スタッフの年収を上げてあげたい
スタッフの教育にも力を注ぎたい
けどね、キャッシュ厳しいねん、、、
それでも頑張るから、
経営者である私にも何か
ご褒美くださいよ~~
「所得拡大促進税制」
知ってますか~
これは、賃上げや設備投資に
取り組む企業に対し
その頑張りを称えて、
税金面で優遇してあげよう
という税制なのですが、
この度、
またまた改正されることになりました~
(しかも良い方に)
詳しく説明していきますね。
あ、
この税制は、
大企業と中小企業とで、
若干内容が異なるのですが、
Libra会計のクライアントさまは
100%中小企業なので
このブログでは「中小企業」を前提に
説明しますね
元々この税制は、
平成25年4月に創設され、
これまでも改正を繰り返してきました。
一定の要件をすべて
満たす場合には
税制面の優遇が受けられていたのですが、
その要件が
なかなか厳しいものであったため、
適用となる事業所が少なかったのが現状
となっています。
もちろん、
Libra会計のクライアントさまには、
決算のタイミングで
適用可能かどうかを判定し、
適用が可能な場合には、
当たり前のように適用していますので
ご安心くださいね
その「一定の要件」というのが
下記のとおりです。
簡単な言葉に置き換えて説明すると、、
今年度、身内以外に支払った給与額が
基準年度から3%以上増えていますか?
(給与総額:当年≧基準年×103%)
基準年度とは、
平成25年4月1日以後に開始する各事業年度のうち、
最も古い事業年度の前年度のことをいい、
個人事業の場合は平成25年度となります。
今年度、身内以外に支払った給与額が
前年以上ですか?
(給与総額:当年≧前年)
今年度、身内以外の雇用保険加入者
に支払った
平均給与額が前年度を超えていますか?
(平均給与:当年>前年)
改正前は、
このからの要件をすべて満たせば、
その年度の法人税額又は所得税額の
20%を上限として
今年度に支払った給与額が、
基準年度に支払った給与額を
上回った金額の10%
の税額が控除されます
(当年の給与総額-基準年の給与総額)
×10%
ちょっと~
言ってる意味がわからないんですけど~
という声が聞こえてきそうなので
例題を使って説明しますね。
=基準年度=
身内以外に支払った給与額 4,000,000円
(すべて雇用保険加入者に対する給与)
雇用保険加入者 2名
平均給与 4,000,000円÷2名=2,000,000円
=前年度=
身内以外に支払った給与額 4,100,000円
(すべて雇用保険加入者に対する給与)
雇用保険加入者 2名
=今年度=
身内以外に支払った給与額 6,300,000円
(すべて雇用保険加入者に対する給与)
雇用保険加入者 3名
平均給与 6,300,000円÷3名=2,100,000円
税額控除適用前の所得税額 1,000,000円
=判定=
6,300,000円 ≧ 4,000,000円×103%
=4,120,000円 〇
6,300,000円 ≧ 4,100,000円 〇
2,100,000円 > 2,000,000円 〇
~の要件を全て満たすため、
所得拡大促進税制の適用あり
適用ありとなったので、
税額がいくら減るのかの
計算に移ります
=税額控除額の計算=
(イ)基準年度より増えた給与額
に着目した限度額
6,300,000円-4,000,000円
=2,300,000円
2,300,000円×10%=230,000円
(ロ)税額の20%を上限とすること
に着目した限度額
1,000,000円×20%=200,000円
(ハ)税額控除可能額
(イ)と(ロ)のいずれか低い方
∴ 200,000円
この例題の場合だと、
本来1,000,000円支払わないと
いけなかった所得税が、
200,000円の税額控除を受けることにより、
800,000円で済んだということになります
賃上げを頑張っている企業にとっては
すごくありがたい税制なのですが、
改正前のこの要件にはひとつ、
大きな落とし穴があります。
それは、
今年度に支払った給与額が、
「基準年度」よりも増えていないと、
箸にも棒にもかからないという点です。
つまり、
賃上げは毎年おこなっているけど、
事業規模を縮小するなど
「基準年度」よりも少人数制にシフトして
生産性を高めている企業には
適用できないのです。
「基準年度」となっている
平成25年頃は、
柔道整復師も集めやすく、
分院展開も比較的容易で、
保険診療中心に大規模に
拡大を続けていた治療院が
数多くありました。
しかし昨今、
業界は大きく変化しており、
求人を出しても資格者が
なかなか集まらなくなりました。
そこで、
保険中心の整骨院から
完全自由診療の整体院等に
シフトするなどして、
少人数ながらも利益率の高い
治療院が増えています。
改正前は、
の要件である、
「従業員一人当たりの平均給与額」
は増加していても、
の要件である、
「今年度の給与額が基準年度より
3%以上増えていなければならない」
という要件を満たすことが
難しかったのです。
ところが!!
なんと改正後は、
この「基準年度」という要件がなくなり
今年度と前年度との平均給与の
単純な比較のみで適用できる
ことになるようなので
治療院経営者にとっては
追い風
となります。
その改正後の要件
というのが次の通りです。
今年度、
身内以外の雇用保険加入者に支払った
平均給与額が前年度から
1.5%以上増えていますか?
(平均給与:当年≧前年×101.5%)
ということのみです!!
この要件さえ満たせば
税額控除を受けることができます
改正後の税額控除額については、
シンプルに
今年度に支払った給与額が、
前年度に支払った給与額を
上回った金額の15%
の税額が控除されます
(当年の給与総額-前年の給与総額)
×15%
更に
「上乗せの要件」
に該当した場合は
なんと
(当年の給与総額-前年の給与総額)
×25%
の税額が控除されます。
めちゃくちゃ有難いですよね~~~
※ 「上乗せの要件」とは
平均給与等支給額が前事業年度から2.5%以上増加
次のいずれかを満たすこと
教育訓練費が対前年度比10%以上増加
経営力向上計画の認定を受け、
経営力向上がなされている
とありますが、
全部説明すると長くなりますので、
今日のところは詳しい説明を控えます。
この改正後の「所得拡大促進税制」は
青色申告の法人又は個人事業主が対象
適用時期
法人:平成30年4月1日~平成33年3月31日
までに開始する各事業年度
個人:平成31年~平成33年までの各年度
設立1期目は適用できない
税額控除の限度額は
法人税額(所得税額)×20%
ということになっています。
決算前に利益が残っているようなら、
節税にもなることですし、
頑張ってくれているスタッフさんに
「所得拡大促進税制」の要件を満たすように
決算賞与として還元してみては
如何でしょうか
結論を言うと
従業員一人当たりの年収を
2.5%以上アップし、
教育訓練費を
前年よりも10%以上アップ
させることが出来れば
「上乗せの要件」
にも該当し、大幅な節税が可能となります
年収が上がることで、
従業員さんのモチベーションも上がりますし
知識や技術が向上することで
患者さんも喜びますし
税額控除が受けられることで
院長先生の懐も潤いますので
WIN×WIN×WIN
ですね
ご質問がありましたら、
気軽にお問い合わせください