2026 Book of the Year Awards – Notables【CBCA】
https://cbca.org.au/2026-notables/

 

2026年 オーストラリア児童図書賞の優秀作品リストが発表されました。


オーストラリア児童図書賞は、オーストラリア児童図書評議会(CBCA)主催の児童文学賞。
絵本部門、幼児向け部門、低学年向け部門、高学年向け部門、ノンフィクション部門があり、いずれも、前年にオーストラリアで出版された、英語(または英語を含む2か国語)で書かれた、18歳未満向けのすぐれた文学作品に贈られます。

だいたい優秀作品リスト発表(2月末)→ショートリスト発表(3月末)→受賞作品発表(8月)のスケジュールです。


今年の低学年(Younger Readers)部門の優秀作品リストは以下の通りです。

文字数制限のため記事を2つに分けます。

(このブログでは、ほぼYAにあたる高学年向け部門と児童書にあたる低学年向け部門のみのご紹介となりますので、ほかの部門については上のリンク先などをご参照ください。)


Chickenpox 
by Remy Lai 


いちばん上のお姉ちゃんのアビーは、うっとうしい弟妹たちのべたべたする指やなんでも見たがる目から離れて友だちと過ごす時間がもっとほしい。でも水疱瘡がレイ家の子どもたちを痒い赤い斑点だらけにし、みんなで家に閉じ込められて2週間の大騒ぎの日々を過ごすことになり、アビーはもう終わったと思った。自分の正気が。
とはいえ、この状況には責任を感じている。家に病気を持ち込んだ0号感染者はアビーの親友だったから。
アビーは弟妹たちから逃げたい気持ちで限界になってしまうのか、それともお姉ちゃんでいるのはそんなに悪くないと気づくのか?

インドネシア生まれシンガポール育ちオーストラリア在住のグラフィックノベル作家レミー・ライ(Remy Lai)による児童向けグラフィックノベル。

 

 

 



Creature Clinic 
by Gavin Aung Than 


怪物クリニックへようこそ。世界最高にして唯一の、伝説の生き物たちのための病院。ここでは、トロルからユニコーン、歯の妖精から巨人まで、あらゆる生き物が最高の治療を受けられる。とはいえ、例外がひとつだけ。人間は絶対に、100パーセント、おことわりします。

モンスターや伝説の生物専門の病院を舞台にした児童向けグラフィックノベル。オーストラリアのコミック作家ギャヴィン・アン・タン(Gavin Aung Than)の作品。

 

 



Frances Bloom (Frances Bloom #1)
by Katrina Nannestad, illustrated by Marina Zlatanova 


フランシス・ブルームは海辺のコテージでひとりで暮らしている。最高の時間を過ごしていたが、それは誰も世話をする人がいないまま暮らしているのが意地悪なティスル先生に気づかれてしまうまでの話。フランシスは家族を見つける必要がある。機敏で賢い家族。でないと不要な子供と犬のためのブラックアイランド孤児院に送られてしまう。
一生懸命探しても、フランシスの高い理想に合う家族は誰もいなかった…ゴミ箱をあさる大きなはちみつ色のくまと花壇で釣りをするガーデンノームに出くわすまでは。よろしく、モードおばあちゃんとハロルドおじいちゃん。

「いたずらっ子がやってきた」のカトリーナ・ナネスタッドの作品。シリーズ1作目。

 

 



Ghost Guitar 
by TJ DOOM, illustrated by Nahum Ziersch 


ギターヒーローになりたいロック少年のジェイク・イェンセンは、不気味な学校の屋根裏を掃除しているときにうっかりティーンの幽霊バンドを呼び出してしまった。彼らは煉獄に囚われており、恐ろしい悪魔から逃れるためにジェイクの助けを必要としていた。
親友のゾーイの手を借りて、ジェイクは彼らを救ってあの世への道をロックで開けるのか、それとも人生初のライブが最後のライブになるのか?

ギター少年を主人公にした児童向けホラーのようです。顔やプロフィール非公表の(このリストに挙げられているので少なくともオーストラリア人ではあると思います)覆面児童書作家TJドゥーム(TJ DOOM)の作品。

この本は日本Amazonにないようです。版元の紹介ページを貼っておきます。

 

 



The Hits and Misses of Melody Moss 
by Helen Dallimore 


ママは12歳になったらいろんなことが変化しはじめると言っていたが、「何もかもぜんぶ変わる」って意味だとは思わなかった。メロディ・モスは高校生活をスタートしたけれど、何もかもがおかしくなった。
一生親友のはずだった子は「一生」の部分をちょっと忘れて新しい友だちを作ってしまった。ママが作る料理は「実験的」から「キモい」にレベルが上がった。お姉ちゃんはこっちを存在しないもののように扱ってくる。飼い犬はいつでもオナラをするようになった。片思いの相手はこっちを「友だちゾーン」から絶対出してくれない。

オーストラリアの映画&舞台ミュージカル女優ヘレン・ダリモアによる児童書青春小説。オーストラリアは12歳から高校(ハイスクールあるいはセカンダリースクール)がはじまるようです。

この本も日本Amazonにないようです。版元の紹介ページを貼っておきます。

 

 



How to Sail to Somewhere 
by Ashleigh Barton 


ベアトリス(ベア)・グラスは、夏以外はいつも静かな小さい漁村に暮らしている。夏になるとここには観光客が押し寄せてきて、地元の人間は町を離れてしまう。
だけど夏は、ベアの世界でいちばん大好きな、楽しくて最高なバイロン叔父さんが来る季節でもある。
去年の夏の一緒に過ごした最後の日、バイロン叔父さんはベアに面白い古書をくれた。そこには謎めいた離島「イズコカ」の地図が描かれていて、叔父さんは次の夏は一緒にそこへ冒険に行こうと約束してくれた。
だけど今年の夏が来ても叔父さんは来ないし、もう2度と来ないような気がする。あの本とバイロン叔父さんの失踪はつながりがあるのだろうか?

オーストラリアの児童書作家アシュレイ・バートン(Ashleigh Barton)の作品。

 

 



Inked 
by Karen Wasson (Story), Jake A Minton (Art)


12歳のシドは家族が経営する魚屋でしゃべるタコに出会って衝撃を受けた。あとイラついた。タコのオットーは生意気で高飛車で、海に帰る手伝いをシドがするまで絶対離れようとしなかった。ここから海まで300キロくらいあるのに。
でもシドにはもっと大きな問題がある。夢の美術学校に入る方法を考えなければ、来年からの高校生活が悪夢になる。
ふたりのフレネミーは協力する方法を見つけられるのか、それともすべてが惨事に終わるのか。

メルボルン在住の児童書作家カレン・ワソン(Karen Wasson)の初グラフィックノベル作品。オーストラリアのアーティスト・ジェイク・A・ミントン(Jake A Minton)が作画を担当しています。

 

 



Into the Bewilderness 
by Gus Gordon 


親友同士のクマのルイスとモグラのパブロは自然の中を散策し、ギターを弾いて歌を歌い、近所の人たちと松かさのポリッジを食べて日々を過ごしている。
でもある日夢見がちなルイスにブロードウェイ公演のペアチケットが届いて、ふたりは原野を越える長い旅に出ることに。
ルイスにはたくさんの疑問がある。旅の途中で目からレーザー光線を出すガーゴイルに会うだろうか。ゾンビの鳥は?牛の専制君主は?公演に間に合うように到着できるだろうか?流砂(クイックサンド)は動きが遅いのにどうして「クイック」なんだろう?
不愛想だが忠実なる友がそばにいれば、ふたりはいずれそれらの答えを見つけられる。…よね?

オーストラリアのイラストレーター&児童書作家ガス・ゴードン(Gus Gordon)によるグラフィックノベル作品。「野生のロボット」のファンにおすすめだそうです。

 




Jungle Escape
by Nathan Luff 


両親がアスペンへのスキー旅行に行くと言ったとき、ブランソンはワクワクした。自分は連れてってもらえないと知るまでは。そのかわり、ブランソンはデインツリー熱帯雨林の貸切滞在所に送られて、豪華なプールサイドと料理教室、インテリアデザインの勉強をして過ごすことになった。ブランソン好みの休暇じゃない。
でもそのリゾート地に着いたブランソンとほかの子どもたちは、自分たちが騙されたことを知った。建物はボロボロ、トイレはナメクジだらけ、プールは水がない。実はオーナーはこのリゾートを立て直す無料の労働者として使うために子どもたちを呼び寄せたのだ。

オーストラリアの児童書作家ネイサン・ラフ(Nathan Luff)の作品。

 

 



The Keeper of the Octopus 
by Neridah McMullin 


父さんが遠くへ航海に行ってから、アイザック叔父さんがピッピに残された最後の家族だ。ふたりは浜で釣りをして日々を過ごしていた。ピッピが海に落ちて、優しい巨大な生き物に助けられるまでは。
アイザック叔父さんはピッピに真実を話す時だと知った。ピッピは実は長く続く「守護者」の一族の末裔なのだ。村の漁師たちを守る巨大なタコに対する責任を持つ、タコの守護者。

メルボルンの児童書作家ネリダ・マクマリン(Neridah McMullin)の作品。

 

 



Little Bones 
by Sandy Bigna 


弟を亡くした事故以来、11歳の少女ボーンズは動物の骨を描いたり死んだ動物を拾ってコレクションしたりして過ごすようになった。友だちとは距離を置き、新しい友だちを作ろうともしない。
ある夜お月様に願いをかけたボーンズは、思いがけず鳥の雛の骨を甦らせてしまった。小鳥はあるべき(死の)場所に帰りたいと言い、ボーンズは自分がかけた魔術は取り消すと言った。どうやればいいのかはわからないのだが。
小鳥と一緒に魔術の秘密を探るうち、ボーンズは友だちを作るとはどういうことだったかを思い出していく。お別れしたくないのに小鳥を手放すことはできるのだろうか。

キャンベラ在住の新人児童書作家サンディ・ビグナ(Sandy Bigna)のデビュー作品。
現在2025年オーリアリス賞児童書部門ショートリスト作品。

 

 



The Making of Martha Mayfield 
by Jo Dabrowski 


マーサ・メイフィールドはいつもおとなしい子だった。マーサはまさにお母さん似の娘。引っ込み思案の娘で、ママはもっと引っ込み思案。マーサはそんな自分が気に入っている。でもそれは、ママが失業し、学校の先生に雑に扱われるようになるまでの話だった。
やがてマーサは何かをしなければならないと気がついた。誰にも尊重されないおとなしい自分のままで人生を生きていくことはできるのか。素敵なアイディアを自分の中に永遠に留めておけるのか。
みんなに自分をさらけ出すのはあらゆるおとなしい子どもにとっての悪夢だけど、マーサは最大限頑張ると決めた。

メルボルン在住の児童書作家ジョー・デブロウスキ(Jo Dabrowski)の作品。

 

 

 


Moonboy 
by Anna Ciddor 


突然何もないところから自分の部屋にキースと名乗る少年が出現し、部屋に勝手に入ったと非難されてレティは仰天した。でも自分が時代を行ったり来たりする大いなる冒険の中にいるのだとレティが気がつくと、事態はもっとおかしなことになった。
キースは1969年の世界に生きていて、レティは宇宙飛行士の初の月面着陸のスリルと興奮に参加することになった。でも自分の過去へのタイムトラベルが歴史を変えつつあることに気がついて…

オーストラリアの児童書作家でイラストレーター・アンナ・シドー(Anna Ciddor)の作品。
現在2025年オーリアリス賞児童書部門ショートリスト作品。

 

 

 

優秀作品リストはまだありますが、続きは明日にでも。

 

 

 

 

 

 

 

 

こちら↑の記事に引き続いて、2026年全米図書館協会ティーンのためのベストグラフィックノベルリスト選出作品(の一部。日本でも読める作品のみ)を紹介します。

 

 

Fall in Love You False Angels : Vol.1-3
by Coco Uzuki
【恋せよまやかし天使ども/卯月ココ/講談社】 


学級委員長のおとぎは完璧美少女な外面を演じている。でも副委員長の、やはり完璧男子・刻の前で思いがけず素顔をさらしてしまった。しかし彼もまた人に見せない悪い顔を隠している。相手の上位に立つ(あるいは愛する?)ための戦いがはじまった。

卯月ココのラブコメコミック。の英訳版1~3巻目。原書(日本版)は2023年に刊行スタートし、現在までに6巻が出ています。

 

 

 

 

 

 

 



I Picked Up This World’s Strategy Guide : Vol.1-2
by Atchi Ai 
【この世界の攻略本を拾ってしまいました/アッチあい/KADOKAWA】


家族の薬屋のために薬草探しをしていたサナは、森に落ちていた自分が住むゲーム世界の攻略本を拾ってしまう。それを読んでしまったことで、彼女はゲームのストーリーの本筋に関わっていくことに。

アッチあいのファンタジーコミック。の英訳版1~2巻目。原書(日本版)は2023年に刊行をスタートし、来月3巻目が刊行予定です。

 

 

 

 

 



RuriDragon : Vol.1
by Masaoki Shindo
【ルリドラゴン/眞藤雅興/集英社】


ある朝目覚めたらドラゴンのツノが生えていた女子高生のルリ。実はハーフドラゴンだった彼女の血筋による変化と、普通の高校生でいるための苦労がはじまる。

ドラゴンと人間を両親に持つ少女の高校生活を描く眞藤雅興による青春日常コミック。の英訳版1巻目。原書(日本版)は2022年に刊行スタートし、ちょうど本日5巻目が刊行予定です。

 

 

 



Song of the Lioness (Alanna #1) 
by Tamora Pierce (Novel), Vita Ayala (Adaptation), Sam Beck (Art) 


不正義と騒乱が蔓延する世界で、気が強く意志が固い少女アランナは騎士になるため(女性がなるものとは思われていないのだが)の旅に出た。旅の中で、アランナは自分の魔法を育て、仲間をつくり、自分について、自分がなりたい自分について学んでいく。

騎士になりたい少女の冒険を描いたタモラ・ピアスの1980年代のクラシックYAファンタジー「女騎士アランナ(Song  of Lioness)」シリーズのコミカライズ作品のようです。
このコミカライズ自体は未訳ですが、原作小説は2000年代にPHP研究所から全4巻の邦訳が出ています。さすがにもう品切重版未定で新品の入手は無理のようですが、大きめの図書館ならまだ所蔵してるかも。

 

 

原作日本版はこちらです。




Suzume : Vol.1-3
by Makoto Shinkai (Story) , ­Denki Amashima (Art)

【すずめの戸締まり/新海誠(原作)/甘島伝記(作画)/講談社】 

高校生のすずめには、見知らぬ美しい青年・草太が廃墟で扉を探している理由はわからなかった。彼を追って廃墟になったリゾート地に入ったすずめは、そこで時間と空間を超えた世界につながる扉を見つけて開けてしまう。

新海誠のアニメーション映画「すずめの戸締まり」のコミカライズ版。の英訳版1~3巻目。原書は2023年から2024年にかけて刊行され、全3巻で完結しています。

 

 

 

 

 

 



以上です。

リストの全作品については下のリンクをご参照ください。

 

 

 

 

 

 

 

こちら↑の記事に引き続き、全米図書館協会の2026年ティーンのためのベストグラフィックノベルリストをご紹介します。

この記事からは、トップ10リストには入らなかったものの、全78作(数え間違いでなければ)のベスト作品リストに選出された中で、現時点で日本で読める作品やその関連作品を紹介します。



Almark : Vol.1
by Noboru Yamada (Story), Hiyoto Yunoki (Art) 
【アルマーク/やまだのぼる(原作)/柚ノ木ヒヨト/KADOKAWA】


北の地の傭兵の子として生まれ、戦い方を学んだ少年アルマークは、尊敬する父と同じように卓越した戦士になりたかった。でもその生き方が本人のためにならないとわかっていた父は、アルマークを魔法学校に入学させた。そこで学んで、戻ってきたときにその力で故郷に平和をもたらせるように。

日本の作家やまだのぼるの魔法学園ファンタジーWEB小説「アルマーク」シリーズの柚ノ木ヒヨトによるコミカライズ作品。の英訳版1巻目。
原作小説は2022年にKADOKAWAで書籍化刊行スタートし、現在までに4巻が出ています。(4巻目からは紙書籍の刊行なしで電子書籍オンリー)(ちなみに原作小説の英訳版も出てるようです)
コミカライズ版は2023年からやはりKADOKAWAで刊行開始され、来月7巻目が刊行予定です。

 

 

 

原作小説はこちらです。

 

 


Aria of the Beech Forest : Vol.2-3
by Yugiri Aika 
【ブナの森のアリア/秋鹿ユギリ /KADOKAWA】


アイルランドの森に住む人見知りの魔女アリアは新しい友だちの手を借りて自分の安全地帯から外の世界に出て、まったく新しい世界に足を踏み入れる。アリアが新たな冒険を楽しく感じはじめたとき、謎めいた訪問者が現れ、すべてをひっくり返した。アリアの将来を含めて。

現代アイルランドの森に住む魔女を主人公にした、秋鹿ユギリによるコージーファンタジーコミック。の英訳版2〜3巻目。
原書(日本版)は2021年からKADOKAWAで刊行スタートし、2023年に全3巻で完結しています。

 

 

 

 

 



Confession
by Nobuyuki Fukumoto (Story), Kaiji Kawaguchi (Art) 
【告白 ~コンフェッション~/ 福本伸行(原作)/かわぐちかいじ(作画)/講談社】


登山中に吹雪で遭難した山岳部OBの2人の青年。死を覚悟した石倉は自分の抱える暗い秘密を友人の浅井に告白した。しかしその後でふたりは山小屋を発見して生き延びてしまう。

福本伸行(原作)&かわぐちかいじ(作画)によるスタンドアローンのサスペンススリラーコミック。の英訳版。
原書(日本版)は2001年に講談社から刊行されています。2024年に生田斗真&ヤン・イクチュン主演で実写映画化されました。

 

 



Cosmos : Vol.1 
by Ryuhei Tamura
【COSMOS /田村隆平/小学館】


地球にやってくるエイリアンたちに必要なものはたったひとつ、保険。真実を探し出すのは、嘘を嗅ぎ分ける特殊能力を持つコスモス宇宙保険の新人社員・楓の役目だ。

田村隆平による宇宙人専門の保険会社を舞台にした保険調査SFコミック。の英訳版1巻目。原書(日本版)は2023年に小学館で刊行をスタートし、先月8巻目が刊行されたばかりです。

 

 

 



The Guy She Was Interested In Wasn't a Guy at All : Vol. 1-2
by Sumiko Arai
【気になってる人が男じゃなかった/新井すみこ/KADOKAWA】


おしゃれで陽キャな女子高生・あやは古いロックが大好き。でも趣味を理解してくれる人は周りに誰もいなかった。かっこよくてスタイリッシュなCDショップ店員のお兄さんに出会うまでは。
彼は全身黒ずくめでミステリアスで、優しくて音楽の趣味が最高。すっかり恋をしてしまったあやだが、その店員の「お兄さん」は、後になってわかったが、実はプライベートではボーイッシュな格好をしている同じクラスの女子生徒・みつきだった。

勘違いから恋に落ちた女子高生たちの青春&90年代ロックな物語の英訳版1~2巻目。もともとは日本の漫画家新井すみこがTwitter上に投稿していた作品で、2023年からKADOKAWAで書籍化されています。原書の書籍版は現時点で4巻まで出ています。

 

 

 

 

 



My Instructor Won’t Yield 
by Deme Kingyobachi 
【千葉教官はなびかない/金魚鉢でめ/講談社】


ハンサムな自動車教習所の教官・千葉はその魅力をカスタマーレビュー向上のために利用しているが、真面目に恋に落ちる気は全くない。
でもその完璧な外面は、新しい生徒で「スーツの王子」と呼ばれる青年八乙女の担当になったことで試練にさらされることに。

自動車学校の教官とその生徒の少女漫画家(男)の恋を描いた金魚鉢でめのBLロマコメコミック。の英訳版。原書(日本版)は2024年に講談社から1巻が刊行されています。2巻目はまだ出ていません。

 

 

 



Otaku Vampire’s Love Bite : Vol.1
by Julietta Suzuki 
【推しに甘噛み/鈴木ジュリエッタ/白泉社】


ヒナ・アルカードは300歳のヴァンパイア。アニメ「ヴァンパイアクロス」にはまり、アニメの聖地で暮らしたくて日本に引っ越した。そこで出会ったのは推しキャラ・マオにそっくりな男子・甘夏で…

吸血よりオタ活がしたいオタクヴァンパイア娘の恋を描いた鈴木ジュリエッタのラブコメコミック「推しに甘噛み」の英訳版1巻目。
原書(日本版)は2023年に白泉社で刊行スタートし、現在までに9巻が出ています。

 

 

 


次の記事へ続きます。
 

 

 

 

 

2026 Great Graphic Novels for Teens【YALSA】
https://www.yalsa.ala.org/thehub/2026/02/12/2026-great-graphic-novels-for-teens/

 

 

YALSA(全米図書館協会ヤングアダルト図書館サービス部会)が2026年のGreat Graphic Novels(すぐれたグラフィック・ノベル)ブックリストを発表しました。

アメリカで刊行されたグラフィックノベル(漫画)作品のなかで、YA向けとしてすぐれているものが数十作~100作ほど選出され、その中からさらに厳選したトップ10リストが毎年発表されます。

今年のトップ10作品は以下の通り。日本で読める作品も入っています。


Eden of Witches : Vol.1-4
by Yumeji
【魔女のエデン/ゆめじ/KADOKAWA】


ピリーは若き魔女見習い。自然の世界を破壊する力に飢えた人間たちのせいで故郷を離れることになった。動植物が集う聖地エデンをめざす旅の中、彼女は故郷と仲間の魔女たちを救うためにその力を使う。

2021年からフランスで刊行されていた日本の漫画家ゆめじによる異世界ファンタジーコミック。の英訳版1〜4巻目。
原書(フランス版)は現時点で8巻まで存在するようです。2024年からKADOKAWAで日本版の刊行がスタートしており、現在までに7巻まで出ています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 



Halfway There: A Graphic Memoir of Self-Discovery 
by Christine Mari 


クリスティンはずっと自分が「半分(ハーフ)」しかない気がしていた。半分アメリカ人、半分日本人。日本とアメリカの血が混ざってて、東京生まれでアメリカ育ち。ふたつの違った世界の一部であるのがどういうものかは知りすぎるほど知っているけど、そのどっちにも自分が所属している気がしない。
大人の入り口にさしかかり、クリスティンは自分がかつて故郷と呼んだ場所に戻る時だと決め、1年間東京で暮らすと宣言した。そこが自分の本当に属する場所だと信じて。
だけど東京には彼女が思っていたような答えはなくて…

日系アメリカ人のグラフィックノベル作家クリスティン・マリ(Christine Mari)が自身の東京での自分探しの日々を描いたグラフィックノベル回顧録。

 

 



Hunger's Bite 
by Taylor Robin 


豪華船SSラーク号の上で育った親友同士のニータとエメリー。エメリーは父の跡を継いでずっとラーク号を操縦したいし、ニータは世界を旅するのに憧れている。でもラーク号に新たな船主ハニーカット氏が来た。
ハニーカット氏。一等客室の乗客にはすごく好かれているが、乗務員にとっては船を悪夢に変えた人物。異常な食欲に翻弄された彼は人間ではない何かになり、その終わりのない食欲が乗務員たちを文字通り「燃え尽き」させてしまった。
この世のものではない飢えた何かがこの船には乗っている。ヴァンパイアの秘密調査員ウィック・ファーレイはニータとエメリーの力を借り、ハニーカット氏の秘密を暴こうとする。

ウェブコミック作家テイラー・ロビン(Taylor Robin)の書籍化作品。

 

 



Kindergarten Wars: Vol.1-2
by You Chiba
【幼稚園WARS /千葉侑生 /集英社】


服役中のリタは取引をした。「世界でいちばん安全な幼稚園」で1年間、そこに通う富裕層や有名人や権力者の子どもたちを守って働けば、刑期を短縮できる。でも想定外の失敗だったのは、そこでイケメンの同僚に出会ってしまったことと、毎日幼稚園を襲いにくる殺し屋と戦いながら運命の人を探さなければならなくなったこと。

セレブや権力者の子どもたちが通うせいで常に犯罪者のターゲットになってしまう危険な幼稚園で彼らを守って働く戦闘能力の高い受刑者たちの毎日を描く千葉侑生のアクション&ユーモアコミック「幼稚園WARS」。の英訳版1〜2巻。原書(日本版)は2023年から刊行スタートし、現在までに16巻が出ています。

 

 

 

 

 



Love, Misha 
by Askel Aden 


この自動車旅は、これ以上酷くなりようがあるだろうか?
母さんはミーシャと一緒の時間を過ごしたがっている。でも母さんはいつもそばにいないし、というか一緒に住んですらいない。ミーシャはノンバイナリーで、それを正直に話そうとしているのに、母さんはミーシャをまだ「娘」だと思っている。
そして森の中で道を間違え、この母子コンビは精霊の国に入り込んでしまった。ミーシャと母さんは元の世界に戻るために協力しなければならない。でもふたりが母子に戻る道はあるだろうか? 

デンマークの新人グラフィックノベル作家アスケル・アーデン(Askel Aden)のデビュー作。
2026年ウィリアム・C・モリス賞最終候補作品。

 

 

 


Meat Eaters
by Meredith McClaren


19歳のアシュリーが望むのは、このよどんだ小さな町を出て行ける日まで目立たないように過ごして、必死に勉強することだけだった。
でもある夜彼女は血だらけの死体となって目を覚まし、緻密な町脱出計画は煙のように消えた。それに彼女の内部で何かが変化した。
動かない心臓を抱え、新鮮で血の滴る肉への渇望に悩まされるアシュリーは、自分が普通の世界のすぐ下にあるもうひとつの世界と結びついたのを知った。食屍鬼や怪物たち、夜に出没するものたちの世界だ。

アメリカのコミック作家メレディス・マクラーレン(Meredith McClaren)によるホラーグラフィックノベル。

 

 



Monster Locker (Monster Locker #1) 
by Jorge Aguirre (Story), Andrés Vera Martínez (Art) 


グレンフィールド中学校の地下室ではモンスターの王国への扉を開こうとする何者かが何百年も前からチャンスを待っている。そして今、その時が来た。学校にはヒーローが必要だ。パブロ・オルティスは…そういうタイプじゃない。
彼が望むのは目立たないようにして中学生活を平和に過ごすことだけ。だからうっかりモンスターの国への扉を開けて復讐に燃えるアステカの神々を呼び出してしまった彼に必要なのは、新しい仲間たちが持つすごい得意技とアブエラ(おばあちゃん)が授けてくれる知恵だ。

学校の自分のロッカーがモンスターの国につながる扉だった6年生の少年を主人公にしたファンタジーグラフィックノベル。シリーズ1巻目。アメリカのグラフィックノベル作家ジョージ・アギーレ(Jorge Aguirre)がストーリーを、アメリカのアーティスト・アンドレス・ヴェラ・マルティネス(Andrés Vera Martínez)が作画を担当しています。

 

 



Song of a Blackbird 
by Maria van Lieshout 


2011年アムステルダム。ティーンのアニクはおばあちゃんの命を救うための骨髄ドナーを必死で探している。家族の過去を調べていた彼女は、エマ・バーグスマの撮影した写真を見つけた。
1943年アムステルダム。エマはこれからヨーロッパ史上最大の銀行強盗に巻き込まれることになる若き美大生。5000万ギルダーの価値がある偽の銀行帳簿をナチスの鼻先で本物とすり替えるのだ。エマの命も、数千人の命も、アニクのおばあちゃんジョアナの命も、危ういバランスの上にある。

第二次世界大戦中のオランダのレジスタンスによる銀行強盗事件と現代のティーンの家族物語を絡めた、実際の出来事をもとにしたグラフィックノベル作品。オランダ生まれのグラフィックノベル作家マリア・ヴァン・リースハウト(Maria van Lieshout)の作品。
2025年全米図書賞児童書部門ロングリスト作品。2026年マイケル・L・プリンツ賞オナー(銀賞)作品。2026年ゴールデン・カイト賞YA部門&高学年向けイラストレイテッド部門受賞作品。

 

 



Spacewalking with You: Vol.1 
by Inuhiko Doronoda
【君と宇宙を歩くために/泥ノ田犬彦/講談社】


勉強ができずバイトでもミスばかりで友だちもいない問題児の小林は、記憶力はいいけれどマルチタスクや大きな音が苦手で普通の生活が難しい転校生の宇野と思いがけず友だちになった。人生は変わりはじめ、ふたりは学校の天文部に入ることを決める。

発達に特性を持った2人の高校生の少年の友情を描く、泥ノ田犬彦による好評青春コミック。の英訳版1巻目。原書(日本版)は2023年に刊行スタートし、現在までに5巻が出ています。

 

 

 



You and Me on Repeat 
by Mary Shyne 


クリス・オブライエンは天才的な計画を考えた。片想い相手のアンディと完璧なファーストキスができたら、自分は卒業式の日を何度も何度も何度も繰り返してしまうこのタイムループから自由になれる。
卒業生総代のオタク少女アリシア・オチョアはクリスの計画はダメだと思っている。ふたりがとらわれているタイムループから脱出するには、キス以上の何かが必要だ。あとクリスは救いようがないほどロマンチストだけど、アンディを落とせるとは思えない。

「ローラ・ディーンにふりまわされてる」のファンにおすすめのロマコメグラフィックノベルだそうです。アメリカの新人グラフィックノベル作家マリー・シャイン(Mary Shyne)の作品。
2026年ウィリアム・C・モリス賞最終候補作品。

 

 



以上です。今年は日本の作品が強かったですね。

また、トップ10からは漏れましたが、全78作の今年のベスト作品リストにすでに日本で読める作品が多く選ばれていますので、そちらも後日紹介します。

 

 

 

 

 

 

こちら↑の記事に引き続いて、2025年ブラム・ストーカー賞の最終候補作品を紹介します。

YA部門の最終候補は以下の通り。


Shiny Happy People 
by Clay McLeod Chapman


カイラは16歳にして、薬物中毒の母親を見て育ったことによる恐怖を抱えている。自分がどこにも属している気がしないし、夜には恐ろしい夢を見る。
通っている高校で新しいパーティドラッグが流行りはじめると、カイラの生活はまさに悪夢になった。
周りの人々は、いちばん大好きだった人たちですら謎の変容を遂げていく。兄さんは夜のあいだは別人格になってしまう。親友は知らない人のようになってしまった。カイラ以外にこの異常さに気がついている唯一の人は、パーティに関わらないでいる転校生の少年ローガンだけ。ふたりは謎のドラッグの背後を調べはじめるが…

映画「ザ・ボーイ 鹿になった少年」などを手がけた映画脚本家でホラー作家クレイ・マクロード・チャップマンのYAデビュー作品。

 

 



Beautiful Brutal Bodies (Gorgeous Gruesome Faces #2) 
by Linda Cheng


ティアンは魅惑的な声と美しいルックスで人気の、ネットフォロワーを大勢抱えたシンガーソングライター。でも華やかな表面の下には恐ろしい真実がある。
リヤはティアンの幼馴染で、唯一の親しい相手。すべてを賭けてティアンを守っている。でも美しい人間の見た目の下には獣めいた秘密が隠れている。
ライブ配信中に複数のファンが謎の重傷を負う事件が起き、ティアンとリヤは南シナ海の孤島に魂を休めに行くことになった。たちの悪い彼氏とトラブルを起こして休養中のアイドル・シェンユーもそこに加わるが、3人はすぐに、この島には人間ではない何か恐ろしいものが潜んでいると気がつく。

台湾生まれカナダ在住のYA作家リンダ・チェン(Linda Cheng)の作品。K-POPの世界を舞台にしたYAホラー「Gorgeous Gruesome Faces」(未訳)の続編のようですが、主人公は違ってて話は独立しているようです。

 

 



We’re Not Safe Here 
by Rin Chupeco 


ウィスピーフォールの町のキャッチコピーは「あなたはここでは安全安心!」。でもそれは嘘だ。ウィスピーフォールでは怪物たちが森の中に住んでいるし、子どもたちは消える。そして死体が次々に増えていく。
「ストーリーマンサー」の名前で活動する17歳の動画配信者は、この町の異常の原因を突き止めると決めた。数年前、6歳だった弟が森で行方不明になったが、町の人間たちには探そうという意欲もなかった。
だから、住民たちが全員参加する儀式や、謎の生物の目撃、森で消える人々について調べることにした。失敗すれば自分が森で次の死体になるかもしれない。

動画の文字起こし、掲示板、ラジオ番組などで構成されたホラー作品とのこと。中国系フィリピン人のYA作家リン・チュペコ(Rin Chupeco)の作品。アメリカで人気のポッドキャストのモキュメンタリーホラー番組「Welcome to Nightvale」にインスパイアされた作品だそうです。

 

 

 


The Silenced 
by Diana Rodriguez Wallach


学校の課題で地元の廃校オークウェル女子農学校を調査に行ったヘイゼルは急に意識を失い、自分のものではない復讐心を抱えて目を覚ました。突然の暴力衝動をどうにかしたくて、彼女は学校について調べはじめた。
学校の過去を掘り下げるうち、彼女は学校に監禁されて恐ろしい実験に使われていた少女たちのことを知った。その魂はまだここにいる。

アメリカのホラー作家ダイアナ・ロドリゲス・ウォラック(Diana Rodriguez Wallach)の作品。

 

 



A Girl Walks Into the Forest 
by Madeleine Roux 


ヴァーラは昔から、あなたはその美貌で多くの女性が夢に見るしかできないような人生を手に入れられるだろうと言われてきた。だから謎めいたレオニド伯爵から求婚されると、小さくみすぼらしい村を捨ててそのチャンスに飛びついた。その行く手に立ちはだかる唯一のものは?多くの者が生きて出られない危険なゴットヤーの森を抜けて旅をしなければならないこと。
森の怪物たちに顔をめちゃくちゃに引き裂かれて城に辿り着いたヴィラはもう美しくなく、伯爵は喜ばなかった。森を抜ければ自分の勝ちだと思っていたが、真の戦いがはじまるのはお城の壁の中に入ってからのことだった。

アメリカのYA作家マデライン・ルー(Madeleine Roux)によるフェアリーテールホラー。

 

 

以上です。