法制審議会は、殺人の時効の廃止とそれ以外の人の命を奪った犯罪の時効を2倍に伸ばす法案を出した。
これだけなら、現在のDNA解析などの科学的な操作能力を考えれば、何の問題もない。むしろ望ましいといえるだろう。問題は、この法律を過去の犯罪にも適用しようと言う事である。所謂、事後法といえるようなことである。
為政者がその時々でその感情のおもむくままに、国民を罰したりしないように法治国家という概念を生み出した。国民はその時々の法律に従っていれば罰せられることは無いので、法律の範囲内で自由に活動できる。法治国家は、国民の自由を保障する制度といえる。
しかし、事後法が認められたら、どうだろう。今まで適法だと思っていたものが、新たに法律が出来て、過去に遡って取り締まられる。為政者の顔色を見ながら、為政者の機嫌を損なわないように行動しなければならない。とんでもない話だ。
今回の法案は、現在進行中の時効を引き伸ばす内容を含んでいるだけと言えるが、これを前例としてなし崩し的に事後法が作られていく危険性がある。
