こんにちは、リブラです。今回は、閃めく経絡の解説です。

 

28.太陽経-膀胱経

 

膀胱経は後頭部後方を走行し、背中を左右2本の線に分かれて脚まで下りていく。身体の中で最も長い経絡である。

 

この膀胱経の背柱に沿って肺兪・心兪・肝兪・胆兪・脾兪・胃兪・腎兪・小腸兪・大腸兪・膀胱兪と並ぶツボは、その名前の臓器それ自体の問題を治療するのに最適と考えられている。

 

また、その一直線に並ぶツボの外側にも平行して並ぶツボの線があり、これらはその臓器の活力(精神や感情に関わる)を与えるツボとして役立つ。

 

この経絡がどこからやって来たかというと、受精卵の胚が25日目を迎える頃、腎臓が完成する前の「中腎」と「心臓」が同時に現れ、中腎は発達中の脊椎と一緒に走行する「管」につながり、膀胱の後面となるものを介して卵黄嚢へ流れ出る。

この「管」が膀胱なのだ!

 

したがって、中医学の膀胱経は、ほぼ完全に発生初期の中腎による膀胱と一致する。

中腎は大動脈につながる。背中の皮膚から大動脈、中腎、脊柱の間の空間をサーフィンのように移動する「神経堤細胞」が、脊柱に沿って並ぶ未成熟な臓器に指令を与えて組織化する。

 

一部の「神経堤細胞」は、横に移動し(臓器に作用して治療するツボとその臓器に活力を与えるツボが平行して並んで存在する根拠と言える)、内側に潜り実在するツボの背兪に対応する。

 

王居易医師は、これらのツボが臓器の器質的な問題の治療に適しているというのだ。

つまり、「神経堤細胞」と形成された臓器を再接続するツボなのだ。

 

この「神経堤細胞」のルートは約7週間で消えてしまうため、成人では見ることができないが、細胞レベルで背部の組織を注意深く観察すれば、考古学者がジャングルに埋もれた失われた文明を見つけるように、この原始の膀胱を見つけることができる。

 

これが意味するところは、鍼をこの空間に入れることでこれらのつながりを再び呼びさますということだとキーオン氏は言っています。

 

この本で何度も出てくる経絡の謎への回答は、発生学です。

 

受精卵からヒトの胎児が作られるまでにどんなシステムで何が起こっているのかがわかれば、経絡は見えないけれどちゃんと実在していたことが、この膀胱経のツボの走行のようにわかります。

 

そして何より不思議なのは、いまはもう影も形もない、かつては存在していたものに対して鍼灸治療を施すと、いま存在する臓器にちゃんと作用することです。

 

鍼灸は、西洋医学のように問題のある臓器に直接アプローチはしません。

経絡というかつて使われていた連絡網を復活させて、身体の全体性と臓器やその細胞を再接続させてコミュニケーションを取らせ、本来の自然で健やかな状態を思い出させるようなことをするのです。

 

そのやり取りは、もうすでにある細胞たちの調子が狂った状態で新しい細胞をつくる働きではなく、これから生まれようとしている細胞に生まれてくる前から、「本来、あなたたちはこんなイメージの存在で、このように働いて身体の全体性の一部になるのだよ」と指令を伝えている感じです。

 

いまなくなってしまった「神経堤細胞」の代わりが鍼灸の経皮で作用する刺激なのでしょう。

その刺激が問題の臓器の細胞に届くと、「あれ、わたしたちは、いつの間にか身体の全体性のエネルギーに不都合を起こす働きをしていたのか!即刻、身体のためになる働きにしなければ」と、新たに生まれる細胞からそうなっていくので、治療効果が現れるまで時間がかかるのだと思います。

 

「経皮で刺激を与える」という方法も、「神経堤細胞」に近い伝達方法なのだと思います。

 

なぜなら、発生学的に皮膚は外胚葉由来で、外胚葉は脳や神経をつくる胚葉です。

「神経堤細胞」も外胚葉由来の細胞ですから、ふるさとが同じでコミュニケーションが通じやすいのでしょう。

 

考えてみれば、わたしたちは全身皮膚という外胚葉由来のファッシア(膜)に包まれています。

昔から「手当て」という言葉が治療を意味する言葉であるのは、経皮的に手を当てて治療していた時代が長かったのでしょう。

そして、それに一定の効果があったからこそ、そのような言葉が現代に残っているのだと思います。

 

自分自身の身体に触れながら、1日の労働に生命活動に、頑張ってくれたことに感謝を送ると、身体が喜んで「明日も共に頑張ろう!」という反応を感じるのは、この本を読んでから確信に変わりました。

 

次回は「ノストラダムスのホロスコープリーディング」を、次々回は「さとりをひらくと~」を、その後「閃めく経絡」のお話しの続きを予定しています。

 

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最後まで読んでくださり、ありがとうございます。