故郷をやっぱり愛しているの

おおきく振りかぶって (1)/ひぐち アサ

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ラストイニング 1 (ビッグコミックス)/中原 裕

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　奇しくも、同じ野球、しかも高校野球が題材というこの二つの漫画。

　『おおきく振りかぶって』の舞台は、埼玉県立浦和西高校をモデルにした高校で、試合も実際に埼玉県にある球場（県営大宮球場、大宮市営球場など）で行われ、その細部までリアルに再現されているので、実際にその球場で試合をしたことがある、埼玉県の(元)高校球児であれば、懐かしさとともに、下手したら涙まで出てしまうのではないかと思うくらいのリアルさ。

　『ラストイニング』では、主要な登場人物の苗字が埼玉県の地名から取られている。監督は鳩ヶ谷で、選手も日高、八潮、大宮、滑川、上福岡など、埼玉県民であれば誰もが知るあなたのお住まいの街の名前が使われているのである。

　両方とも、ビジュアル的な野球の面白さよりも、心理的、理論的な野球の面白さに焦点が絞られている今までとは違ったタイプの野球漫画。

　『おおきく振りかぶって』は、野球以外の日常生活や、高校野球における父母の心情、監督の立場など、色んな角度から描かれているし、何より繊細に描かれているので、老若男女楽しめる内容になっているのではないかと。現在木曜深夜1：25から、ＴＢＳ系で放送中。

　一方の『ラストイニング』は、監督が主人公というこれまた異色の漫画で、こちらは、野球経験者が思わずうなるといった内容。心理学的な要素がたくさん盛り込まれ、現実の場面でも応用できそうな理論が盛りだくさんとなっている。高校球児なんかははまって読んでしまうのではないかという一冊。

　「埼玉県なんて何もない、ただのベッドタウンだよ」なんて、友達には説明しちゃいますが、上の二つの漫画を、漫画の面白さ以上にひいきをしてしまっている自分がいるのです。もうすぐ夏、あの暑い季節が来て、高校球児たちの熱い想いがぶつかり合って、そりゃあ見事な感動の一瞬が繰り広げられるんだろうなあ。

　埼玉も野球もなんでかんでいってやっぱり好きなのねってお話。