こんにちは、リブラです。今回は、ティール・スワン著「自分を愛せなくなってしまった人へ」の解説の続きです。

 

ツール28 境界線を定める

・境界線の侵害に注意する

 

自分と世界をどのように関連づけるかというガイドライン」であり、「その人の振る舞いに関するルール」である境界線の侵害とはいったいどんなものなのでしょうか?なぜ、一度境界線を定めてそれで終わりにできないのでしょうか?

 

わたしたちは家族や社会に適合するために周囲に受け入れられるアイデンティティ、つまり偽りの自分を作らなければなりませんでした。それは、期待される人間になり「ほんとうの自分」を恥じるという、生存のための戦略でした。

 

境界線の侵害は、子どもの頃に恥ずかしさから「ほんとうの自分」であることをやめてしまうときから始まっています。

 

「ほんとうの自分」が怒りを発生しても、偽りの自分が「ありがとう」といって親との調和を図るのを優先するのです。

そして、自分が感じたことが真実ではなく、自分の感情を恥じるべきだと学んで?しまうのです。

 

境界線の侵害は、健全な場合、感情の不快感で気づきます。しかし、偽りの自分が「ほんとうの自分」の感情を封じてしまうと気づけなくなってしまいます。

 

ですから、偽りの自分に気づくことが大切です。

偽りの自分は、「他者からネガティブに思われていないだろうか?」という意識から生まれます。

 

自分に対して次のような質問をしてみましょう。

 

「自分がほんとうに望んでいるものをわかっているだろうか?」

「自分が何を考え、何を信じ、どう感じるべきかを他人に決めさせていないだろうか?」

「自分のほんとうの気持ちを人に知られるのを恐れていないだろうか?」

「人からネガティブに思われるのを恐れていないだろうか?」

 

自分がほんとうに望んでいるものがわかり、他者の意見に左右されず自分で考え、信じ、感じることができ、自分のほんとうの気持ちを表現でき、人からネガティブに思われることが恐くなければ、境界線の侵害はなく、きわめて健全な状態と言えます。

 

当然のことですが、偽りの自分の設定する境界線は「他者からいい人に思われる」ためのものなので、「ほんとうの自分」は守れません。「ほんとうの自分」が何を感じても封じられてしまいますから、侵害されっぱなしなるでしょう。

 

境界線の侵害が日常的になると、原因不明のイライラやモヤモヤや焦り・不安・虚無感がつきまとうことになります。

でも、この感情が感じられたら「一歩前進した」と自分をほめてください。

 

偽りの自分がどんなに封じても「ほんとうの自分」が発生させる偽りのない感情の発露を感じとれたのですから。

「ほんとうの自分」が何か不快感のサインを送っているのを受信できたのですから。

 

その感覚こそ、健全な境界線が知らせてくれる警報です。そして、そのネガティブな感情を発生しているのは、幼いときに傷ついて閉じこもってしまったインナーチャイルドです。

 

自分が感じたままを表現しただけなのに咎められ悲しい思いや恥ずかしい思いをしたインナーチャイルドが、助けを求めて送っているサインなのです。

 

幼い子どもにとって、自分がつらいのに他者を優先させて何十年も待たされるのは耐え難いですよね。

原因不明のイライラやモヤモヤや焦り・不安・虚無感は、何かを取り除いて欲しいとか解決してほしいという要求ではなく、封じられた感情に気づいてほしい、一緒に感じてほしいというメッセージなのです。

 

原因不明のイライラやモヤモヤや焦り・不安・虚無感を感じたときには、独りになれる時間をつくり、5歳以下の自身の子ども時代のイメージを思い浮かべて、その子が怒ったり、怖がったり、がっかりしているところを想定してみましょう。

 

そのイメージが描けたら大人のあなたがその子の隣に座って、その気持ちを一緒に感じてあげてください。

あなたが寄り添ってあげれば、その子は素直に感情を表現することを許されたと感じます。

 

そうすると、インナーチャイルドが力を得るので偽りの自分が感情を偽ることができなくなります。

5歳以下の子どもにとって、親の影響力は強大です。生存がかかっています。

 

親に𠮟られたり、禁止されたことや親の機嫌を損ねるようなことをして嫌われるのが怖いのです。

他者の反応が気になるのは、心の奥でインナーチャイルドがこの感情を感じているからです。

 

ですから、インナーチャイルドと気持ちを一緒に感じて素直に感情を表すことを許してあげると、信頼関係が構築されます。

インナーチャイルドと信頼構築がなされると、原因不明のイライラやモヤモヤや焦り・不安・虚無感ではなく、何が不快なのかイメージで知らせてくれるようになります。

 

ちゃんと本人の大人意識が気持ちを受けとめてくれるのをインナーチャイルドが信頼すると、感情は溜まらないので暴走せず、「これは嫌い」「これは好き」という好みを知らせてくれる程度になります。

 

そういう情報が手がかりになり、封じてしまった「ほんとうの自分」を思い出していくのです。

 

偽りの自分で生きていても偽りの人生しか生きられません。

「ほんとうの自分」の人生を生きたいのであれば、まずは「ほんとうの自分」の感情を取り戻すことです。

 

その手がかりを与えてくれるのがインナーチャイルドです。

あなたの心の内側にいる幼い子どもの意識が、「ほんとうの自分」に帰る道を導いてくれるのです。

 

次回は「ヒロインの旅」、次々回は「マーガレット・ミッチェルのホロスコープリーディング」、その後「自分を愛せなくなった人々へ」に続きます。

 

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