こんにちは、リブラです。今回は「パスワーク」の解説です。

 

感情を経験する能力は、幸せを与えたり受け取ったりする能力と同じものです。

どんな種類のものであれ感情的な経験を避けるなら、その度合いによって幸福の経験に通じるドアも閉じてしまいます。

 

感情的な経験から自分を締め出すと、その程度に応じて潜在的な創造力の完全な表現も妨げられてしまうのです。

創造性の発展は、直観的なプロセスです。

感情的な経験力強く健康的で成熟しているほど、直観の働きは冴えるのです。

 

わたしたちの多くは、幼い頃に「感じなければ、不幸になることはない」という無意識の思い込みを作ります。

感情的な経験に対する感受性を麻痺させれば、目先の痛みを感じなくて済むと思うのです。

 

しかし、それは幸せや喜びに対する感受性も鈍くしていることになります。

感情から逃げていると、人生を完全に経験できなくなります。

 

感情の痛みを避けるために、生きること、愛すること、経験することから身を引いてしまうと、結果として創造的能力も直観力も鈍くしてしまいます。

 

ヒトは優秀な頭脳を持っているがゆえに、感情という見えない感覚器にも痛みを感じ、苦しみを覚えます。

 

感情の痛みや苦しみは、脳が大人に成熟している場合、理解によって緩和され、時間の経過で忘却されていくので、感覚を鈍らせる必要はありません。

苦い薬を味あわないために、水と一緒に飲み込むことはあっても、すべての食べ物を味わうのをやめてしまうということはしないでしょう。

 

感情の痛みを感じるような出来事が、自然災害であった場合と、人災であった場合とでは、心の痛みの残り方が明らかに違うと思います。

なぜ違うかと言えば、成人の脳ならば事情を理解して、あきらめや怒りと言った別な感情に転換され、「痛み」のまま残ったりしないからです。

 

感情の「痛み」をその「痛み」を感じた記憶と共にそのまま取って置き、その苦しみを引きずって生きるのが耐え難いから感情を切り離すというのは、幼い脳がストレスにさらされたときに無意識にとる方法です。

 

20代初頭の頃勤務した精神科のクリニックで、全く笑いも泣きもしない、無表情な赤ちゃんを数人見かけたことがあります。

親からの虐待が原因で無表情になっている子もいましたが、多くは大切にケアされている赤ちゃんたちで、親が無表情になっていることが原因でした。

 

子どもが生まれたことで負担が増え、夫婦の間に亀裂が入り、その感情を表に出すと家庭崩壊になるので感情にフタをする・・・そうして表情を失った親たちが世話をする赤ちゃんは、笑わなくなるのです。

赤ちゃんにとっても感情にフタをした人に世話されるのは、ストレスなのでしょう。

 

感情の「痛み」を封じ込め、その苦しみを味あわないようにするために「感情を鈍くする」方法は、脳が未成熟な子ども時代のストレス対処法です。

 

未成熟だからどうしてそのストレスにさらされたのか、どうやってそれに対処していいのかわからないので、そのまま封印して大人になったとき解決してもらおうと取って置くのです。

それがトラウマの数だけ存在するインナーチャイルドという副人格の正体です。

 

SFもののストーリーでよくある「現代では解決できない問題を未来の誰かが叶えてくれる」と冬眠装置で眠って待つという設定が、わたしたちの脳の中でほんとうに成されているのです。

 

今回のパスワークで取り上げている「不幸避けるために感情を麻痺させること」というのは、「感情の痛み」に向き合わず避け続けていると、大人の成熟した脳を持っているにもかかわらず宝の持ち腐れになってしまうよ、と言っているのです。

 

自分自身の感情の「痛み」を、人や環境のせいにしたり、無視したりしなければ、1番最近の感情の「痛み」から子ども時代までに遡る同じパターンの繰り返しに気づくことでしょう。

 

最初の「痛み」の根源にたどり着くときが、ずっと助けを待っていたインナーチャイルドとの再会のときです。

想像してみてください。

 

幼くて未熟でなにもできない無力な存在だったときに、受け止められないほどのストレスを抱えて、自分自身の意識から隔離されて、ずっと助けに来てくれる日を待ち望んでいたインナーチャイルドのことを。

 

そのインナーチャイルドが感じた「痛み」と同じシチュエーションを現実に遭遇する度、気づいてほしくて「痛み」の感情を発信していたのです。

 

「こんな子どもっぽい感情でムキになって、わたしってバカみたい」と無視する度に、「今回も気づいてもらえなかった」とインナーチャイルドはがっかりしたことでしょう。

 

繰り返されるネガティブな感情の「痛み」は、インナーチャイルドが気づいてほしがっているサインです。

 

いまの自分でも耐え難いような感情を、心の防衛システムも完成していない幼い自分が抱えているのです。

たいそうなことができなくても、その気持ちに共感するだけでも助けになると思いませんか。

 

大人の成熟した脳は、理解ができると感情の「痛み」は緩和されますが、インナーチャイルドは本人の大人意識に気づいてもらえるまで、ずっとその「痛み」と共存し続けているのです。

 

次回は「ベートーヴェンのホロスコープ」、次々回は「自分を愛せなくなった人々へ」、その後「パスワーク」に続きます。

 

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