今日は、「引き寄せの法則」という言葉を流行らせた映画と本のお話です。

ザ・シークレット/ロンダ・バーン
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 通常、本が先で映画が後に作られたりしますが、この本は映画が先に広まり、その後書籍になりました。

 たくさんのスピリチュアル・リーダーたちが、入れ替わり立ち替わり講義したものを編集した、カタログのような本です。映画を先に見てから、何の講義だったのか思い出すのにちょうど良い本です。

 映画の方は、不幸のどん底にいたロンダ・バーンが、娘から贈られた1冊の本を貪るように読み、100年前に書かれた「秘密」に遭遇するシーンから始まります。

 古くは石版に文字が記録されたエジプト文明時代から現代に至まで、暗黙のうちに伝承されてきた「成功の秘密」。とてもミステリアスでインパクトある出だしなので、引き込まれて最後まで見ていると、終わったときにはなんでも引き寄せられるような気分になっています。

 わたしの周囲でも、この映画に感化され、引き寄せに成功した人々が数人いました。

 わたし自身は小規模な引き寄せを何度か成功させましたが、持続引き寄せはできませんでした。

 残念なことに、万能ではないのです。

 「引き寄せの法則」の原理は、「類は友を呼ぶ」という現象を利用して、意識的にイメージしたものを引き寄せ、具現化するというものです。

 「類は友を呼ぶ」という現象はことわざになっているくらい、よく見かける現象です。

 

 わたしは学生のころ、細菌培養の実習でこの現象を目の当たりにしました。

 膀胱炎の原因菌を見つけるのには、病原菌も常在菌もごちゃ混ぜの尿から、同一種類ごとの純培養が必要なのですが、どうやって分離培養するんだろう?と初めてのときは思ってました。

 でも、やったことはごちゃ混ぜの尿を培地に塗って孵卵器に1晩置くだけ。翌朝見ると、あら、不思議!ちゃんと同じ種類ごとにコロニーを作って分かれているではありませんか。

 これは細菌たちの出す代謝産物が菌種ごとに微妙に違い、増殖できる適・不適の環境ができることに起因するので、奇跡とか偶然とかではありません。自然界ではあたりまえの現象なのです。

 

「ザ・シークレット」で紹介されている「秘密の使い方」はとてもシンプルです。

 「お願い(イメージ)する」→「信じる」→「受け取る」の3ステップです。

 コツは「引き寄せの法則」が働くことを完全に信頼すること。(これがなかなか難しい。)

「引き寄せの法則」は同種のものを引き寄せるので、疑うと疑っている状態を引き寄せるそうです。

 

「イメージ」が「望む結果」を引き寄せる例として、よくプラシーボ効果(偽の薬を与えても、本人が効くと思っていると、ほんとうに効き目がでる効果)のことが挙げられますが、なんで偽薬が治療に使えないかと言えば、「信じる」状態が維持できないからです。疑った瞬間にプラシーボの魔法は解け、ただのデンプンの粉になってしまうからです。

 顕在意識を信じ込ませるのは簡単だけど、潜在意識下の自分にまで外部から来た情報を信じ込ませるのは難しいのです。

 「ザ・シークレット」では潜在意識下の自分に届くようなテクニックをたくさん紹介しているので、素直に情報を信じるタイプの人々には有効なんだと思います。

 

わたしのように疑り深い人には残念ながらあまり効果が見られないようでしたが。

 

ノウイング・スクールの講師であるゲリー・ボーネル氏は「葛藤さえなければ意図は結果である」と常々言っていました。

 

「信じる自分」と「信じたくない自分」の葛藤を解消するほうが、わたしにとっては近道かな、と気づかせてくれた本でした。