こんにちは、リブラです。

今回は「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンスを育てる>」の第8章の解説です。

 

*町の外に出られなかった男性

 

強いパニック発作に苦しむ男性が、エリクソンのところに助けを求めてやって来ました。

 

彼は、外出はできるのですが、決まった道路しか運転することができませんでした。

 

市境を越えようものなら、ハンドルを握ったまま気を失ってしまうのです。

 

エリクソンはこの男性に、夜中に人けのない道路を通って、砂漠まで車を運転するように指示しました。

 

市境では車を停め、道路脇の溝に横たわることになっていました。

 

そして、処方した時間が過ぎたら、車に戻って、次の電信柱まで車を走らせ、車を停めたら再び溝に横たわるのです。

 

男性は上等なスーツを着るように指示され、警察に見つかったときのために、医師が用意したメモをスーツの襟にピンで留めておくことになっていました。

 

男性は指示通りに行動しました。

しかし、しばらくするとこの試練にうんざりし、何の制限もない通常の方法で車を運転して隣町まで行くようになりました。

 

エリクソンはこのケースでは、時間・空間の分割を利用して、この男性を圧倒させる「無限の空間」の恐怖を緩和させました。

 

エリクソンは電信柱を利用し、市境の外側にいくつも区画を創りました。

 

男性は、その電信柱を目印にして「車を停め、処方された時間道路脇の溝に横たわる」を繰り返していたのです。

 

ある電信柱から次の電信柱までうまくやり終えたあと、この男性は自分が町から町へと移動できることに気づいたのでした。

 

「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンス>を育てる」より

 

わたしたちの観念システムは、二度と危険な状態を招かないようにと自動的にリスク回避するためにあります。

 

危険なことがいっぱいの子ども時代でしたら、安全な環境をつくるためにこのシステムは大活躍したことでしょう。

 

ところが、成長して社会で働くようになると、安全圏に留まらせようとするこの観念システムが足を引っ張ることが多々あるのです。

 

自分で命令した覚えはなくとも、意識の95%を占める潜在意識と身体が勝手にリスク回避行動をとるので、当の本人は混乱します。

 

身体が危険信号(思い込みによる誤作動)を発する度に避けていたら、今回の男性のように「決まった道路しか運転することができなくなってしまう」現象も招いてしまいます。

 

意識の5%の顕在意識が「車で市境を越えることなんて簡単だ」と頭で理解していても、「市境を越えてまで運転するのは危険だ!」という思い込みがそのまま潜在意識にあると、身体はそれを信じて動けなくなってしまうのです。

 

ここで起こっていることは、思考VS感情・身体の対立です。

1つの身体に2つの違う指示が出ている状態です。

 

この男性は客観的に見れば、おかしな人かもしれませんが、自分の感情や行動の制限に縛られ、望む体験にブレーキをかけてしまうことは誰しも身に覚えがあることだと思います。

 

特に厄介なのが安全圏に留まらせようとする観念(古い思考回路)です。

 

この男性もこの観念で身動きできなくてなっていたのです。

ほんとうは自由に行きたいところに運転することを望んでいたはずです。

 

でも、彼の古い観念システムは「市境を越えて知らないところに行くのは危険だ!」と警告するので、潜在意識は知らない場所の「無限の空間」の恐怖のイメージに怯え、身体は失神することで抵抗するしかなかったのです。

 

おそらく、子どものときに親の言いつけに背いて知らないところまで出かけて、迷子になった恐怖が無意識に刻まれているのでしょう。

 

このように本人も忘れている潜在意識と身体の記憶は、言葉で今の真実を伝えようとしてもブロックされてなかなか届きません。

 

だから、エリクソンは、心と身体に直に働きかける行動を指示したのです。

 

市境では車を停め、道路脇の溝に処方した時間横たわる」という行動は、市境越えで無意識に失神を起こす前に意図的に安全な状態で偽失神を演出して、市境を越えても怖いことは何も起こらず、そればかりか、自分の力で市境越えができる感動を体験させたのです。

 

潜在意識と身体は、言葉よりも繰り返しの行動で慣らしていく方が伝わります。

 

そこで、エリクソンは電信柱を目印に区画を創り、何度も市境では車を停め、道路脇の溝に横たわる」行動を実行する指示して、市境越えの安全性を彼に定着させていったのです。

 

1度に高いハードルを越えることではなく、手の届くことから少しずつ枠を超える地道な取り組みが具現化への近道であることを、

いて座に太陽(本来の自己)と天王星(変革)を持ち、やぎ座に土星(現実性)と火星(モチベーション)と木星(チャンスと幸運)とキローン(苦手意識と癒し)とアセンダント(エゴキャラ)を持つエリクソンは、わかっていたのだと思います。

 

いて座は明るい未来の希望を的にできれば、一瞬で行動するパワーが漲ります。

でも、暗い未来が少しでもチラつくと、一瞬でネガティブスパイラルにハマります。

 

やぎ座は現状が逆境であるほど下克上スイッチが入り、望みが具現化するルートを慎重に探り、ストイックな努力で着実に欲しい現実を手に入れます。

 

エリクソンに指導を受けたこの男性は、「自由に好きなところを運転する未来」を的にして、「市境で車を停め、道路脇の溝に横たわる」を繰り返す地道な努力を重ねて、「市境を越えて運転しても失神しない現実」を手に入れたのです。

 

望む未来を「安全圏に留まらせようとする観念(古い思考回路)」に阻まれている人は、「望む未来」を的にしたとき、観念がどんな警告をしてくるのか、「それがどんなリスクがあるというのか」と自問してみるとよいでしょう。

 

そのリスクを頭ではバカバカしいこととわかっていても、心や身体が怖がっている場合、軽視は禁物です。

 

どのくらい時間や空間(行動)を「分割」したら怖くなくなるのか、試して枠越えに繰り返し挑んでみるとよいでしょう。

 

繰り返しいるうちに、なんでこんなことが怖かったのだろうと思うころには、「安全圏に留まらせようとする観念(古い思考回路)」の呪縛から解放され、望む未来を描く自由を獲得しています。

 

次回は「ミルトン・エリクソン心理療法<レジリエンス>を育てる」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。