしました。


宮崎誠さんの音楽も、この作品の壮大さと繊細さを見事に表現していて、キャッチーでファンタジックながら、決してポピュリズム的な音楽に留まらない作法が素晴らしい。多様な作風を散りばめながら、決してバラつかないバランス感覚に、自然と物語に入り込むことができました。



作品の完成度が高い、となれば当然そのウエイトが役者にのしかかる訳ですが、キャスティングも素晴らしかったです。
特に男性陣はベテランから若手までムラなく高質な歌唱力!女性はややバラつきもありましたが、全体的には皆さん素晴らしかったです。

やはり女声は、地声と裏声のチェンジをきちんとメソッド確立していくことが重要で、その辺りはミュージカルの歌唱指導もする立場として、改めて肝に銘じたいです。


主演の畠中洋さんと高野絹也さんのシーンなどは上質な映画を観ているかのよう。一幕終盤の光枝明彦さんのソロ曲は素敵すぎて涙が出ました。


森山大輔さん、萬谷法英さんの存在感。
麻田キョウヤさん、谷口浩久さんの安定感。
奈良坂潤紀さんの高音めっちゃキレイ!
…オペラ出て欲しい。

水野駿太朗さんと横田剛基さんもすごくいい。

亜季緒さん、山中美奈さんもきちんとした発声法で素晴らしい歌唱力。


全員書きたいんだけど、ネタバレはしたくないので内容にはこれ以上触れませんが、とにかく素晴らしい作品!!


「ジョン・テイラーはどこに?」
という最大の謎について考えた時…
なぜかポジティブなことしか思い浮かびませんでした。

「人は夢や理想を持ち続けることができる」

そんなことを自分の中から見つけ出すことができた時、この作品の問いかける意味がスッ!と心の中に入ってきたような気がします。


終演後は、「レ・ミゼラブル」でご一緒した森山大輔さんと写真を撮らせてもらいました。

右はたまたま一緒の観劇になった、大学同期の長谷川大祐。



明日初日の別組、尾川詩帆ちゃんと客席で会いました。明日ガンバって!


公演は来週月曜日6/11まで。
オススメの公演です。