こんにちは、リブラです。
今回はしし座の土星についてサターン(土星)さんに語っていただきます!
サターン「12星座神話にはヘラクレス絡みの話が3つ登場するが、今回はその2つ目に当たる。かに座の続きの話みたいだな。それではリブラさんしし座神話のあらすじを」
リブラ「前回のかに座のときに『12試練リスト』を達成する旅に出たヘラクレスは、鉄よりも硬い皮膚に覆われた巨大な人喰いライオンのティホーンの退治に取り掛かります。
人喰いライオンティホーンの食欲は凄まじく、あらゆる生き物は食い尽くされ、ヘラクレスは道を尋ねることもできず森をさ迷いました。
やがて家族をティホーンに皆殺しにされたモロルコスという男に出会います。
モロルコスは家族の仇をヘラクレスにとってほしいと願い、最後の財産であるたった1頭の羊を『戦いの前に食べていってくれ』と申し出ます。
ところがヘラクレスはその羊を『ティホーン退治に成功したとき神への烽火を上げるので、その捧げ物にしたい』と言いました。
また、『もし、30日経ってもわたしが戻らなかったら、神に烽火を上げてヘラクレスが戦死したことを報告し、その羊を捧げ物にしてほしい』と言って出かけていきました。
ティホーンとヘラクレスの戦いは熾烈を極めました。鎧のような皮膚を持つので武器はすぐ壊れ、ヘラクレスは素手で戦いました。強力な牙と爪に素手で応戦するので、ヘラクレスは死に物狂いで立ち向かいます。
その殺気に飲まれ、ティホーンは臆病風に吹かれて洞窟に逃げ込みます。
ヘラクレスはティホーンを追い詰め、3日3晩首を絞め続け、とうとう窒息死させました。
ヘラクレスがモロルコスのところに戻ったのは出かけてから30日目で、ちょうど彼の戦死報告の烽火を準備しているときでした。
烽火とともに羊を捧げ、ティホーン退治の成功をヘラクレスが報告すると大神ゼウスは大喜びし、人喰いライオンティホーンをヘラクレスの戦果の証として天に上げました。
ヘラクレスはこのときの戦利品であるティホーンの毛皮と爪を生涯身につけました。
かに座神話のときのヘラクレスはメンタルの弱さにつけ込まれ狂気に乗っ取られて我が子を殺してしまいますが、しし座神話のときは気迫でティホーンに勝って家族を全滅させられた男の仇をとってあげましたね。
人喰いライオンはヘラクレスの心の投影かな?」
サターン「ヘラクレスは自分の心の投影と対峙して、身も心も真の英雄となったのだ。
試練は人の心を大きく成長させる。
武力が優れているだけでは狂気ひとつでヘラクレスも殺人鬼と化し、人喰いライオンと変わらない。精神的な強さが備わってこそ、神も認める英雄になれるのだ。
しし座土星の持ち主は、高い精神性を試されるような出来事によって観念をつくりやすい。
生まれる前から『英雄になる!』と大神ゼウスに預言されてしまったヘラクレスは、『英雄になる』前から英雄として振舞わなければならなかった。
そのプレッシャーは確かにヘラクレスを無敵の勇者に鍛えあげた。
しかし、見えない部分である精神性は置いていかれ、弱みとなったのだ。
しし座土星の持ち主は、周囲の注目をバネにして期待以上の成果を上げる力を秘めているが、そこを目標としてしまうと『みんなの期待』でできあがったセルフイメージに押しつぶされ、精神が悲鳴を上げる。
臆病風に吹かれて洞窟に逃げ込むミスをしたティホーンのような状態に陥るのだ。
『わたしは完璧でなければいけない。みんなを失望させてはいけない。
失敗してみっともないところを晒すくらいなら、やらない方がマシ』という観念は、チャレンジから逃げまくる口実を与え、精神的成長のチャンスを奪う」
リブラ「しし座土星の持ち主が目指す高い精神性を身につけるためには、それに見合う大きなチャレンジが必要。でも『失敗して周囲を失望させたくない』観念が働いて、チャレンジを回避してしまう。
終わりのないジレンマに消耗してしまいそうですね。
どうしたらよいのでしょう?」
サターン「しし座に星がないリブラさんは、この種の観念はないのだろう?
真反対のみずがめ座に土星があるくらいだから、困ることはないのだろう?」
リブラ「わたしだったら『自分のための戦い』に集中しないと力が出ないので、『周囲の期待』は脇に置きますね。それをぶら下げたまま戦場には行けません。
3つの天体が集結するさそり座の気質も強く、なりふり構わないほどの集中はわたしにとって快感の極みになります。だから『周囲の期待』という雑念を手放すのは簡単なのです。
でも、しし座は『周囲の期待』がテコになってはじめて期待以上の結果が出せるのですから、脇に置いたらダメなのですよね。ここが難しいところです」
サターン「解決のヒントはヘラクレスが示しているだのが・・・。わからないかね?」
リブラ「サターンさん、ケチケチしないで教えてください!」
サターン「わたしはケチで言っているのではなく、成長を促しているだよ」
リブラ「ヘラクレスが出かけるときにした、大義名分作りのことですか?
『勝ったらティホーン退治の英雄、負けても勇敢に戦って戦死した英雄』を確定してから戦場に向かうという」
サターン「正解だ、リブラさん。
『完璧な結果を出す』ことだけを目的にすると、それが達成できないとき『周囲の期待」に応えられなくなる。それがしし座にとっての怖れで、力を損なう原因なのだ。
だから目的を『結果を出すこと』から『全力で戦うクライマックスを周囲と共有すること』にシフトさせるといい。
これなら戦うのは自分であっても周囲の総意の代表であって、独りではない。
みんなに見守られて戦場にいる感覚が出て、これがしし座のパワーを全開にさせる。
そしてこういうハイレベルなチャレンジの舞台で1度でも成功体験をしておくと、しし座土星の持ち主は一生ものの自信を獲得することになる。
ヘラクレスがティホーンの毛皮と爪を生涯身につけたのは、この戦いの成功体験で最高のセルフイメージを定着させて自信に変えるアイテムとするためだ。
過去の「最高のセルフイメージ」に押しつぶされてしまうのではなく、『あの最高のセルフイメージのわたしが本気を出して戦うのだから、勝っても負けても素晴らしいチャレンジになる』と強い精神性を引き出すのだ」
リブラ「ヒトラーはナチスドイツ、チャプリンは作品を応援してくれる観客、元アメリカ大統領ビル・クリントンとヒラリー夫人は支持してくれるアメリカ国民。
確かにしし座土星の持ち主たちの背負う注目とプレッシャーは大きいですね」
サターン「それを足かせとするか、テコとするかで、土星のエネルギーは負にも正にも働くのだ」
リブラ「しし座に海王星・水星・土星の集結があるネルソン・マンデラ元大統領は、アフリカの希望の星として、アパルトヘイトと戦う生涯でしたよね。
しし座のエネルギーの使い方のよいお手本になりそうなホロスコープなので、次回はそのリーディングを予定しています」
サターン「それなら次回のわたしは、観客席で見守っているよ」
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