こんにちは、リブラです。今回は、ウエイン・ダイアー著「老子が教える実践道（タオ）の哲学」の解説です。
第66章「海は低いから高い」
「海は百川の王。誰よりも低い玉座に座り謙遜を力とする。
他者（ひと）の上に立つことを望むなら、謙虚に話しなさい。先に立つことを望むなら、後ろからついて行きなさい。
賢人が上に立つと、人々は、力の重みを感じない。賢人が先に立つと、人々は、引き綱の痛みを感じない。
床を玉座とするから、人々は、いつまでも賢人を戴き続ける。仕える者に徹するから、人々は、いつまでも賢人を王と讃え続ける」
ー老子が教えるタオの哲学ー
あなたが年長者でも、人一倍知識や富があり、影響力や権力を持っていても、誰かにとって何が最善かを知っていると思い込んでいてはいけません。それより、大きな海になりましょう。
小さな流れを受け容れる存在になるのです。姿勢は低く、言葉は穏やかに、謙虚になりましょう。誰もみな、人力の及ぶ限りは、人生を自分の足で歩いていけばいい。
あなたがすべてを受け容れる海になれば、その指示は誰の重荷にもならず、誰も傷つけません。
今日のタオ
相手に指示を出すのではなく、逆にこちらが従うことで他者を動かしましょう。相手が自ら、あなたの意に添うような流れを作るのです。さらに一歩踏み込んで、相手に「君ならどうする？」と決定を促してみましょう。とダイアー博士は言っています。
「先に立つことを望むなら、後ろからついて行きなさい」というのを守ってリーダーシップをとったとしたら、その人はサーバントリーダーになれるでしょう。サーバントリーダーとは、グループを育て見守り各自の自主性を尊重する「支配しないリーダー」です。
サーバントリーダーに育てられたグループは、各自の自主性があるからリーダーに依存しません。それぞれが自身の持ち味を活かし、自発的にその役割に責任を持つのでトップが不在のときもチームワークが崩れることがありません。
まるで身体の中の細胞が自分のために生きつつも、常に組織全体の営みに貢献しているような感じです。人間社会ではなかなか見かけないリーダーシップですが、わたしたちの身体の中ではトップダウン型の命令はないのに、常に完璧な組織運営が自主的に成されています。
サーバントリーダーは、最も優れたリーダーの在り方です。そして、人間誰しも３０兆個細胞を従えるリーダーなのです。
サーバントリーダーの必須条件は、あらゆる立場の状況を自分のことのように理解できることです。
どこか具合が悪くなる前に、不調や不具合に気づき、働き過ぎや放置しているところはないか、30兆個の細胞の身になって配慮することが本来ならば身体の持ち主の責務としてあるのです。
しかし、わたしたちはサーバントリーダーをお手本として見ることがないため、自分の30兆個の細胞に対して一方的に命令を下す暴君になりがちなのです。
そんなわたしたちにサーバントリーダーの資質に目覚めさせるような星がキロンです。キロンはいて座神話の主人公で、上半身が人で下半身馬の姿をした、半神半獣のケンタウロス族の医師です。
神の血を引くため奇跡的な治療ができる上に、生身の肉体を持つので病気や怪我の苦痛もわかるので、身体も心も癒せる優秀な医師としてキロンは評判が高く、医術のみならず弓や音楽を教える教師として弟子もたくさんいました。
ところが、キロンに弟子が放った毒矢が誤って当たり、その苦痛に耐えかねて不死の命を返上し、あっけなくその生涯を終えてしまったのです。
素晴らしい功績を残した医師のあまりにあっけない最期を不憫に思ったゼウスがキロンを讃え、いて座にするところで話は終わるのですが、1977年に見つかった小惑星にキロンという名前が付けられました。
このキロンという小惑星が配置されるハウスは、苦手意識を抱える分野になります。でも、人は密かにその苦手意識を克服すべく努力を注ぐので、気づくとそのハウスの分野がエキスパートになることが多いのです。
わたしは1室（本人のハウス）にキロンをもっているので、物心ついてからずっと自己嫌悪に苦しんでいました。その自分の取り扱いをホロスコープから知ることを覚え、今ではホロスコープを読むことが生業になりました。
キロンがあるハウスはマイナス出発で始まり、無意識に努力を注ぐので気づくとその道の専門家になることが多いのです。そうすると劣等感からその道のプロ意識までのすべてを網羅する形になります。
キロンも身体の苦痛と心の苦痛をすべてを経験して、癒しの専門家になるプロセスを通ってきたのでしょう。それがいて座神話だけだと、身体の苦痛に絶望して不死の命を返上してしまう最期だったため、リベンジ編が必要だったのではないかと思います。
だから、1977年に発見された小惑星キロンの方は、初めから天才的な医師だったキロンの性質とは打って変わって、劣等感意識の克服から始まるように設定されているのでしょう。そうすることで、劣等感意識から専門家としての自信までのすべてが備わり癒しに向かうようにキロンは働くのです。
１ハウスにキロンがある場合、自分のキャラクターに劣等感を抱き、自分を責める傾向に苦しみます。でも、そのプロセスで、自己嫌悪や劣等感を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば自己肯定感のエキスパートになれます。
２ハウスにキロンがある場合、自分の所有につながる能力に劣等感を抱き、どんなに豊かな所有を手に入れても安心できず、次の獲得に意識を駆り立てられて苦しみます。でも、そのプロセスで、自分の所有につながる能力に劣等感を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば自身の能力を豊かな所有につなげるエキスパートになれます。
３ハウスにキロンがある場合、自己表現に苦手意識を抱き、表現したことが上手くと伝わっているかどうかが心配で苦しみます。でも、そのプロセスで、自分の表現能力に苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば自己表現のエキスパートになれます。
４ハウスにキロンがある場合、心身の安定や基本的な生活基盤の安定感に苦手意識を抱き、自分の心や身体に適合するライフスタイルや自分軸が見出せず苦しみます。でも、そのプロセスで、自分の心や身体に適合するライフスタイルが定まらず、苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば心身の安定や基本的な生活基盤の安定のエキスパートになれます。
５ハウスにキロンがある場合、自身の至福の追求に価値を見出せず、純粋に遊びを楽しむことに苦手意識を抱き、創造の喜びも味わえず苦しみます。でも、そのプロセスで、至福の追求に苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば趣味や遊びから創造性や才能を引き出すエキスパートになれます。
６ハウスにキロンがある場合、貢献することに対して苦手意識を抱き、どこまで貢献しても足りない気がして、犠牲的な状態を招いて苦しみます。でも、そのプロセスで、貢献に苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば喜びを与え受けとる貢献の循環を作るエキスパートになれます。
７ハウスにキロンがある場合、対人関係に対して苦手意識を抱き、必要以上に相手に配慮して、苦しみます。でも、そのプロセスで、対人関係に苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば癒しやくつろぎを与える交流術のエキスパートになれます。
８ハウスにキロンがある場合、共感や信頼構築に対して苦手意識を抱き、相手と心を一つにしようと意識するあまり消耗して苦しみます。でも、そのプロセスで、共感や信頼構築に苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば共感や信頼の通う交流のエキスパートになれます。
９ハウスにキロンがある場合、未知の世界の知識や情報の探求に苦手意識を抱き、知識や情報を集めることにエネルギーをつぎ込み、その知識や情報に翻弄されて苦しみます。でも、そのプロセスで、未知の世界の知識や情報の探求に苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば知的探求の成果から自身の中の叡智の目覚めに気づくエキスパートになれます。
10ハウスにキロンがある場合、社会的な活動に対して苦手意識を抱き、パーフェクトな結果や社会的な評価を自分に課して苦しみます。でも、そのプロセスで、社会的な活動に苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば好きな仕事で自分らしい活躍を導くエキスパートになれます。
11ハウスにキロンがある場合、グループシップに対して苦手意識を抱き、組織や仲間に対して必要以上に配慮して苦しみます。
でも、そのプロセスで、グループシップに苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば組織的な力を願望の実現につなげるエキスパートになれます。
12ハウスにキロンがある場合、自身のネガティブな感情や観念に対して苦手意識を抱き、様々な思い込みで自分を責めて苦しみます。でも、そのプロセスで、自身のネガティブな感情や観念に苦手意識を抱く人の気持ちが痛いほどわかるようになり、克服できれば心を自由にして潜在意識のパワーを得るエキスパートになれます。
次回はエリクソンの「私の声はあなたとともに」の解説を予定しています。
わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。
詳しくはこちら をご覧ください。
新メニュー（月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク）が加わりました。
最後まで読んでくださり、ありがとうございます。