「……バレンタインのことなんだけどさ、天華がチョコの写メだけ送ってきやがった」



「ああ、知ってるよ、一緒に作ったからね」



「お前チョコ作ったの!? オレにくれたの食品サンプルだったじゃねえか!!」



「え、だってこの私はべつにキミに恋愛感情を抱いてるわけじゃないから・・・」



「『本命』望んでるんじゃねえよ、せめて『本物』くれよ!!」



「偽物は本物よりも本物らしい――TVアニメ『偽物語』絶賛放送中だよ♪」



「番宣じゃねえよ!!」



「それで、キミは結局いくつチョコをもらえたの?」



「・・・・・・」



「本物はゼロ、と」



「ぐっ・・・!」



「そしていつもキミをスル―してる天華ちゃんが、写メとはいえチョコを送ってきてくれたのが意外だったから、『珍しいこともあるんだなぁ』と、そのメールを保護したと」



「何で知ってるの!?」



「『天華ちゃんのこと好きだから、嬉しくてメール保護しました』って理由だったらかわいかったのに」



「『天華と先輩』にそんなラブコメ要素はねえ」



「いやでもキミも意外なことするね。女の子からのメールを保護なんて」



「オレはけっこうなんでもないメールも保護するタイプなんだよ」



「へえ・・・たとえば?」




『差出人:地虹天華 

件名:先輩、『○○』って本が探しても見つからないんですけど、これ先輩に貸したんでしたっけ

本文:?』




「うーん、これは面白いから保護したんじゃないの?」



「そっか。じゃあ


『差出人:地虹天華

件名:無題

本文:ふと思い出しました。先輩ってあほですね』




「なんでそれ保護してるの? Mなの?



「Mじゃねえよ。他には


『差出人:地虹天華

件名:Re:Re:Re:Re:Re:Re:Re:

本文:海に月と書いて『みつき』です。なんですか? 先輩も兄を狙う気ですか?』




「天華ちゃんばっかりだな!」



「それは、ほら・・・」



「このブログで登場してるのが天華ちゃんとキミとこの私の3人だから仕方ないけどね」



「オレが濁したメタ発言を平気で言うな!」



「じゃあ、この私からのメールも保護してる?」



「送ってきたことないだろ?」



「キミからのメールはすべて反故にしてるからね」



「いつも返信こないのはそのせいか!!」






<続かない>