こんにちは、リブラです。
今回は、ジェームズ・ドゥティ著「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」の解説です。
第10章「心のコンパスに従う」のあらすじ
ジム(ジェームズ・ドゥティ)は株のドットコムバブルで全財産を失い、自分を見失い、これまでにない孤独を感じましたが、その気持ちを伝えることのできる人をひとりも思いつくことはできませんでした。
そして、自分が何になりたいのか、全く思い浮かべられなくなっていたことに気づきました。
だから、「人生の扉を開くマジック」を教えてくれたルースに会いに行こう、ルースの息子が経営するマジックショップに行けば彼女の居場所を教えてもらえるだろうと、ランカスターに戻りました。
しかし、30年もの時を経て、ルースどころかマジックショップも見つけることは叶いませんでした。
途方に暮れたジムは、独り自分の過去を振り返り、何が間違っていたのかを考えます。
「わたしたちの誰もが、人生の中で痛みを感じる状況を経験するの。
それを心の傷って呼ぶのよ。
それを無視するといつまでも治らない。
でも、心に傷を負ったときこそ、心が開くものよ。
心の傷がいちばんの成長のチャンスになるの。
困難は魔法の贈り物なのよ。
心はコンパスなの。
もし、いつか道に迷ったら心を開きなさい。
そうすれば、正しい方向に導いてくれるわ」
というルースの言葉が蘇り、ジムは自分を見失ってはいるものの、お金が消えてしまったいま、どこか完全に解き放たれたと感じていました。
すると、弁護士から「手続きが未完了になっていたチャリティーに割り当てた株式をどうするのか」と電話がかかってきました。
節税対策のため、大学に寄付しようと考えていたアキュレイ社の株を、弁護士は寄付ではなく個人資産に切り替えるものと思って連絡してきたのです。
ジムは「かけ直すよ」といったん電話を切り、目を閉じて心が開かれる様子を思い浮かべました。
過ちだらけの自分に愛とゆるしを送りました。
両親に愛を送り、かれらが最善を尽くしてくれたことに感謝しました。
どこにいるのかわからないルースに愛を送りました。
貧困に苦しむすべての子どもに、
依存症の親を持つすべての子どもに、
独りぼっちを自分のせいだと感じているすべての子どもに、愛を送りました。
自分の価値や大切さ疑ったことのあるすべての人に、
お金が自分の価値を決めると思っているすべての人に、愛を送りました。
ジムは、人生で1度も感じたことのない何かを感じました。
それは、心の奥深くの平穏と、すべてがうまくいくという確信でした。
ジムは弁護士に電話をかけ直して「信託書類に署名して、計画どおりすべてを寄付するよ」と言いました。
ジムは心のコンパスに、自由に従ったのです。
その瞬間、お金が幸せと自由をもたらしてくれるという間違った思い込みが突然落ちました。
富が幸せをもたらす方法は、たったひとつで、それは人に与えることだとジムはここまでの経験でわかったのでした。
ジムは最後に残った資産を差し出すことで、ルースに習った当時には幼過ぎて理解できなかったレッスンを学んだのです。
「ルースのマジック」のグランドフィナーレは、人生をよりよい方向に変えるには他者の人生を助けるしかないという究極のレッスンだったのです。
自分の心の傷だけではなく、周囲の心の傷を癒す、共感の力が何よりも偉大なマジックだと、ジムは最終的な答えにたどり着きました。
「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」より引用。
財産をすべて失う体験をすると、生存本能由来の意識であるエゴはそれを不幸だ、危機だとパニックになることでしょう。
けれども、人生の設計者である魂意識からすると、お金稼ぎと豪遊に憑りつかれた人生から目が覚め、正気に戻ったことを喜ぶでしょう。
エゴは分離思考で何でも考えようとします。
成功か、失敗か。
豊か、貧乏か。
幸せか、不幸か。
そのどちらか一方しかないと想定します。
でも、この考え方(二極分化の思考)は不自然なのです。
この世はどちらか一方の極が存在しているのではなく、二極が一つの軸でつながって存在しているのです。
失敗を体験したから、真の成功をつかめた。
貧困に苦しんだから、豊かさを産む能力が鍛えられた。
不幸を体験したから、真の幸せがどこにあるのかわかった。
という統合思考の方が、日常的によく聞く話しだと思います。
ジム(ドゥティ博士)も、投資家として巨万の富を得て、一瞬のうちにすべてを失う体験をしてはじめて、自身が孤独だったこと、お金を稼ぐことと使うこと以外に関心がなくなっていたこと、自分を見失っていたことに気づきました。
この事態に彼のエゴは嘆いたでしょうが、彼の魂意識は采配どおり、気づきのオンパレードへ導き、ジムが苦手だった「心を開くこと」に取り組ませたのです。
ジムは原点回帰をして、何も持たなかった孤独で無力な少年が、ルースの共感に助けられ、人生の可能性の扉をこじ開けた過去を振り返ります。
そこには、ルースの愛のこもった言葉の励ましがいつもありました。
ルースは、その教えを他の人々にも伝えることをジムに約束させました。
けれども、ジムはその約束を忘れていました。
「心を開く」ことができていなかったからです。
「ルースのマジック」は、潜在意識の力で可能性を開くマジックです。
潜在意識の力を使うから、潜在意識と合流する集合意識までも動かし、神羅万象・万物が現象化に働くのです。
そのような力は、個人の力を超えていますよね?
潜在意識を通じて、すべての意識と共鳴共振してつながるから、自分の外世界が動くマジックが起こるのです。
「ルースのマジック」は、いってみれば、「共感のマジック」なのです。
だから、個の願望を突き進めたら、破滅に向かうのは当然です。
「みんなでひとつ」のワンネス意識を動かすわけですから。
ルースがジムに必ずこの教えを他の人々に伝えることを約束させたのは、「自分の幸せで、みんなも幸せになる状態」がこのマジックのグランドフィナーレになることを想定しいていたからなのでしょう。
単なる個人の欲望を叶えるだけのマジックではなく、自身の欲望を叶えることができたら、そのプロセスをシェアすることで他の人々も欲望を叶えることができる相乗効果を狙ったマジックなのです。
ナポレオン・ヒルの「悪魔を出し抜け!」でも言われていたことですが、この世はヒプノティック・リズムの法則(集合意識による集団催眠で同一の思いのパワーで動く法則)で回っていますから、ジム独りで「ルースのマジック」を使うよりも、その効果を信じて使う人々が増えれば、その分パワーは増幅されるのです。
まさに「自分の幸せで、みんなも幸せになる状態」になるのです。
でも、この偉大なる力を使うとき、それに相応する力の使い手であるかを試されます。
節税対策に大学へ寄付しようと思っていた優良株が、破産したジムに残っていた知らせを受けたときは、何を選ぶか試されていたのだと思います。
そこで「心を開く」ことができたなら、どんなに大金を生み出す株でも、寄付する選択をしたでしょう。
脳外科医として天職で稼げるジムには、株式による不労所得は不必要な欲を生み出すだけです。
それよりも、彼の寄付した株の利益により、オックスフォード大学で医学研究に貢献できるならば、多くの人々に役立つでしょう。集合意識の力を使うマジックは、個人より、多くの人々の望みを叶える方に使う方が向いているのです。
「富が幸せをもたらす方法は、たったひとつで、それは人に与えること」だとジムは、巨万の富を得た後、全財産を失う経験から悟りました。
無条件で人に与えることすると、わたしたちの潜在意識は「人に与えられるほどわたしは豊かだ。わたしは創造主のようだ」と自動的に自己認識するのです。
すると、潜在意識が構築するそのセルフイメージは、創造主のキャラに似たものになりに、神羅万象・万物はそれに従うように動きます。
迷ったら、心を開いてエゴを遠ざけ、「心のコンパス」はどちらの方向を指し示すのかを問い、その答えに従えば、心の豊かさから真の幸せを手にすることができるのです。
次回は「人生を開く最強のマジック」の解説を予定しています。
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