こんにちは、リブラです。
今回はジル・ボルト・テイラー博士の「ホールブレイン」の第5章の解説です。
第5章「キャラ2感じる脳」
*経験した感情に名札をつける<キャラ2>
左脳の脳出血の手術後、テイラー博士は、自分が経験した感情に「名札」をつける方法を1から学び直さなければなりませんでした。
言葉の機能を失っていた彼女は、心臓がバクバクし、顎が痙攣し、握りこぶしを作って汗を噴き出させて身体が伝えようとする「胸が苦しい」という一言を口にできませんでした。
そのときは野獣のように、殴って、噛みついて、猛攻撃をしかけたい気分でした。
母がその一連の反応に「怒り」という「名札」をつけてくれたので、それ以来、テイラー博士は自分の怒りの回路が起動するのを察知できるようになりました。
*シャドウ(影)
ユング心理学の元型の一つである「シャドウ」は、人格の未知の暗黒面、最も深い痛みを感じている部分を表します。
<感じるキャラ2>は、外の世界に感情的に反応し、過去の痛みに目をくらまされ、将来を犠牲にする傾向があります。
テイラー博士は自身の<キャラ2>を「アビー」と呼んでいます。
その由来は「Abandoned(見捨てられた)」から来ています。
幼少期の心の傷は、母親の胎内から切り離された気持ちから来ているんじゃないかと考えるからです。
心地よい母の鼓動の一部のような温かな液体の世界から、刺激の多い冷たい世界に飛び出してしまったような気持ちです。
左脳<感じるキャラ2>は、自分を守るために
「これまで自分に苦痛を与えたのは何?」
「危険や悪いことや間違っていることは何?」
という感情的なフィルターを通して、経験したことを判断します。
「コップの水が半分しか残っていないよ」と悲観的に捉え、欠乏感を抱えるタイプなのです。
このような窮屈な考えでは、お金も愛も物もいつだって充分でありません。
不満を感じ貪欲になるのです。
<キャラ2>は幸せを感じることもありますが、その幸せは、ほかの感情と同様、外的条件に基づいており一過性のものです。
<キャラ2>は、それ以上傷つかないように自衛するため、復讐や誹謗中傷を企てることもあり、自ら孤立した結果、世界に脅かされている恐怖や絶望感に囚われることもあります。
そのような場合、<キャラ2>が宇宙意識とのつながりを犠牲にした細胞の集まりであることを思い出し、その本来の価値に共感し、癒してあげる必要があります。
<キャラ2>が外界に向けて恐怖心を爆発させたり、病でわたしたちを内部崩壊させたりする前に。
「自分は評価されていない」
「自分は望まれていない」
「自分は価値がない」
「自分は虐げられている」
「自分は犠牲になっている」
「(自分と比べて誰かを)羨ましい」
と感じるとき、<キャラ2>はイライラして爆発寸前の圧力鍋のようになります。
当然のことながら、<キャラ2>は自分が幸せでないとき、他の脳キャラたちにも、周囲の人々にも幸せでいて欲しくないのです。
誰かが、憎しみに満ちていたり、復讐を企てたり、好戦的だったり、いじわるだったりするときは、その人の<キャラ2>が表れています。
不満を抱いているときの<キャラ2>は、利己的で、独善的で、批判的で、好戦的で感情を操るようなところがあります。
平気で嘘をついたり、残酷になったり、ずる賢く汚い手で出し抜こうとしたり、責任逃れに立ちまわるでしょう。
しかし、これらマイナスの特徴ばかりだったとしても、その核心にあるのは、「痛みと恐れ」であることを忘れてはいけません。
<キャラ2>を癒すのであれば、<キャラ2>が現れたときに気づいてあげて、ありのままの姿を愛し、他のキャラたちにその欲求に耳を傾けさせ、
<キャラ2>に「自分は貴重な存在で、安全なんだ」と信じ込ませることが必要です。
<キャラ2>は、脳全体(ホールブレイン)の中で尊敬されている貴重なメンバーとして扱われると、周りから応援されていると感じ、脳キャラたちとの作戦会議によって、その反応を段階的に弱めていくことができます。
こうした激しい感情はすべて回路上稼働している細胞群であると知るだけで、意図的かつ意識的に痛みから離れ、そのエネルギーを発散させる戦略がとれるようになります。
ー「ホールブレイン」より引用ー
<キャラ2>の存在する場所は、個としての自分を外界と関わることで追求する左脳で、一瞬ごとに「わたしは安全なのか?」と尋ねる偏桃体の警報装置と嫌なことや怖いことの感情の記憶を照らし合わせる海馬があり、身体の痛みや不快感を直に伝えてくる脳幹が接続しています。
こんなロケーションにいる<キャラ2>は、見知らぬ土地に親とはぐれて独りぼっちでいる幼児のような存在です。
テイラー博士は自身の<キャラ2>を「見捨てられた」の語源から「アビー」と名づけています。
危険を知らせて泣き叫ぶことしかできない上に、独りぼっちの孤独に苛まれるのです。
しかも、外界の刺激に晒され、体感覚の不快感や苦痛もダイレクトに感じます。
こんな状態だったら、安全安心で心地よいところにしがみつきたくなるだろうし、優しくしてくれる人に依存したくなるのもわかりますよね。
お金や愛や物がいくらあっても、「もっと欲しい」と貪欲になるのも、母なる宇宙意識から切り離されたという「痛みと恐れ」が核心にあるからなのです。
この事情が理解できると<キャラ2>に対する見方が変わってくるでしょう。
見捨てられ、独りぼっちだと思うから、安全を求め、物や人をよりどころにし、自分を守ろうとして警戒し、危機感を募らせ、恐い未来を想定して心配事に振り回されるのです。
そんな<キャラ2>でも感じることができる幸せは「外的条件に基づいており一過性」。
要求したものが思い通りに手に入った瞬間だけなのです。
たとえそれを手にしたとしても、「もっと欲しい」と欠乏感に苛まれたり、「奪われたり、失ったらどうしよう」という恐れが次の瞬間には襲ってくるのです。
ですから、<キャラ2>を暴走させないためには、<キャラ2>のどんな警報(感情)もしっかり受け止め、独りぼっちで怖がらせないことです。
けれども、<キャラ2>の要求にすべて応えるということではありません。
<キャラ2>は傷ついた子ども意識(インナーチャイルド)ですから、関わってあげるのも意識の中です。
インナーチャイルドは、トラウマの記憶から発生します。
「安全で心地よい子宮から追い出された」というのも、トラウマになりますから、インナーチャイルドは誰の心の中にも存在します。
赤ちゃんは人の手で全面的に世話を受けないと生きていけませんから、四六時中注目され、ケアされ、抱きかかえられて授乳され、あやされます。
インナーチャイルド(キャラ2)は、この全面的にケアを受けていた新生児のときの記憶に基づき「愛」を測るようになります。
泣くだけで、ミルクを与えられ、おむつを替えてもらえ、抱っこしてもらえて、あやしてもらえて、安全で守られている・・・この状態を「愛」だと記憶しているのです。
成長して自分一人で何でもできるようになると、もう、人の世話は要らないと大人意識は思うのですが、心の底ではあの新生児の頃のように自分にだけ注目して「愛」を注いでくれる人がいて欲しいと望むのです。
でも、その欲求を出しているのは、インナーチャイルド(キャラ2)なのです。
そして、真に求めているのは「愛の欠乏感」を埋めてくれる「無条件の愛」なのです。
これは大きな矛盾です。
「愛の欠乏感」を埋めてくれるという条件をつけるわけですから、それは「無条件の愛」ではありません。
結局「ニーズの愛」(○○するから愛して欲しい)を求めることになるのです。
インナーチャイルドは、「ニーズの愛」を要求して「無条件の愛」を手に入れようともくろむのです。
ですから、インナーチャイルド(キャラ2)が出す要求(条件)に全面的に応える姿勢は、かえって「愛の欠乏感」を募らせると理解してください。
インナーチャイルド(キャラ2)の要求は、同じく左脳の「考える脳キャラ1」に最初に聞いてもらうのがよいでしょう。
<キャラ1>は現実的で合理的ですから、聞くだけ聞いて叶えられそうなら実行する手段を考えてくれます。
でも、インナーチャイルド(キャラ2)の真の目的は、要求を叶えて欲しいのではなく、「感情を分かち合いたい」=「共感がほしい」のだということを忘れてはいけません。
要求が叶えられても幸せを感じるのは一瞬だけなのですから。
それよりも、「感情を分かち合い共感してくれる存在」が常に離れずずっといるんだという安心感の方が、インナーチャイルド(キャラ2)の「愛の欠乏感」を癒すのです。
<キャラ1>が<キャラ2>の怖れや不満を聞き理解し共感してシャドウの悪感情のガス抜きができれば、暴走の危険は回避できます。
能天気でボジティブな<キャラ3>の提案やワンネス意識の<キャラ4>のアドバイスもバカにしないで受けとる余裕も出てきます。
本来脳全体(ホールブレイン)で助け合って危機を乗り越えるものだと、インナーチャイルド(キャラ2)が信用すれば、もう、独りぼっちでネガティブな感情に耐えることはなくなるので、狂暴なシャドウ化の心配もないのです。
次回もジル・ボルト・テイラー著「ホール・ブレイン」の解説を予定しています。
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