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「……ようこそ?」


《コロニー》?


「うんっ。琉にいも今日から、コロニーズ・メンバーだよ♪」
嬉しそうな、笑み。


「ここはね、ユウレイの村みたいなものなんだ。いろんな時代、いろんな場所で死んだ人たちが、集まって作った共同体なの。《コロニー》っていうのは、誰かがつけた名前だよ」


ついてきて、と言ってハルカは、広場を囲う木々の奥へと歩き出す。



幽霊の集住地。
魂が集う場所。


そういうものが、本当にあったのか。


琉也はハルカが《コロニー》と呼ぶ広場を見渡す。


ある霊は小袖を身に纏って、高みから空を眺めている。


またある木陰では、戦時中みたいに《もんぺ》を穿いたおばさんと、20世紀末のロックバンド風な格好をしたおじさんが会話している。


なるほど、たしかに様々な時代の人間(の霊)がいるようだ。


(…あっ。ということは…)


「おう、ハルちゃん、帰ってきたか!」


琉也がちょんまげ頭の霊を探していたら、野太い声がハルカを呼んだ。


「あ、いた☆ ただいま~」


見ると、3人の霊が、大きな岩に座っている。


「2日くらい外に出てたか?」
3人のうちの1人、日焼けで黒光りした見事な筋肉の男、いかにも THE・親方 みたいなおっさんが、さっきの野太い声をハッスル、いや間違えた、発する。


「ハルがいない、ってみんなで心配してたんだよ?」
おっさんの隣、ウェーブのかかった髪につり目の、ハタチくらいのねえちゃんが言う。


「うっ…ごめんなさい…」
怯むハルカちゃん。


「ふぉっふぉっ。御霊(みたま)になっても元氣っちゅうのは、ええことじゃわい。」
と言うのは、3人の中で一番奥に座る。おじいさん。
白い立派なひげに杖を持ち、「ふぉっふぉ」と笑う老父。ドラ●エの村にはよくいるけど、実物は初めて見た。



「んぉ?見ない顔だな。ハルちゃん、このボウズは新入りかい?」
黒光りのおっさんが、琉也の存在に気づく。


「あっ、若い男のコ。」
なぜか意味深な笑みを浮かべるつり目のねえちゃん。


「……ん?新しい顔かの?」
1人反応の遅い白ひげじいさん。というか、アン●ンマンみたいに言わないでください。


じ~。


3対・6つの視線が降り注ぐ。


「あ、あの……」


固まる琉也。


霊体なのに、汗が流れる。



「えっと……どうも。」



TO BE CONTINUED