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突然なのかそれとも突然ではないのかそれすらも解らず、ゆっくりと意識が回復して行く。

今自分がどういった状況なのかまったく解らない、頭の中で考える事がとても億劫(おっくう)に思える。

体の隅々に響き渡る脱力感がとても心地良く体に染み込んで来る。

とても幸せな感覚だ。

(何だろう?この感覚は?・・・・)

なぜこんな、今までに味わった事のない感覚を体に感じているのだろう・・・


いや違う。


体に感じているんじゃない。

意識で感じているんだ・・。

今、私は何処にいてどうしているのかさえどうでもよい感覚を体と心に感じている様だ。

ああ・・この感覚は随分と昔に感じた事がある。

これは子供の頃、昼寝から目覚める寸前に感じた一瞬の深いまどろみの様な感じに似ている、そして、その余りに心地良い感覚は永遠に続く川を流れる小さな小船に乗っている感覚にさえ思えてくる。


「私はいったい誰なんだろう?」

私は・・私は・・

自分が誰なのかさえどうでもよく感じてしまう。

「私は私じゃないか?」

私って?・・

「私は渡辺・・敬子だ。」

口に出した自分の声で記憶の回線が頭の中で少しずつ繋がって行く。

たしか・私は病院で・・


とても眠くて、徐々に意識が薄れて行った事は覚えている。

でも、それはとても不安であり残念な気持ちでいっぱいの様な、やるせない気持ちの様にも思える。

(私はいったいどうなったんだろう)


途切れた記憶の糸を少しずつ結びつけあの時の事を思い出そうと頭を絞る。

(そう、私は病院のベッドに居たんだ。)


周りには夫、そして双子の可愛い子供達が私のベッドの横で何が起きているのかまったく理解出来ないような屈託のない顔で私の顔を覗き込んでいた表情がつい先程の事のように思い出して来た。

いったい私はどうしたんだろう。


意識は徐々に目覚めて行くものの自分の手足の感覚すら感じ取れない。

「どうしてだろう?」

「私は昏睡状態にでもいるのだろうか?」

でも意識は取り戻し始めている。

そうだ目を開けてみよう。少しずつ取り戻し始めた意識の中から細胞を揺り起こすように私は瞼に意識を集中し、少しずつ目を開けてみた。

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夫と二人の子供を残し、死を向かえた敬子が意識を取り戻したのは一面の白い世界だった。


視線の先には巨大な建物が見えその中に入ると年老いた二匹のウサギ、テンとサンに出会った。

この建物が図書館であり莫大な棚に入っている本は次に生き返る際の人生の内容が記されていると説明を受ける。

自分が選択出来る次の人生の一冊を探し始めた敬子が始めに出会ったのがクーモと言う少年だった。

クーモは自分の次の人生の一冊を何冊か決めてありその中から敬子に自分に合う人生の一冊を敬子に決めてもらおうとその本が置かれている場所に案内するがその本をリリィと言う女が隠してしまう。


リリィは敬子とクーモに自分の美しさを次の世界でも表現されるような一冊を見つけることができればクーモの本を返すことを約束し姿を消してしまう。二人が探し出したリリィの一冊とその後、クーモの一冊となる本の共通点に驚きながら敬子は二人を次の世界へ送り出していく。

広大な図書館の中に残された敬子は自分が次の世界でどの様な人生を送りたいのかを迷う。そんな折、敬子が北の端で出会った一人の老婆と図書館の南の端へ向かうと一冊の白い本に敬子は出合う。


何も書かれていないこの「白の本」の本当の意味と北の端で出会った老婆の正体、そしてテンとサンの敬子との繋がりが明らかになって行く。


一言・・・・

この作品の彼女は昔、昔の私の彼女です。縁なく別れてしまいましたが後に彼女が20代にして二子を生んだ後間もなくして、死んでしまった事を聞き追悼の意味を含めてこの作品を作り上げました。

読んでくださった皆さんの感想が聞けたら嬉しい限りです。



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