一回見ただけなのでセリフとか状況とかうろ覚えですけど、いい話なので頑張って読んでください(笑)
年末か年始のプロフェッショナルで高校生が色んなプロフェッショナルのところに体験入店してみる
みたいな企画がありました
そこに研修に来てた女の子が中学生くらいの時に拒食症になったらしく、結構ヤバい段階までいってたみたいなんですね
でもその時に自分の命を救ってくれた「食」というものにとても感謝をして、それ以来自分には「料理人の道しかない」と思ったらしいです
そしてそんな話を研修入店先の天ぷら屋のおじいちゃん親方も聞いていたから、研修中はすごく目をかけていました
(確かに今どきの子で「自分の人生は○○しかない」なんていう子はそこまで多くないような気がします)
その天ぷら屋の天ぷらを揚げるところに立つには10年くらいの修業期間が必要みたいで、女の子にカワハギの捌き方を教えていた先輩もまだ立てていない場所
そこに最終日にその女の子が親方のおじいちゃんに「カワハギを揚げてみろ」って言われるんです
でも緊張で上手くさばけない
泣きながらさばいて揚げていくんですが「こんなものは出せない」って言って出さないんです
でも親方は「いいから出してみろ」って言うんですよ
でも「いや、こんな不完全なものを食べさせるわけにはいかない」みたいなことを言うんですよ
そしたらその親方おじいちゃんが言うんです
「その小さなカワハギは一生懸命漁師が獲ってきたものだ。そしてそれをなるべく新鮮な状態で仕入れを出来るように市場があって、それをなるべく新鮮なままお店に卸しに来てくれる人もいる。色んなひとの思いがその小さな魚に詰まっている。そのことを一番分かっていなきゃいけないのは料理人なんだ。それをお前はちっとも分かっていないじゃないか」
きっとこのおじいいちゃんは毎日そういうことを思いながら天ぷらを揚げていて、目の前にいるお客さんに美味しい天ぷらを食べてもらうことだけ考えていて、その結果が今のその天ぷら屋の地位になったんだろうなと思いました
僕らも同じで、他の職業の人から見れば非効率的に見える残業代の出ない個人練習
長い拘束時間
少ない休みに入る講習会
でもそういう一つ一つは来てくれるお客さんの期待に応えたい一心からくる、とても純粋な部分から出てくるものだと思っていて
だから他の人から見て「どうなんだろう?」って悩むんじゃなくて、今いる自分を支えてくれた人、期待をかけてくれる人、信じて切りに来てくれる人の事だけ考えるのが美容師、ひいては職人さんたちの本質なんじゃないかと思っていて、そうであればいいなと思っていて
それがこのおじいちゃん親方の話を聞いたときに「間違ってないのかもな」と思わせてくれました
他人と自分を比べることで安心したり不安になったりすることもあるかも知れませんが、きっと大丈夫です
それよりも自分が大切にしたいもの、しなきゃいけないもの
そういうことに少し目を向けてみれば余計な悩みや不安から少し解き放たれるかもしれません
そしてまた見返そうと思っていたら録画を消しちゃってました
そのことすら忘れている自分こそ一番のおじいちゃんなんじゃないかと不安になりますが、それすら超越していけたらいいなと思ってます(?)
ちなみに僕のオススメの天ぷら屋さんは「天松」です