こんにちは、リブラです。
「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンスを育てる>」にはエリクソンの略歴が詳しく書いてあります。
この本の著者にエリクソンの実の娘たちが入っているからかもしれません。
その中には、エリクソンのキャリアが変わった始まり方をしていることも書かれています。
エリクソンが医大の大学院に進んだとき、医学の学位と心理学修士を同時に取得していました。
エリクソンは、色覚異常と発達障害(失音楽症、記号の違いを認識するのに時間を要する失読症)が生まれながらにありました。
その上、18歳のとき患った小児麻痺の後遺症で脚が不自由でした。
そういう身体的なハンデを理由に医師になる夢を諦めたりしないところは、さすがやぎ座アセンダントとやぎ座天体を4つも持つ人だなと思います。
できない理由を考える前に、できる可能性とリスクヘッジを考えて実行するのが活動サインのやぎ座流の考え方です。
エリクソンは、おそらく最初から精神科医になることを想定して、医学と同時に心理学を学んでいたのでしょう。
彼は発達障害のためとてもユニークな思考回路で優れた発想を生み出します。
しかし、型にハマりルールに従って技術を覚えるようなことは苦手であり、色覚異常は身体の病気を診る医師にとったら大きなハンデとなります。
そうしたことを医大に入る時点で考えて、心理学の学位を取る努力もしていたのです。
自分の適性を事前に把握して、医師になる夢の障害となるものを先に想定し、リスクヘッジしていたわけです。
そして、医学と心理学の両方の学位を取ったエリクソンの最初の仕事は、心理学者として心理学的実験と研究をすることでした。
エリクソンは、心理学者と精神科医を名乗り続けながら、総合内科の研修を受けました。
これもやぎ座的戦略だなと思います。
総合内科の研修で内科の業務をこなせるようになっておけば、身体障害があっても忙しい病院ならどこかで使ってもらえます。
そして、医師の実績を積んで彼の独自の能力が認められば、必ず精神科医としての仕事が回ってくるはずという目論見だったのでしょう。
実際、その目論見通りになりました。
エリクソンは、研修先でとても患者に好かれ、中でも精神疾患の患者の心を理解する能力は抜きん出ていました。
松葉杖を使って歩くエリクソンに、精神疾患を持つ患者は簡単に心を開いてくれたのです。
それに加えて彼は心理学者ですから、医師免許しか取得していない精神科医と比べたら、段違いの共感能力です。
彼はその実績で推薦され、有名な精神病院で精神科医として働く地位を得ました。
そこからは、下剋上がモットーのやぎ座らしく、さらに大きな病院の研究主任の精神科医のポストに就きました。
やぎ座神話の主人公パーンは自分の醜い顔で神界の笑いを取って人気者になり、下界ではその醜い顔で不気味な化けものを演じて森を一つ占領したり、欠点さえも武器にして欲しいものは必ず手に入れていました。
合理性・機能性重視で現実的なやぎ座は、ローリスク・ハイリターンを狙います。
それには、「今、ここ、現在」自分が持っているもので何ができるのかを冷静に考えることが要求されます。
この辺りがいて座の弱みで、やぎ座の強みになるところです。
いて座は「未来の明るい希望」が原動力ですから、逆境にあるとき現実を直視するのが苦手です。
一方、やぎ座は「今、ここ、現在」自分が持っているものを最大限に活用することがローリスク・ハイリターンになること知っているので、「今、ここ、現在」の問題点を探り、その打開策を思案して起死回生に動くのです。
このようにやぎ座にとって逆境は、成功のための資源です。
言い換えると、やぎ座にトランシットの天体が滞在中は、逆境を資源として失敗から学んで先に進むことを要求されます。
けれども合理性・機能性重視で現実的なやぎ座の勢いに傾くと仕事では成功するかもしれませんが、プライベート領域で歪みが出ます。
エリクソンは、やぎ座の反対側のかに座に海王星を持っているので、パブリック(やぎ座領域)重視か、プライベート(かに座領域)重視かで葛藤する現象を招きます。
エリクソンが精神科医として順風満帆な将来を勝ち取る頃、最初の妻と離婚することになり、幼い3人子どもを引き取ることになりました。
エリクソンが幼い子どもの心理に直感が働くのは、6室(貢献のハウス)のかに座海王星のおかげでもありますが、この頃の子育ての経験もあるのでしょう。
離婚後2年して再婚した妻エリザベスは、前妻の3人の子どもとさらに5人の子どもの母となり、自宅で開業するときも、講演活動するときも、身体が弱いエリクソンを支え、良好な家族関係の構築に協力しました。
最初の結婚で失敗し、その失敗から学んで2度目は子育ても家族関係も、自主性と心の自由を尊重する円満なものになったのでしょう。
46歳のときエリクソンは、自転車に乗っているとき犬にぶつかり大怪我をして破傷風の血清を打ったところ、命に関わるアレルギー反応を起こしました。これを機に体調不良が続くことになりました。
そして、2年後にエリクソンは、病院勤務を辞めて自宅で開業医になることを決めました。
また、52歳のときは、ポリオ後症候群に罹り重篤な状態に陥りました。
筋肉が激しく痙攣し引きちぎれてしまうときもあり、腕と背中、腹部、脚など多くの筋肉を失いました。
それでも、国内外の多忙な講演スケジュールこなし、66歳で車椅子生活になっても各地に赴いて講演活動を続けました。
晩年には、車椅子に角笛をとりつけ、「偏屈じいさん」であることについて患者と冗談を言い合ったりしたいたそうです。
逆境を自虐ギャグのようなユーモアで笑に変えて乗り切るところも、やぎ座特有の能力です。
パーンがやぎ座として讃えられて星座になった理由は、怪獣ティホーンに襲われたとき、パニックになったパーンが魚に化け損ねた姿があまりにもおかしく、ゼウスが逃げるのも忘れて笑い転げたことからきています。
身体の苦痛と戦いながらの生涯でしたが、病気に屈することなく「小さなできること」に希望を見出して、いて座太陽と天王星の導く明るい未来に向かい続ける人生でした。
エリクソンは1980年に79歳で亡くなりましたが、その時点で彼の教育セミナーのスケジュールはその年の年末まで入っていたそうです。つまり、生涯現役で精神科医として後進を育てるための貢献をしていたのです。
この本の「エリクソンの略歴」の章の終わりには次のように記されています。
「『不可能なこと』をやり遂げるには、実行可能な小さなことを見つければいいことをエリクソンは知っていた。
彼は、小さな成功を積み重ねた枠組みを足場とし、未来に続く目前の成功に取り組むことによって、個々の中のレジリエンスを強化した」―「<レジリエンス>を育てる」よりー
いて座太陽と天王星の示す明るい未来の可能性を、やぎ座アセンダントとキロンと火星と木星と土星のレジリエンスを駆使して自己実現した人生と言えるでしょう。
「小さな成功を積み重ねた枠組みを足場とし、未来に続く目前の成功に取り組む」ことなら誰にでもできます。
満身創痍のエリクソンにも、彼の精神疾患のクライアントたちもやり遂げてきたことです。
レジリエンスは、いて座の未来を照らす力とやぎ座の現実的な努力の合わせ技で奇跡を生み出す方法と言って過言ではないでしょう。
次回はミルトン・エリクソンの心理療法<レジリデンスを育てる>の解説を予定しています。
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