2015年3月28日(土)
国立能楽堂

能《井筒》(喜多流)
前シテ(里の女)後シテ(井筒の女): 友枝昭世
ワキ(旅の僧): 宝生閑
アイ(里の男): 野村万蔵
笛:一噌仙幸
小鼓:曽和正博
大鼓:柿原崇志
後見:塩津哲生、中村邦生
地謡:粟谷浩之、内田成信、友枝雄人、佐々木多門、粟谷明生、粟谷能夫、香川靖嗣、長島茂

《井筒》を観た。
二時間にも及ぶ長い曲で、少し前に『伊勢物語』も読んで予習したつもりだったけれど、前回の《熊野》同様、私にはちょっと難しかった。

登場人物はたったの三人。
ひとりは僧侶で、もうひとりは里の男の人だもの、なんてったってシテに目は釘づけ。
業平の装束をまとった後シテの序の舞は、もう例えようのない美しさだった。
帰らぬ夫を待ち続ける女の霊だなんて、もう胸がきゅっとなる。

今回は珍しく脇正面後方の席だったので、橋掛りを戻る友枝さんの姿もしっかりと見られた。
あのゆったりと保たれたテンポがいい。
装束の衣擦れの音も聴こえた。

そういう私の帯も息をする度に絹鳴りがして困った。
この帯、静かな能楽堂には締めていけないな。

きものは赤の大島、帯はピンク色の花唐草。
黒いパシュミナのショールは暖かかったのでお太鼓の中にしまった。