こんにちは、リブラです。

今回は、ジェームズ・ドゥティ著「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」の解説です。

 

第8章「脳外科医、九死に一生を得る」のあらすじ

 

メディカルスクールを卒業したジム(ジェームズ・ドゥティ)は、脳外科医になりたいと強く思いました。

 

それは、誰も分け入ったことのない領域に入って行くこと、人間を人間たらしめる奥深い場所に入って行く仕事に惹きつけられたからでした。

 

脳外科の研修医に応募するチャンスは3年待ちといわれましたが、ジムはそれを受け入れらませんでした。

 

「ルースのマジック」が彼にはあったので心配はせず、毎晩心の中に脳外科研修医になっている自分を描き続けました。

 

すると、脳外科研修医の候補リストに上がっていた人々が次々に別の場所に任務が決まり、結局ジムの望むタイミングで望んだ場所で脳外科研修医になることができました。

 

望みがすべて叶い、脳神経外科の専門技術を身につけたジムは、自分が大物で特別な存在になったような気がして、傲慢になっていきました。

 

脳外科医としての仕事には誠心誠意を尽くして取り組みましたが、自分の気に入らないルールや意味がないと思った規則には従いませんでした。

 

24時間シフトの研修医生活は過酷で、いつも寝不足で一挙手一投足を評価され、プレッシャーがかかっていました。

 

ジムは次第に瞑想をしなくなり、目標を思い描くこともしなくなりました。

 

「僕はもうすぐ脳外科医になる。

人間の身体の1番重要な部分を手術することを任されたエリート専門医の仲間入りだ。

 

脳はすべてを司る。そして、僕が脳を司る。

『ルースのマジック』から学ぶことはもうない」と、ジムは思うようになっていました。

 

仕事のプレッシャーを和らげるために、ジムは瞑想ではなく、大量のアルコールやコカインや大音量の音楽やセクシーな女性たちがいるストリップクラブや酒場に研修医仲間と憂さ晴らしに行くようになりました。

 

そんなある日、飲み友だちが運転する車で事故に遭い、ジムは九死に一生を得る経験をしました。

 

同乗していた3人の友だちは軽傷でしたが、ジムは小腸が切れ、脾臓が破裂し、脊椎にひびが入る重症で、手術中に幽体離脱体験までしました。

 

この体験でジムは、過去の自分が何度も死んで来たことを振り返ります。

 

未来のない絶望的な少年は、マジックショップでのルースとの出会いを通して死んだ。

 

アルコール依存症の父を恥じ、恐れていた青年は、父を殴りつけた後、自分で切り開いた大学入学への道に進んだとき死んだ。

 

今回の自動車事故で、傲慢で自己中心的な脳神経外科医も死に直面した。

 

「人はこの世で何度でも死ねるし、それは生きていることの最高の贈り物だ。

 

あの夜僕の中で死んだのは、『ルースのマジック』で自分が負け知らずになったという確信と、僕が世界中で独りぼっちだという想いだった」とたくさんの人々の手で命を救われた彼は気づきました。

 

しかし、このときのジムは、「ルースの教え」からあまりに遠く離れてしまった「警告のしるし」であることにまだ気づいていませんでした。

 

「スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック」より引用。

 

ジムの人生は、相変わらず波乱万丈ですね。

 

「ルースのマジック」を習得したのだから、運だけでなく精神の成熟も伴わないものかなと思いますが、マインドフルネス(瞑想、内観)をしているからといって、それだけですべてが解決するわけではないようです。

 

お釈迦様も難行苦行して瞑想を続けていたときは、悟りに至らなかったのですからね。

 

瞑想や内観は、エゴにお休みしてもらい、魂としての「ありのままの自分の存在」を感じる時間です。

 

そして、瞑想や内観の時間以外は、エゴが現実を生きるために取り組む時間です。

 

もちろん、瞑想や内観で魂意識の意図や方針をおぼろげにでも掴んでいれば、ジムのように危ない道に踏み外すことはないのですが、エゴが天下を取ったような負け知らずの気分のときは、「瞑想や内観なんて何にもならない」と思うようになります。

 

すると、物質界で価値ありと言われるもの(お金や地位や名誉や人間関係など)や目の前にぶら下がるお手軽に欲求を満たすものの虜となって暴走してしまいます。

 

「しっかり勉強し、精一杯働いているのだから、自分の金で何やったって自由だろう。目に見えない魂の意図?精神性?そんなもの知るか!」と、エゴは傲慢な気分になるのです。

 

魂意識は常に「選択の自由」を与えていますから、エゴの選択に口出ししません。

その代わり、エゴが自分で選んだことで引き起こされる現象により、軌道修正を促そうとします。

 

ジムのようにスピリチュアルなマジックを身につけて望みを叶えた場合、道を外れたときの代償も大きくなります。

 

「ルースのマジック」は潜在意識の力を使い、集合意識に働きかけて神羅万象・万物を動かす(世界線ごと乗り換える)わけですから、軌道修正も激しく働くのです。

 

瞑想し、イメージワークにより、ジムは潜在意識の力で少年時代からの夢を叶えたのですから、引き寄せた現実(世界線)の主人公は、当然魂意識が意図するセルフイメージになっていなければなりません。

 

アルコール依存症の父を否定して、それを潜在意識の力で越えたジムですが、仕事のストレスをアルコールに溺れて解消することを選ぶとしたら、それは潜在意識に描いたセルフイメージにそぐわなくなるのです。

 

そんなとき、潜在意識は総力結集して集合意識に働きかけ、描いたセルフイメージに相応しく軌道修正する現象(事故や病気や事件や問題などの物質界の現象)を起こします。

 

潜在意識に刻んだセルフイメージと実際に選らぶ行動とのギャップが激しいほど、現象化も極端なものになります。

 

スピリチュアルなマジックは、絶望的な状態から奇跡のような現実を代償の法則が働いて引き寄せるので、得るものも大きいけれど失うものも大きいのです。

 

憧れの脳外科医になったのですから、その仕事に拘束されることやそこにかかる責任やプレッシャーは、代償として支払わなければなりません。その支払いにストレスを感じて、アルコールに逃避するのでは負のスパイラルに入り、心身を疲弊させます。

 

ジムはルースから「人生の扉を開くマジック」を習い、「なりたい自分を描くこと」を上達させて欲しい現実を手にするようになりました。

 

けれども彼は、その途中のプロセスである「心を開く」のワークをおろそかにしてしまったのです。

 

「心を開く」のワークとは、

「わたしには価値がある。愛されている。大切にされている。

わたしは他人を大切にする。

自分のためにいいことだけ選ぶ。

他人のためにいいことだけ選ぶ。

わたしは自分が大好きだ。

他人が大好きだ。

わたしは心を開く。わたしの心は開かれている」を思いついたときはいつでも、この言葉を繰り返し唱えるワークです。

 

もしもジムが、仕事で疲弊したとき、ほんの10分間でも内観して心を静かにして、この言葉を唱えていたとしたら

望んでその仕事に就いたこと、価値ある仕事をしていること、患者さんからもスタッフからも愛されていること、その仕事をしている自分が大好きなこと、その仕事を通して関わる人々に心を開いていないからストレスが溜まることなどに気づいたことでしょう。

 

そこに気づいていたら、飲酒運転の自動車事故で重症を負い、自分が患者になり、顔見知りのスタッフが必死に救命活動をしてくれるのを眺める体験は必要はなかったのです。

 

ジムが心を閉ざし、孤立無援で戦う気分になり、エゴの独走態勢を作り出してしまったから、アルコールやコカインで現実逃避する手段しかストレス解消に思いつかなかったのです。

 

潜在意識の力が物質界の現実を創り出すのがわかっていながら、エゴが主導すると物質界の問題を物質界レベルで解決しようともがくのです。

 

ジムの九死に一生を得る出来事から、ルースがなぜ「心を開くワーク」を熱心に教えていたのかがわかります。

 

潜在意識~集合意識を扱うのですから、自身の心が健やかで良い流れを引き寄せる状態になっていなければ、エゴが乗っ取りを始め、やがて、魂の意図からズレ、軌道修正が必要になるのです。

 

次回は「人生を開く最強のマジック」の解説を予定しています。

 

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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。