こんにちは、リブラです。今回は、ウエイン・ダイアー著「老子が教える実践道(タオ)の哲学」の解説です。

 

 

第64章「今ここを疎かにするなかれ」

 

「静かなうちなら御し易い。表れないうちなら防ぎ易い。脆いものなら砕き易い。小さなものなら散らし易い。

事が起こらぬうちに為し、乱れないうちに治めなさい。両腕で抱える大木も小さな実生から、九層の塔も一個の煉瓦から、千里の道も一歩から、始まることを忘れてはならない。

企めば敗れる。掴まえれば失う。賢人は、企まないからしくじらない。掴まえないから失わない。失敗は、最後の一歩に潜むもの。最初と同じく、最後も用心、そうすれば失敗は起こらない。

賢人は、得難いものに拘らない。貴重なものに拘らない。学んだ知識に拘らない。万物は万物の本性に任せ、一切を欲せず、一切を牛耳らない」

ー老子が教えるタオの哲学ー

 

最終結果は気にしないこと。到着した目的地は、新しいへの出発点でしかありません。ならば、道中の一歩一歩を楽しみましょう。どんなゴールにせよ、この一歩があってこそ到達できるのだということを忘れずに、一度に一つのこと、今日一日のことだけを考えるのです。

 

一度に一歩、この一瞬、この一日だけは確実に行う、それが道(タオ)の実践なのです。

 

今日のタオ

 

今日一日だけ、止めたいけれど止め難い悪習慣(タバコ、アルコール、ネットサーフィン、ゲームなど)を断ってみましょう。

そうやって過ごした一日の最後に自分の気持ちを振り返り、そのとき、一度だけ「明日の朝もこのままタオの実践を続けるかどうか」を決めましょう。この「道徳経」81章も一瞬にしてできたものではなく、智恵の書として読み継がれるうちに、2500年以上の時の重みを持つ古典となったのですとダイアー博士は言っています。

 

2020年、コロナウィルスが世界的なパンデミックになった頃、巷の不安要因は、「マスクが入手困難」であることでした。マスクでコロナウィルスが完全に防げるわけでもないのは、インフルエンザの流行がマスクで防ぎきれないのでみんな知っているはずでした。

 

入手困難ならば不織布マスクを煮沸消毒するなり、布マスクを作るなりすればくり返し使えることもみんな知っていました。それでも、マスクが店頭に並んでいない現実に不安になり入荷すると安心するという、マスクの有り無しに心を振り回される不思議な体験をわたしたちはしていたのです。もう、忘れてしまったかもしれませんが。いま振り返ってみると、笑い話のようです。

この現象を俯瞰視点(タオの視点)の老子先生が眺めていたら、「今ここを疎かにするなかれ」と忠告したことでしょう。

 

食物連鎖のトップに君臨し、地球の命運までも握っているわたしたち人類が、愚かにも不織布マスクの争奪戦に心を振り回されてしまうのは、「今、ここ、この瞬間」を大切にしていないからなのです。

 

「今、ここ、この瞬間」なんて何も凄いものはないじゃないか!とエゴは囁くかもしれません。

でも、この囁きこそが「この問題が大したことでない証」なのです。エゴは緊急事態が発生したときに指揮をとり、身体を生き残りに向かわせる、生存本能由来の意識です。

 

そのエゴが「『今、ここ、この瞬間なんて何も凄いものはないじゃないか!」と言って疎かにするわけですから、「今、ここ、この瞬間」には問題も、危機もないのです。船はそういう場に錨を下ろし、車はそういう場所に駐車しますよね。

 

まず、安心できる『今、ここ、この瞬間に足掛かりを置く。それが決まらないと、行く先にどんな魅力的未来が待っていたとしても、わたしたち人類は不安に陥る生き物なのです。

 

わたしたちのエゴはそれを熟知しています。不安を煽ればコントロールしやすいのがわかっているから、どうでもいいようなものに意識を向けさせ、「今、ここ、この瞬間」の足掛かりの安定を忘れさせ、不安を煽り物質次元と未来にばかり意識を飛ばすように仕向けるのです。

 

「今、ここ、この瞬間」という大事な足掛かりがないまま、現状の不安に駆られたまま、未来のことなんて考えようものなら、お先真っ暗なヴィジョンしか思い描けません。これがエゴの狙いです。

 

エゴの策略にひっかかると、「怖れ」に操られた人生を生きることになります。エゴは過去の経験に基づく判断が得意で、何が起こるかわからない未来を想定するのが苦手です。エゴは自分が苦手な領域で指揮をとりたくないので、過去の経験が活かせるテリトリー内で人生を収めようと必死なのです。

 

物質的な現実に強いやぎ座冥王星時代は、過去の経験に基づいて手堅くヴィジョンを描く生き方がまだ通用しています。しかし、6月11日までの期間限定ですがみずがめ座に冥王星が入った今、エゴがしがみつく過去の実績はなんの安心材料にもなりません。その経験を活かして未来を思い描いても、なんのモチベーションも湧いて来ないでしょう。

 

ほんとうの安心感は、身体と心がひとつになる「今、ここ、この瞬間」に意識を向け、生命力のスイッチがオンになるとき自然に湧いてくるものなのです。

 

わたしたちの身体がある「今、ここ、この瞬間」は、意識界のエゴと精神世界の魂が物質界に関わることができる唯一の接点です。だから、エゴと魂と身体の目的が一致したとき、奇跡的な生命力が湧いてくるのです。

 

魂の目的は、様々な感情を通して未熟なエゴを分離(正・誤、優・劣、善・悪を分ける)思考から統合(両極があるからすべては存在する)思考に導くこと。

 

エゴの目的は、長く豊かに安全に生き延びること。

 

身体の目的は、五感や活動の喜びと本能的な衝動を満たすこと。

 

「今、ここ、この瞬間」に自分が生きているということは、この一瞬、魂とエゴと身体が目的を一致させている(生命力がオンになっている)ことを示すのです。

 

「今、ここ、この瞬間」が魂とエゴと身体が「人生を幸せに生きる」という一致した目的に向かって足並みを合わせられる場所と知ったら、ここに意識をフォーカスする重要度が理解できると思います。

 

魂は人生のブループリントを設計して意図示し、エゴは「今、ここ、この瞬間」に足掛かりを下ろせるか(いまここが安全か)を確認し、身体は「今、ここ、この瞬間」の生存の営みをする、それぞれの役割が「今、ここ、この瞬間」に行われるには、この一瞬を大切に思う気持ちがなかったら成り立ちません。

 

それがわっていると、「今、ここ、この瞬間」に自身の魂とエゴと身体が三位一体となって、精神世界と意識界と物質界の接点で、呼吸をして生きているというだけで、生きる喜びと感謝の念が湧いてくるはずです。

この人生はエゴだけの努力で成り立っているのではなく、神の分霊(魂)が自ら計画し参加する壮大なプロジェクトなのです。

 

ホロスコープのIC(4ハウスの始点)の星座を見ると、自身の魂とエゴと身体が一致して「今、ここ、この瞬間」に安心できるヒントが掴めます。

 

ちなみにわたしのICはふたご座なので、好奇心をそそる情報がいっぱいあって退屈しない「今、ここ、この瞬間」を生きている!と意識を向けると、おもしろい仮想現実の人生を歩んでいる感じがして未来のゲーム展開が楽しくなるようなヴィジョンが浮かんできます。

 

ICがおひつじ座の場合、動物的な本能から来る衝動や直感を大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、怖れることなく冒険的なヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがおうし座の場合、五感で良質のものを味わい楽しむことを大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、優雅で豊かなヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがふたご座の場合、好奇心で知識や情報を集めて楽しむことを大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、多様性に富んだおもしろいヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがかに座の場合、自身のテリトリー内を安心と喜びで満たすことを大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、プライベート空間が感動に満たされるヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがしし座の場合、楽しいイベントの企画を大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、自身の個性が輝くヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがおとめ座の場合、やすらぎと健やかさを尊重する自然なルールを大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、自然なルールに基づく知的で現実的なヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがてんびん座の場合、美意識による調和とバランスを大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、美しいハーモニーを周囲と奏でるようなヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがさそり座の場合、真実・本質・本物を大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、「ほんとうの自分」が活かせるヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがいて座の場合、楽観的思考で未来を想定することを大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、明るく可能性の広がるヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがやぎ座の場合、失敗や逆境からの学びを成功へのバネとすることを大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、ピンチがチャンスを生むヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがみずがめ座の場合、俯瞰視点で物事を眺め独自の発想を大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、独創的なアイディアで枠越えするヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

ICがうお座の場合、スピリチュアルな世界をテリトリーにして自身の夢を育てることを大切にする方針で「今、ここ、この瞬間」に意識を向けると、スピリチュアルな幻想の世界を現実化するヴィジョンが描けて、生命力がオンになります。

 

次回も「老子が教えるタオの哲学」の解説を予定しています。

 

わたしのサロン、リブラライブラリーではあなたの心のしくみをホロスコープで解説し、心の制限、葛藤が引き寄せる現実問題にセルフヘルプで立ち向かえるようサポートします。

 

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新メニュー(月の欲求・土星の制限の観念書き換えワーク、キローンの苦手意識を強味に変えるワーク)が加わりました。

 

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。